Round12イギリスGP
MotoGP 決勝
2018年8月26日(日)
会場:シルバーストーン・サーキット
気温:12℃
天候:雨
シルバーストーンで開催された第12戦イギリスGPは、雨の影響でコースの安全性を確保できないことから、午後4時、MotoGP、Moto2、Moto3クラスともに中止となりました。
今大会は、金曜日・土曜日と断続的に雨が降る不安定な天候となりました。土曜日の午後に行われたMotoGPクラスのFP4では、一時的に強く降った雨の影響でコース上が冠水し、アクアプレイニングで多重クラッシュが発生しました。この事故でティト・ラバト(ドゥカティ)が転倒したほかの選手のマシンと接触して右脚を骨折するなど大きなケガを負い、セッションは赤旗中断となりました。
決勝レースが行われる日曜日も、終日、雨の予報でした。そのためレースディレクションは、雨量が少ないだろうと予想される午前中にMotoGPクラスの決勝を行い、その後にMoto3クラスとMoto2クラスを行うタイムスケジュールに変更しました。予報通り、朝のウォームアップが始まったころからシルバーストーンは雨になりました。そして、午前11時30分、MotoGPクラスの選手がグリッドに着いたころから雨脚が強くなり、そのためスタートを遅らせる決定が下されました。
その後も雨は降り止まず、レースディレクションは、コースの安全性が確認できた時点でレースを再開することにしましたが、コースコンディションはよくならず、レースを再開するためのギリギリの時間となった午後4時、レースディレクションはMotoGPクラスの選手たちと協議し、安全を優先しようということで全クラスの中止を決定しました。
全クラスがキャンセルされたのは、降雪のため中止になった1980年のオーストリアGP以来となりました。
マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「長くて疲れる、そして、いつもと違う一日でした。このようなことがもう起きないことを願っています。セーフティーコミッションはこの状況を分析し、レースディレクションと話し合いしました。最終的に安全を優先しようということになりましたが、レースディレクションは、この判断に感謝すると思います。既にひとりのライダーが病院にいます。今日はファンが辛抱強くグランドスタンドで待っているのをスクリーンで見ました。それが報われればよかったと本当に思います。でも、こうした判断が必要なときもあります」
カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「ホームグランプリでレースができず本当にがっかりしました。天候のためですが、このようなことになり本当に残念です。セーフティーコミッションがディレイを決めました。一日中ディレイとなり、ついにアスファルト上にたまった雨水のために安全ではないと判断しました。ファンにとっては本当に、本当に悲しい日になりました。僕やすべてのMotoGPレーサーをサポートするために来てくれた彼らに本当に申し訳なく思います。ショーを見せられずただ申し訳なく思っています。いつものようにベストを尽くしたと思います。次のグランプリでもベストを尽くします」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合11位)
「今日は、レースをするには相応しくないコンディションだったことは、明らかだったと思います。セーフティーコミッションは安全性が十分でないことで同意しました。正しい決断だったと思います。僕たちはいつもレースをしたいと思っているので、本当に残念です。僕たちは実際一生懸命がんばりました。まずスタート時間を早め、次にできる限りディレイしました。もちろん見に来てくれて、一日中待ってくれたファンには申し訳なく思います。でもティト(ラバト)のことも思うととても気の毒です。彼はケガをしました。長い回復生活が待っています」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 総合17位)
「レースがキャンセルとなりとても悲しいです。一日待っていたファンにはとても申し訳なく思います。でもレースは安全が一番重要です。次のミサノを楽しみにしています。最近ミサノでテストを行ったのでいいレースをする準備はできています」
中上貴晶(MotoGP 総合21位)
「残念ながらとても悪いコンディションでした。レースをしようとしましたが、最終的にレースディレクションが安全性を第一に、すべてのレースの中止を決定しました。もちろんレースをしたかったので、とても残念ですが、安全性のことを考えなければなりません。正しい決断だったと思います。もちろんファンやメディアには申し訳なく思いますが、今は次のミサノのレースのことを考えなければなりません。既にミサノでは1日テストを行っています。テストはとてもうまくいきました。チームにとってはホームレースなので本当に重要です。ミサノでいい結果を出せることを願っています」
トーマス・ルティ(MotoGP 総合24位)
「観客にとって残念な日になりましたが、このようなコンディションではレースは不可能でした。グリッドへ向かうサイティングラップで、アクアプレイニングで大きくスライドしました。とても危険でした。コンディションは午後も変わらなかったので、安全性の理由からレースはキャンセルされました。ライダーはレースをしたいと思っていたのですが、それは安全なコンディションのときに限られます」