Round09ドイツGP
MotoGP 決勝
2018年7月15日(日)
会場:ザクセンリンク
シーズン前半戦の締めくくりとなる第9戦ドイツGPは、今季2回目のポールポジション(PP)から挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がフリー走行、予選の走りを見事に再現し、今季5勝目を挙げました。オープニングラップでは3番手へとポジションを落としますが、5周目にダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)をパス。13周目にホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)を抜くと、着実にリードを広げました。その後、中盤から後半にかけてバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)がマルケスとの差を縮めますが、それまでタイヤをセーブしていたマルケスは一気にペースを上げて引き離し、終盤は2位のロッシとの差を約4秒まで広げての独走優勝でした。
これでマルケスは、前戦オランダGPからの2連勝で今季5勝目を達成。ドイツGPはMotoGPクラスにデビューしてから6連勝、125cc、Moto2時代を含めて9連勝という偉業を達成しました。
今回の結果によりマルケスは、前半戦を終えて総合2位のロッシとの差を41点から46点へ、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)との差を56点へと広げることに成功。3年連続5回目のチャンピオン獲得に向けて、大きく前進しました。
予選10番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は8位でフィニッシュしました。決勝日当日はレースウイークを通じて最も暑い27℃、路面温度も48℃という厳しい条件となりましたが、着実な走りで見事、完走を果たしました。今大会は、開幕前日に今季を最後にMotoGPから引退することを表明しての最初のレース。初日こそ20番手と大きく出遅れましたが、予選で10番手、さらに決勝では8位へとポジションを上げました。ザクセンリンクでは過去に250ccクラスで2勝、MotoGPクラスでは4勝を挙げているペドロサ。得意とするサーキットなだけに、フラストレーションをためるレースとなりましたが、後半戦は現役生活の総決算として、一戦一戦を今まで以上に全力で挑むことになります。
前戦オランダGPで痛めた左手が完全ではなく、FP1を走行後、今大会の欠場を決めたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)の代役としてFP2から走行したステファン・ブラドルは、地元ファンの声援を受け、ポイント獲得まであと一歩の16位でフィニッシュ。チームメートのトーマス・ルティは17位と、今大会も惜しくもポイント獲得を果たせませんでした。
カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、5番手を走行していた10周目の12コーナーで転倒してリタイア。12番手を走行していた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、5周目の13コーナーで転倒し、リタイアとなりました。
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今日の結果にはとても満足しています。そして、とてもうれしいです。ここで9回目の優勝を達成するなんて信じられない気持ちです。それにしても、年を追うごとにプレッシャーは大きくなっています。なぜなら、木曜日からたくさんの人が日曜日は優勝できますか?と聞いてくるからです。確かにこれまでいろんな展開、コンディションで優勝を経験してきました。そして今日のレースはこれまでと違う戦いを期待していました。今日はタイヤのグリップの低下が2回ありました。最初は9周を終えたとき、もう一度はラスト5周から7周くらいでした。今大会もあらゆる状況に対応できる自信はありましたが、最初のドロップは簡単ではありませんでした。スタートがあまりよくなく、2つポジションを落としました。それをリカバリーするのは簡単ではありませんでした。ダニーロ(ペトルッチ)とホルヘ(ロレンソ)を抜いてからは後ろにギャップを作ろうとプッシュしましたが、レース終盤までタイヤをセーブしようと、冷静に走りました。そのあとバレンティーノ(ロッシ)が2人を抜き、タイム差が0.6秒になったので、再びプッシュしてアドバンテージを築きました。チェッカーを受けたあと、ダニの26番のキャップをかぶっているマーシャルがいました。今大会は、今季を最後に引退する彼が主役だと思うし、彼の帽子を振って祝福しました。我々とHondaは、とてもいい仕事をしています。後半戦もこの調子を続けたいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 8位)
「残念なレースでした。なぜなら、このサーキットではいつもいいレースができているからです。しかし、今大会はセットアップに苦労しました。セッションをこなすたびに着実に改善できましたが、最後まで完ぺきなフィーリングにはなりませんでした。今日はスタートからゴールまで一環したペースで走ろうと努力しましたが、十分な速さがありませんでした。引き続き、フィーリングを改善するためにセットアップに集中していきます」
カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「フロントから転んだときはいつも理解に苦しみます。なぜなら、3ラップ前にはそれより速いペースで走っていたのに全く問題はなかったからです。気持ちよく乗れていましたし、グループの中で快適な気分でした。状況をもう少し理解しなければいけないのかもしれませんが、それまではすべてうまくコントロールしていました。それなのに12コーナーでフロントを失い、転んでしまいました。チームの仕事も順調だったし、マシンの状態もよかったです。夏休み前のレースを、こうして転倒で終えるのはとても残念です。今日の状態で次戦のブルノ(チェコ)をもう一度走ってみて、改善できるかどうかを見極める必要があります。今日は自分の後ろを走っていたマーベリック(ビニャーレス)が表彰台に立っています。彼はリアにソフトを履いていました。それだけにとても残念でした」
中上貴晶(MotoGP リタイア)
「完全に自分のミスで転倒してしまいました。今日は(ヨハン)ザルコとスタート直後からバトルになったのですが、お互い速いポイントが違っていたので、無理をせず彼についていこうと決めました。しかし、最終コーナーのブレーキングで入りすぎてフロントから転んでしまいました。タイヤはフロントがハード、リアがソフトで、選択はよかったと思います。今日はスタートもよかったし、ザルコについていけばトップ10はいけたと思うので、とても残念です。シーズン前半の締めくくりのレースとしては残念な結果ですが、内容としては次のチェコにつながるものだったと思います。次は鈴鹿8耐なので、鈴鹿ではしっかり結果を残したいです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 16位)
「最後まで走り切ることができてとてもうれしいです。ホームグランプリでMotoGPにカムバックすることができて、夢が叶いました。短い走行時間だったことを考えれば、自分としてはいいレースができたと思うし、まだMotoGPライダーとしてパフォーマンスがあると感じました。次戦ブルノでは、フランコがさらに強くなって復帰することを願っています」
トーマス・ルティ(MotoGP 17位)
「レース序盤はいい感じでした。タイヤをセーブしながら何人かをキャッチすることができました。しかし、後半はリアタイヤのレベルが大きく落ちて苦戦しました。今大会は、いいレースができるんじゃないかと期待していました。後半戦最初のチェコGPでいいレースができるようにがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | 41'05.019 | |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +2.196 |
3 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | +2.776 |
4 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +3.376 |
5 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | +5.183 |
6 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | +5.780 |
7 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +7.941 |
8 | 26 | ダニ・ペドロサ | +12.711 | |
9 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | +14.428 |
10 | 38 | B.スミス | KTM | +21.474 |
11 | 55 | H.シャーリン | ヤマハ | +25.809 |
12 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | +25.963 |
13 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | +29.040 |
14 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | +29.325 |
15 | 45 | S.レディング | アプリリア | +34.123 |
16 | 6 | ステファン・ブラドル | +38.207 | |
17 | 12 | トーマス・ルティ | +49.369 | |
18 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +1'01.022 |
19 | 10 | X.シメオン | ドゥカティ | +1'16.692 |
RT | 35 | カル・クラッチロー | +21Laps | |
RT | 30 | 中上貴晶 | +26Laps | |
RT | 42 | A.リンス | スズキ | - |
RT | 44 | P.エスパルガロ | KTM | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 93 | マルク・マルケス | 165 | |
2 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | 119 |
3 | 25 | M.ビニャーレス | ヤマハ | 109 |
4 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | 88 |
5 | 5 | J.ザルコ | ヤマハ | 88 |
6 | 99 | J.ロレンソ | ドゥカティ | 85 |
7 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | 84 |
8 | 35 | カル・クラッチロー | 79 | |
9 | 29 | A.イアンノーネ | スズキ | 75 |
10 | 43 | J.ミラー | ドゥカティ | 57 |
11 | 42 | A.リンス | スズキ | 53 |
12 | 26 | ダニ・ペドロサ | 49 | |
13 | 19 | A.バウティスタ | ドゥカティ | 44 |
14 | 44 | P.エスパルガロ | KTM | 32 |
15 | 53 | T.ラバト | ドゥカティ | 30 |
16 | 55 | H.シャーリン | ヤマハ | 22 |
17 | 21 | フランコ・モルビデリ | 19 | |
18 | 41 | A.エスパルガロ | アプリリア | 16 |
19 | 38 | B.スミス | KTM | 13 |
20 | 45 | S.レディング | アプリリア | 12 |
21 | 30 | 中上貴晶 | 10 | |
22 | 36 | M.カリオ | KTM | 6 |
23 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | 4 |
24 | 12 | トーマス・ルティ | 0 | |
25 | 6 | ステファン・ブラドル | 0 | |
26 | 10 | X.シメオン | ドゥカティ | 0 |
順位 | コンストラクター | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | 200 | |
2 | ヤマハ | 160 |
3 | ドゥカティ | 158 |
4 | スズキ | 104 |
5 | KTM | 39 |
6 | アプリリア | 26 |
順位 | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | Movistar Yamaha MotoGP | 228 |
2 | Repsol Honda Team | 214 |
3 | Ducati Team | 173 |
4 | Alma Pramac Racing | 141 |
5 | Team SUZUKI ECSTAR | 128 |
6 | Monster Yamaha Tech 3 | 110 |
7 | LCR Honda | 89 |
8 | Ángel Nieto Team | 48 |
9 | Red Bull KTM Factory Racing | 45 |
10 | Reale Avintia Racing | 30 |
11 | Aprilia Racing Team Gresini | 28 |
12 | Estrella Galicia 0,0 Marc VDS | 19 |