Round02アルゼンチンアルゼンチンGP

MotoGP 予選

2018年4月7日(土)
会場:アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド
天候:曇り/雨
気温:20℃
コースコンディション:ウエット

不安定なコンディションでペドロサ2番手。マルケス6番手から決勝に挑む

第2戦アルゼンチンGPの予選は、断続的に雨が降る一日となり、3番手でQ2に進出したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、今季初フロントローとなる2番手グリッドを獲得しました。午前中に行われたFP3は、ハーフウエットという不安定なコンディション、午後に行われたFP4はフルウエットとなりましたが、予選Q1、Q2は、小雨の中でライン上が乾いていく難しい状況となりました。

その状況の中でペドロサは、前後ともにミディアムコンパウンドでコースインすると1分47秒330をマーク。この時点で今季初のポールポジション(PP)獲得の期待が膨らみましたが、最後のアタックでジャック・ミラー(ドゥカティ)がわずかにペドロサのタイムを上回ったことでPPを逃しました。しかし、フリー走行、予選(Q2)と、ドライとウエットで着実にセットアップを進めたペドロサは、決勝に向けて準備を整えました。アルゼンチンGPでは過去2度表彰台に立っています。今年は3度目の表彰台獲得と大会初の制覇に挑みます。

金曜日のフリー走行でトップタイムをマーク。ウエットコンディションになった土曜日のFP3とFP4でも圧倒的なスピードでトップタイムをマークしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、6番手から決勝に挑みます。フリー走行を終えた時点で、圧倒的なスピードをみせつけたマルケスのPP獲得を疑う者はいませんでした。しかし、ライン上が徐々に乾いて行く不安定なコンディションの中でマルケスは、レインタイヤからスリックでアタックを行いましたが、濡れている部分が多いことからスリックではリスクが大きいと判断してアタックを中断。ピットに戻って再度レインタイヤを履いたマシンにチェンジしましたが、時間が足りず、PP獲得もフロントロー獲得も果たせませんでした。2列目から決勝に挑むことになりましたが、ドライ、ウエットともに圧倒的なスピードをみせているだけに、決勝では依然として優勝候補の筆頭、今季初優勝と2年ぶり3度目の大会制覇が期待されます。

初日のフリー走行で2番手。ウエットコンディションになった土曜日のフリー走行でも快調にラップを刻んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、不安定なコンディションとなった予選(Q2)で10番手へとポジションを落としました。マルケス同様、レインタイヤで1回目のアタックを行い、その後、スリックタイヤを装着したマシンに乗り換えましたが、アタックを中断。再度、レインタイヤでコースインしました。しかし、マルケス同様、残り時間が少なく、ウエットコンディションのフリー走行の走りを再現できませんでした。しかし、マルケス、ペドロサとともに優勝候補のひとり。決勝では、Honda勢の優勝、そして表彰台独占も期待されます。

難しいコンディションの中で3人のルーキーは厳しい走りを強いられました。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は20番手、チームメートのフランコ・モルビデリは22番手、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は24番手と大きくポジションを落としました。ウインターテストでは、レインタイヤで走行する機会がほとんどありませんでした。そのためフルウエットで走るのは今日が初の経験となり、3選手ともにミシュランのレインタイヤのフィーリングを学ぶ一日となりました。決勝では3選手の追い上げが期待されます。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)
ダニ・ペドロサ 「すごい予選でした。コンディションがミックスしていて、とても難しかったです。雨が止むと、路面があっという間に乾き始め、ライン上はドライになりました。しかし、問題は7コーナーでここは完全にウエットコンディション。そして最終コーナーもかなり濡れていました。ジャック(ミラー)はスリックタイヤで素晴らしい走りをみせ、ポールを獲得しました。最初コースに出たときは完ぺきではなかったので、スリックにスイッチすることも考えました。最後はレインタイヤのままで走ることを決めて限界までプッシュしてがんばりました。いいラップを刻むことができたし、この結果はとてもうれしいです。明日のレースでフロントローからスタートするのはとても重要だからです。レースウイークを通してコンディションが目まぐるしく変わったので、正直、明日のレースのタイヤの選択は難しいです。明日を待って様子を見たいです。どのような状況になってもいいレースをしたいと思います」

マルク・マルケス(MotoGP 6番手)
「今日はかなり難しいコンディションでしたが、全体的にとてもポジティブでした。予選では思ったようにはいきませんでしたが、タイムはそれほど離れていません。最初のスティントはレインタイヤで挑み、少し苦戦しました。FP3でもFP4でもいいフィーリングがあっただけに不思議です。そのためスリックタイヤを使おうと決めましたが、リスクが大きすぎました。ピットを出てすぐにウエットの部分を走ったら転倒するリスクが大きいことが分かりました。7コーナーと8コーナーあたりでどうしようかと考え始めました。確かにポールポジションは大事だけれど、レースは明日なのでピットに戻ることにしました。フロントローを獲得できなくて残念ですが、今週はいい仕事ができたので満足しています。昨日はドライで戦闘的な走りができましたし、今日はウエットでも速く走ることができました。明日の決勝はドライになることを望みますが、レインになっても準備はできています。明日の天気と路面コンディションを見て、それから考えたいです」

カル・クラッチロー(MotoGP 10番手)
「フロントローを獲得できるはずだったし、それが予選の最低ラインだったので残念です。チームとして戦術でミスをしてしまいました。だれのせいでもありません。スリックタイヤを装着したマシンでコースに戻ったとき、とてもいいラップを刻んでいたのですが、水があるところではとても滑りやすく、それで2秒も落としてしまいました。スリックタイヤでリスキーな方法を選んでしまいましたが、正しくありませんでした。今はこの結果を受け入れなければなりません。今日はフロントローを獲得できるはずでした。ウエットでもドライでも戦闘的になれるペースがありました。10番手からスタートしますが、自分より前のグリッドにいる優勝を狙うライダーたちがロケットのようにスタートを切ることが心配です」

トーマス・ルティ(MotoGP 20番手)
「今日のコンディションは僕にとって新しい経験だったので、快適なフィーリングを見つけることは簡単ではありませんでした。路面はフルウェットでもなく、フルドライでもありませんでした。しかし、予選の最後にはいいリズムをつかむことができました。あまりドライで走る時間がなかったので、もし明日の決勝がドライになれば面白いレースになると思います。どんなコンディションになっても準備はできています。決勝レースでポジションを上げたいです」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 22番手)
「この結果はうれしくありません。予選で間違ったタイヤを使ってしまい、速く走れませんでした。FP4でいいペースだったので残念です。予選ではスピンしてリアグリップをかなりなくしました。そのためレースではこの部分を改善しなければなりません。天気予報は依然として不安定で、レースのセットアップとタイヤ選択は賭けになりそうです。明日はできる限りポジションを上げることに集中したいです」

中上貴晶(MotoGP 24番手)
「フルウエットの状態ではまずまずの走りができたのですが、雨が上がると意外と乾くのが速くて難しい走りを強いられました。FP3、FP4ともにリアタイヤの温度が上がりすぎて、タイヤが機能しなくなりタイムを出すことができませんでした。リザルトに関しては本当に残念です。しかし、フルウエット、中途半端なコンディションなど、いろいろな状況を経験できました。タイヤの使い方、スロットル操作、マッピングなど、ウエットコンディションではどう走ればいいのか、いろいろ勉強になりました。今日のコンディションでは、ソフトはまったく合わず、ミディアムしか使えませんでした。1レースで使えるのが3本しかないので、決勝が雨になったことを考えて予選は一本で走りました。セッションの最後の方はスピニング、スライドが激しく、タイヤのレンジから完全に外れてしまいました。今日はウエットコンディションのタイヤの使い方を学ばないといけないと感じました」

MotoGP リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム
143J.ミラードゥカティ1'47.153
226ダニ・ペドロサHonda1'47.330
35J.ザルコヤマハ1'47.365
453T.ラバトドゥカティ1'47.681
542A.リンススズキ1'47.743
693マルク・マルケスHonda1'47.754
741A.エスパルガロアプリリア1'47.845
84A.ドヴィツィオーゾドゥカティ1'48.247
925M.ビニャーレスヤマハ1'49.044
1035カル・クラッチローHonda1'49.304
1146V.ロッシヤマハ1'49.326
1229A.イアンノーネスズキ1'49.975
1317K.アブラハムドゥカティ1'49.878
1499J.ロレンソドゥカティ1'50.063
1545S.レディングアプリリア1'50.175
1644P.エスパルガロKTM1'50.324
1710X.シメオンドゥカティ1'50.364
189D.ペトルッチドゥカティ1'50.449
1919A.バウティスタドゥカティ1'50.606
2012トーマス・ルティHonda1'50.833
2138B.スミスKTM1'51.007
2221フランコ・モルビデリHonda1'51.012
2355H.シャーリン ヤマハ1'51.142
2430中上貴晶Honda1'51.387

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