終日、青空が広がったフランスGPのフリー走行は、2年ぶりの大会制覇を狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が3番手、チームメートで、3年ぶりの大会制覇を狙うダニ・ペドロサが8番手で、初日の走行を終えました。
マルク・マルケス
ダニ・ペドロサ
マルケスは、スペインGPのあと、ヘレスの公式テストで試したニューパーツを投入して、セットアップを進めました。午前中の走行では3番手タイムを記録。午後のセッションではタイムを約1秒短縮して、3番手をキープし、2日目のフリー走行と予選に向けて準備を進めました。
マルケスは今大会では、車体パーツやフェアリングなど、ニューパーツへの手応えは感じたものの、ストレートの加速でややタイムをロスしてしまいました。土曜日のフリー走行と予選では、その部分の改善に取り組むことになります。昨年の大会では、予選でポールポジション(PP)を獲得するも、決勝は4位という結果でした。今年は決勝に向けて、入念にセットアップを進め、予選では今季3度目のPP獲得を目指し、決勝では今季3勝目を狙います。
マルク・マルケス
マルク・マルケス
ペドロサは、午前中のフリー走行で、今季初のトップタイムをマークして登り調子をアピールしました。午後のセッションでもセットアップに努めましたが、思うようにタイムを伸ばせず、8番手へとポジションを落としました。土曜日のフリー走行と予選では、セットアップをあまり変えず、走り込みに重点を置く作戦です。昨年のフランスGPは、右腕の手術からの復帰戦となりました。昨年の決勝では転倒し、再スタートを切るも、ノーポイントに終わりました。土曜日の予選では、今季2度目のフロントローを目標に、決勝ではMotoGPクラスで2度目の大会制覇を目指します。
カル・クラッチロー
ティト・ラバト
カル・クラッチロー(LCR Honda)は、12番手で初日を終えました。ポジションは決して満足できるものではありませんが、走りの内容がよく、手応えをアピールしました。午後のセッションでは、転倒のため、タイムアタックのタイミングを逃してしまいましたが、明日のフリーと予選に向けて期待を膨らませていました。
第4戦アメリカズGPで右足をケガしたものの、順調に回復しているジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は18番手、チームメートのティト・ラバトは20番手で初日を終えました。
Moto2クラスは、ホームGPを迎えて気合満点のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、着実にタイムを短縮して、トップで初日を終えました。午前中のセッションは、セットアップに集中した結果、6番手でした。午後の走行では、タイムを約1秒短縮してトップに浮上し、地元ファンの声援に応えました。昨年の大会では3位で表彰台に立ったザルコが、今年は念願のホームGP制覇を目指します。
ヨハン・ザルコ
ヨハン・ザルコ
ル・マン・サーキットを得意とするトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)が2番手につけて、2年連続の大会制覇に向けて、好調なスタートを切りました。3番手はジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)で、トップから0.187秒差と、上位3選手が4位以下の選手に対して、ややリードを築きました。
トーマス・ルティ
ジョナス・フォルガー
昨年のフランスGPの予選では、トップから1秒差以内に17台がひしめく接戦となりました。今年の初日フリー走行は、トップから1秒差以内に11人の選手が名を連ね、明日の予選は、昨年と同様に大接戦となることが予想されます。
昨年のPPを獲得したアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)が6番手、2013年シーズン以来、3年ぶりのPPを狙う中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が7番手、昨年のMoto3チャンピオンのダニー・ケント(Leopard Racing)が11番手につけました。
アレックス・リンス
中上貴晶
この日のフリー走行では、バルセロナで先週行われたテストの成果を発揮した選手が多く、2日目のフリー走行と予選では、サーキットのベストタイムが更新されそうです。
Moto3クラスは、トップタイムから1秒差以内に19台がひしめき合う、今季もっとも厳しい接近戦となりました。その中でジュール・ダニーロ(Ongetta-Rivacold)が今季ベストの3番手、午前中の走行でトップタイムをマークしたホルヘ・ナバロ(Estrella Galicia 0,0)が4番手、尾野弘樹(Honda Team Asia)が今季ベストの6番手で初日を終えました。
ジュール・ダニーロ
ホルヘ・ナバロ
ホームGPを迎えた20歳のダニーロは、今年が3年目のシーズンとなります。セッション中には何度もトップに浮上して、地元ファンを沸かせました。最終的には3番手でしたが、土曜日の予選では、地元ファンの声援に応えようと意気込んでいます。
昨年のフランスGPで予選2番手となって、初のフロントローを獲得したナバロは、今年は初日で4番手につけました。午前中のセッションではトップタイムをマークして、好調なスタートを切りました。土曜日の予選では今季初PPを狙います。
尾野は今季ベストの6番手で初日を終えました。開幕から4戦、グリッドの悪さが決勝レースに影響していました。今大会は好調なスタートを切り、土曜日の予選では今季初のシングルグリッドを、決勝では初の表彰台を狙います。チームメートのカイルール・イダム・パウィは15番手。今季のベストはアルゼンチンGPの4番グリッドです。今大会では初のフロントローを狙います。
尾野弘樹
カイルール・イダム・パウィ
ヨハン・ザルコ(Moto2 1番手)
「とてもうれしいです。自信が持てる一日になりました。大会に向けていい状態が作れていたと思うのですが、それを確認することができました。明日も集中力を維持して、予選とレースに向けて、プッシュし続けたいと思います。マシンと、走行中のフィーリングは共によい状態ですが、決勝に向けてさらに前進しなければいけません。ラップタイムがラップレコードに近いのは、ダンロップの新しいタイヤのおかげです。ヘレスですでにテストをしていますが、とてもよかったです。毎年タイムが上がっています。新しいKALEXのマシンは、さらに速く走れるポテンシャルを持っています。明日もプッシュしてタイムを上げたいです」
トーマス・ルティ(Moto2 2番手)
「このサーキットでは、過去にいい結果を残してきたし、とても好きです。今年のマシンはとてもいいフィーリングですが、まだ改善すべきところがあります。明日は決勝に向けて、いいリズムで走れるようにしたいです。予選では、1列目か2列目のグリッドからレースを始めることが重要になります。チャンスがあれば優勝を狙いますが、今大会はしっかりトップ3でフィニッシュすることを目標にします。今週はその準備ができていると思います。優勝争いをするのがとても楽しみです」
ジョナス・フォルガー(Moto2 3番手)
「来年のMotoGP参戦が決まり、これで今シーズンの戦いに集中できます。ここ2週間はMotoGPについていろいろと考えることがあり、結構ストレスを抱えていました。でも最終的にすべてがまとまり、今大会は集中できているし、マシンのセットアップも順調に進めることができました。FP1で力強い走りをすることができ、FP2でも速く走ることができました。しかし、フロントに問題があって安定性に欠けていたので、コーナーの進入の改善に取り組みました。明日もフロントフォークのセットアップに取り組みます。明日の一番の目標はフロントローを獲得することです。マシンがいいので、モチベーションは上がっています。今大会は、いいレースをしたいです」
中上貴晶(Moto2 7番手)
「午前中は、第4戦スペインGPの土曜日に試し、バルセロナでのテストでも使った新しいフロントフォークで走りました。しかし、ル・マン・サーキットではあまりよいフィーリングを得られなかったので、従来のフロントフォークに戻して、午後のセッションを走りました。決勝に向けてタイヤのロングランも行えたし、午前から午後に掛けてタイムも更新することができました。バルセロナでのテストで試したフロントフォークが、ル・マン・サーキットに合わないのは残念ですが、セッティングの方向性としてはバルセロナで試したセットアップに近いものになりました。今回はトップ3とのタイム差が少しありますが、明日の予選ではフロントローを目標に、悪くても2列目グリッドを確保できるようにがんばります」
ジュール・ダニーロ(Moto3 3番手)
「マシンの感触はよく、とてもうれしいです。午前中は路面が滑りやすかったので、午後に向けてセッティングを変えました。今日はひとりで走り、安定したップタイムを刻むことができたので、自信が持てました。最後にソフトタイヤで走ったら、マシンの感触はさらに上がり、コーナリングがとてもうまくいきました。今日の結果はとてもうれしいです。明日はリラックスして走りたいです。予選ではトップ10に入れば満足です。ホームレースなので、多くのファンがサポートに来てくれています。でも、このサーキットはあまり得意ではありません。ル・マン・サーキットでは、ここ数年完走していないので、今回は完走することが目標です」
ホルヘ・ナバロ(Moto3 4番手)
「今日は日曜日の決勝に向けて、順調に仕事をこなすことができました。午前中のセッションではトップタイムをマークできたし、午後の走行ではタイヤテストをすることができました。今日はリアタイヤのグリップもよく、ブレーキングも安定していました。先週、バルセロナのテストで痛めた肩の状態もよくて、全体的にいい一日になりました。明日も引き続き、この調子をキープしたいです」
尾野弘樹(Moto3 6番手)
「今日はセッティングが進み、走りやすくなりました。午前から午後のセッションにかけて、タイムを1秒短縮することを目標に走りました。それを達成できたのでうれしいです。第3戦アメリカズGPで痛めた右足の状態がよくなってきたことで、走りに集中できていることもタイム短縮につながりました。ル・マン・サーキットはFIM・CEVレプソル国際選手権で初めて表彰台に立ったサーキットなので、今回も、ベストリザルトを目指してがんばります」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | 1'32.830 |
2 | 29 | A.イアンノーネ | ドゥカティ | +0.339 |
3 | 93 | マルク・マルケス | ![]() | +0.483 |
4 | 44 | P.エスパルガロ | ヤマハ | +0.576 |
5 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ドゥカティ | +0.744 |
6 | 41 | A.エスパルガロ | スズキ | +0.765 |
7 | 25 | M.ビニャーレス | スズキ | +0.783 |
8 | 26 | ダニ・ペドロサ | ![]() | +0.918 |
9 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +1.121 |
10 | 46 | V.ロッシ | ヤマハ | +1.144 |
11 | 9 | D.ペトルッチ | ドゥカティ | +1.220 |
12 | 35 | カル・クラッチロー | ![]() | +1.223 |
13 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | +1.253 |
14 | 38 | B.スミス | ヤマハ | +1.476 |
15 | 76 | L.バズ | ドゥカティ | +1.534 |
16 | 50 | E.ラバティ | ドゥカティ | +1.595 |
17 | 68 | Y.ヘルナンデス | ドゥカティ | +1.701 |
18 | 43 | ジャック・ミラー | ![]() | +1.826 |
19 | 6 | S.ブラドル | アプリリア | +1.912 |
20 | 53 | ティト・ラバト | ![]() | +1.959 |
21 | 19 | A.バウティスタ | アプリリア | +2.259 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ヨハン・ザルコ | KALEX | 1'37.370 |
2 | 12 | トーマス・ルティ | KALEX | +0.065 |
3 | 94 | ジョナス・フォルガー | KALEX | +0.187 |
4 | 7 | ロレンソ・バルダッサーリ | KALEX | +0.488 |
5 | 24 | シモーネ・コルシ | SPEED UP | +0.533 |
6 | 40 | アレックス・リンス | KALEX | +0.562 |
7 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +0.724 |
8 | 21 | フランコ・モルビデリ | KALEX | +0.743 |
9 | 23 | マルセル・シュローター | KALEX | +0.789 |
10 | 19 | ザビエル・シメオン | SPEED UP | +0.925 |
11 | 52 | ダニー・ケント | KALEX | +0.950 |
12 | 55 | ハフィズ・シャーリン | KALEX | +1.091 |
13 | 22 | サム・ロース | KALEX | +1.154 |
14 | 60 | フリアン・シモン | SPEED UP | +1.162 |
15 | 73 | アレックス・マルケス | KALEX | +1.170 |
16 | 39 | ルイス・サロム | KALEX | +1.202 |
17 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +1.215 |
18 | 54 | マティア・パシーニ | KALEX | +1.225 |
19 | 44 | ミゲル・オリベイラ | KALEX | +1.278 |
20 | 10 | ルカ・マリーニ | KALEX | +1.285 |
21 | 32 | アイザック・ビニャーレス | TECH 3 | +1.551 |
22 | 70 | ロビン・マルホウザー | KALEX | +1.776 |
23 | 2 | イェスコ・ラフィン | KALEX | +1.910 |
24 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | KALEX | +1.910 |
25 | 97 | チャビ・ビエルゲ | TECH 3 | +2.011 |
26 | 77 | ドミニク・エガーター | KALEX | +2.180 |
27 | 33 | アレッサンドロ・トヌッチ | KALEX | +2.292 |
28 | 11 | サンドロ・コルテセ | KALEX | +2.534 |
29 | 69 | ダニー・エスリック | SUTER | +3.708 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 41 | B.ビンダー | KTM | 1'43.365 |
2 | 5 | R.フェナティ | KTM | +0.076 |
3 | 95 | ジュール・ダニーロ | ![]() | +0.160 |
4 | 9 | ホルヘ・ナバロ | ![]() | +0.192 |
5 | 8 | N.ブレガ | KTM | +0.373 |
6 | 76 | 尾野弘樹 | ![]() | +0.390 |
7 | 55 | A.ロカテリ | KTM | +0.449 |
8 | 21 | F.バグナイア | マヒンドラ | +0.494 |
9 | 84 | ヤコブ・コーンフェール | ![]() | +0.499 |
10 | 11 | リビオ・ロイ | ![]() | +0.535 |
11 | 23 | ニッコロ・アントネッリ | ![]() | +0.580 |
12 | 44 | アーロン・カネット | ![]() | +0.632 |
13 | 36 | J.ミル | KTM | +0.669 |
14 | 58 | J.ゲバラ | KTM | +0.826 |
15 | 89 | カイルール・イダム・パウィ | ![]() | +0.843 |
16 | 20 | F.クアルタラロ | KTM | +0.856 |
17 | 16 | A.ミニョ | KTM | +0.898 |
18 | 4 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | ![]() | +0.980 |
19 | 64 | B.ベンドスナイダー | KTM | +0.993 |
20 | 19 | G.ロドリゴ | KTM | +1.023 |
21 | 88 | J.マルティン | マヒンドラ | +1.103 |
22 | 65 | P.エッテル | KTM | +1.134 |
23 | 40 | D.ビンダー | マヒンドラ | +1.261 |
24 | 17 | J.マクフィー | プジョー | +1.290 |
25 | 7 | アダム・ノロディン | ![]() | +1.448 |
26 | 98 | K.ハニカ | マヒンドラ | +1.449 |
27 | 10 | A.マスボー | プジョー | +1.465 |
28 | 99 | E.ボーラム | KTM | +1.756 |
29 | 24 | 鈴木竜生 | マヒンドラ | +2.086 |
30 | 6 | M.エレーラ | KTM | +2.331 |
31 | 77 | L.ペトラルカ | マヒンドラ | +2.496 |
32 | 3 | F.スピラネッリ | マヒンドラ | +2.629 |
33 | 43 | S.バルトリーニ | マヒンドラ | +2.756 |
RT | 37 | D.ピッツォリ | KTM | - |
マルク・マルケス(MotoGP 3番手)
「今日は難しい一日でした。少し苦戦するんじゃないかと思っていましたが、予想していたよりも順調にセットアップを進めることができました。このサーキットには、2本のストレートがあり、その区間の加速で、タイムを少しロスしています。それでもいいペースで走ることができたし、感触もよかったです。ほかの部分で、ストレートのタイムロスをリカバーするのは難しいので、明日もこの部分の改善に取り組んでいきます。明日、電子制御を調整し、また一歩前進できるようにがんばります。タイヤは、今のところどちらのコンパウンドもよさそうですが、日曜日の決勝で使うタイヤの選択をしっかりしたいと思います」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手)
「今日はいいスタートを切ることができましたが、午後のセッションは、思ったような内容で終えることができませんでした。セッション序盤は順調だったのですが、その後、思ったような結果が出せず、テクニカルな部分の調整をしながらの走行となりました。そのため、思ったほどペースを上げることができませんでした。明日はマシンのセットアップをあまり変えず、予選と決勝に向けて、自分のライディングに集中し、ペースを上げていきたいです」
カル・クラッチロー(MotoGP 12番手)
「今日の走りはとても驚くべきもので、うれしいものでした。マシンの感触はとてもよかったです。しかし、最終コーナーでマシンが急激にスライドして、ミスをしてしまいました。スライドしたとき、指はまだブレーキレバーにありました。そしてリアホイールがラインに戻ったとき、ついレバーを引いてしまうことになり、転倒してしまいました。すぐにコースに復帰しましたが、小さな問題があり、1周しかアタックできませんでした。それでも本当にマシンの感触がよくて、すぐにファステストラップを出すことができました。新品のソフトタイヤは、かなりいいフィーリングでした。まだしっかり温まっていないにも関わらず、すぐにタイムを出すことができました。明日がとても楽しみです」
ジャック・ミラー(MotoGP 18番手)
「フィーリングはかなりいいものでした。今日のパフォーマンスには満足しているのですが、リザルトにはつながりませんでした。ラップタイムはかなり詰められています。さらに前進できる余地もあり、全体的にはいい1日でした。明日は、もっと強くなれるようにがんばります」
ティト・ラバト(MotoGP 20番手)
「午前中は少し苦戦しましたが、FP2では前進することができました。タイムも午前中から約1.5秒短縮することができました。トップとは2秒差以内につけているし、11番手との差はそれほどありません。コーナリングスピードを維持しながら、もう少しコンパクトにコーナーを曲がることができれば、明日は大きく前進できると思います」