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MotoGP

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September 11/12/13 2015 MotoGP Gran Premio TIM di San Marino e della Riviera di Rimini

サンマリノGP サンマリノGP

サンマリノGPプレビュー

第13戦サンマリノGPが、9月11日(金)~13日(日)の3日間、イタリアのアドリア海に面したミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催されます。このサーキットは、2011年のマレーシアGPにおいて、不慮の事故で亡くなったマルコ・シモンチェリ選手の栄誉を称え、12年に、ミサノ・サーキットから現在の名称へと変更されました。

サンマリノGPプレビュー

ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、1993年にイタリアGPが開催されたのを最後に、2006年までグランプリの舞台から外れ、サンマリノGPも、93年のムジェロを最後に開催が中断されていました。しかし、07年にコースの全面改修を受けたミサノ・サーキットで14年ぶりにグランプリが復活。同時にサンマリノGPも復活しました。

従来は左周りのコースでしたが、07年の大改修で右回りに変更されました。07年は全長4.180kmでしたが、08年にはコースの一部が改修され、4.226kmへコースが延長されました。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、グランプリの舞台として再登場以降、今年で9年目を迎えます。

コースは低中速のコーナーが連続するテクニカルなもので、リズミカルな走りを要求されます。Honda勢としては、過去8年の大会では、10年にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が優勝したのみ。シーズンを通じて、RC213Vが最も苦手とするサーキットですが、今年は5年ぶりの優勝を目指します。

前戦イギリスGPで、優勝争いに加わりながら痛恨の転倒を喫したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今大会はその雪辱に挑みます。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで7月に行った事前テストでは、ベストタイムを更新。連続周回のアベレージでも、十分に優勝を狙える走りを披露していました。

マルケスはこれまで、10年に125ccクラスで、11年と12年にはMoto2クラスで優勝しています。最高峰クラスでは13年に2位となるも、14年は優勝争いに加わりながら転倒を喫し、再スタートを切って15位と、悔しい結果に終わりました。今年はMotoGPクラスにおいて自身初となる、サンマリノGP制覇が期待されます。

10年以来、5年ぶりの大会制覇と今季初優勝を狙うペドロサは、同テストでマルケス同様、ポジティブな結果を残しています。今大会は、その成果を大会につなげる意気込みです。過去の大会では、09年が3位、10年が優勝、11年が2位、13年と14年が3位。7月の事前テストでは、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリのウイークポイントを克服しているだけに、マルケス同様、優勝を狙います。

雨のレースとなった前戦イギリスGPにおいて、チームメート同士の接触で、ともに転倒リタイアに終わったカル・クラッチロー(LCR Honda)と、Hondaのオープン車「RC213V-RS」で出場するジャック・ミラー(LCR Honda)は、今大会はともにその雪辱に挑みます。一方、前戦イギリスGPで自己ベストとなる6位でフィニッシュしたスコット・レディング(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、さらに上位を狙います。

Hondaのオープン車「RC213V-RS」で出場のニッキー・ヘイデン(Aspar MotoGP Team)は、前戦イギリスGPで今季初めて、オープン車でのトップフィニッシュを達成。今大会は2戦連続となるオープンクラスのトップリザルトを目指します。チームメートのユージン・ラバティも、着実にマシンのパフォーマンスを引き出しているだけに、今大会はシーズンベストに挑みます。またカレル・アブラハム(AB Motoracing)は、初のポイント獲得に挑みます。

Moto2クラスは、総合首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が、前戦イギリスGPで今季5勝目を達成。第2戦アメリカズGPから11戦連続の表彰台登壇となり、2位以下とのリードを広げました。今年はどのサーキットでも安定した速さを発揮しているだけに、シーズン6勝目が期待されます。

総合2位のアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)は、第9戦ドイツGPから1度の優勝を含む4戦連続表彰台と絶好調。Moto3クラス時代は、13年と14年に優勝している得意のサーキットだけに、第10戦インディアナポリスGP以来、3戦ぶり2度目の優勝が期待されます。総合3位につけるティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も、得意とするサーキットに闘志満々。13年は3位、昨年は優勝しています。今年は大会2連覇を目指します。

中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)にとっては、おととしの大会で2位となった得意のサーキット。今年は2年ぶりの表彰台を狙います。

Moto3クラスは、総合トップのダニー・ケント(LEOPARD Racing)が今季7勝目に挑みます。後半戦に入って不運のレースが続き、やや足踏みする格好のケントですが、前戦イギリスGPで3戦ぶりの優勝を果たし、勢いを取り戻しました。総合2位につけるエネア・バスティアニーニ(Gresini Racing Team Moto3)は、前戦イギリスGPでノーポイントでしたが、ホームグランプリとなる今大会は、その雪辱を果たす意気込みです。

以下、総合4位のエフレン・バスケス(LEOPARD Racing)、チェコGPで初優勝、イギリスGPで3位と、調子を上げている現在総合6位のニッコロ・アントネッリ(Ongetta-Rivacold)もホームグランプリに闘志を燃やしています。尾野弘樹(LEOPARD Racing)は総合23位。初めてのサーキットが続いていますが、今季ベストを目標に戦います。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)
「イギリスでは転倒してしまい残念な結果でしたが、プッシュしていたので、あのような天候では起こり得ることでした。もちろん、チャンピオンシップは厳しくなりましたが、再び優勝争いができました。これはとてもポジティブなことです。次はかなり小さく、低速のサーキットです。夏休み前にテストを行っているので、そのデータが役立つことを願っています。ミサノのようなタイトなサーキットでは、ブレーキングが重要になります。そして、デリケートなバランスが必要です。また、前回のレースウイークと違って、天気がよくなることを願っています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合7位)
「シルバーストーンでのレースは、だれも予想できないようなものでした。レースウイークを通してポジティブな感触でしたが、日曜日に雨が降り、感触を得るのに苦労しました。レースで完走したことは大事ですが、今週はトップグループで戦えるように前進できることを願っています。ミサノは特別な場所で、いつもすばらしい雰囲気があります。レースウイーク中、ずっといい天気になることを願っています。そうすれば、金曜日からマシンのセットアップに取り組めます。このサーキットは短いですが、オーバーテイクのポイントが多く、とてもバンピーなので、セットアップがカギになります。ここで行ったテストが役に立つことを願っています」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合10位)
「シルバーストーンでは、とてもいい感触がありました。だれにも負けないと感じられるレースは、そうあるものではありませんが、シルバーストーンは、その一つでした。あのときは、もちろんだれもが限界で走っていましたが、“どうしてみんなゆっくり走っているのだろう”と、思いながら走っていました。マシンの感触はとてもよかったです。それだけに、一生懸命がんばってくれたチームに申し訳ない結果に終わりました。今週はミサノです。このサーキットとの相性は悪くありません。難しい結果が続いたので、ここから自分たちの走りと、結果を残せることを願っています」

スコット・レディング(MotoGP 総合13位)
「ミサノはシルバーストーンと比べると、とても難しいサーキットです。高速コーナーもありますが、全体的にはテクニカルなコースです。いつもは楽しく走れますが、再舗装された路面のコンディションを見てみる必要があります。今年もタイヤの選択が重要になると思います。シルバーストーンでのいい形を維持できることを願っています。もしマシンがうまく機能すれば、フリー走行で前進できると思いますし、今回もQ2に進めるはずです。決勝でいい結果を出すためには、非常に重要なことです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 総合18位)
「ミサノはこれまでに特別いい走りができたサーキットではありません。昨年はケガのために出場していません。コースは再舗装されました。おもしろいレースになると思いますが、楽ではありません。今の時点では、厳しいレースウイークになると思います。今回もいい結果を出せればうれしいです」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合19位)
「シルバーストーンは、チームみんなにとって残念な結果に終わりました。けれども、カルはとても理解がありました。彼はこれがレースだということを分かっていました。レーシングアクシデントでした。どんなことも起こり得ます。4番手と5番手を走っていただけに残念でした。今はミサノが楽しみです。そのあとの火曜日にはテストがあります。今年はあまりテストがなかったので、それも楽しみです。ポテンシャルはかなりあるので、グリップを増やしたいです」

ユージン・ラバティ(MotoGP 総合22位)
「シルバーストーンでは、ドライでいいラップタイムを刻めました。マシンはいい感触でしたが、土曜日の午前中、テレビで自分の走りを見てびっくりしました。ほかのHonda勢に比べると、僕のマシンにかなりの挙動があったからです。シャシーのセッティングをもっと改善する必要があることは明らかでした。快適に走れるようにしなければなりません。最近はあまり運がありません。チームのために、とにかくいい結果を出したいです」

カレル・アブラハム(MotoGP ノーポイント)
「昨年のミサノは11位になれましたし、私にとってすばらしいレースになりました。今回はもう少しいい結果が出せることを願っています。足はまだ快適な状態まで回復していないので、痛むと思います。回復するのにあと数カ月かかると医者に言われました。これはあまりいいことではありませんが、少しはよくなっていることを願っています。できる限り理学療法に取り組みたいです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 総合1位)
「ミサノは気温が高くなると路面温度も高くなるので、とても難しいレースになります。過去、大雨が降ったこともありますが、天候については現地で確認したいです。ミサノは前回のシルバーストーンとはまったく異なるサーキットです。乗り方も同じではありませんが、いつものように取り組むだけです。優勝に向けて準備をしたいです。そしてなるべくたくさんのポイントを獲得できるようにがんばりたいです」

アレックス・リンス(Moto2 総合2位)
「ミサノは前の2レースとは全く違います。サーキットは小さく、天候もまったく異なります。Moto3クラスでは優勝したことが2度あるので、僕にとっては相性のいいサーキットです。このサーキットをMoto2クラスで初めて走ります。ベストを尽くします。とても強い走りができる気がします。優勝争いができるよう願っています。一歩ずつ前進して、いいセットアップを見つけなければなりません。」

ティト・ラバト(Moto2 総合3位)
「ミサノに向けて気分はとてもいいです。テストすることがたくさんあるので楽しみです。特にフロントとリアのサスペンションは大切です。これを変えることで、どれだけ前進できるか楽しみです。目標は優勝ですが、非常に激しいバトルが展開するMoto2クラスでは、小さなことが大きな違いを生みます。とにかく、レースに向けていつものように取り組みます。きっと、力強い走りができるはずです。予報では完ぺきな天気になりそうですが、シルバーストーンでいいレースをしたあとなので、もし雨が降ってもいいレースができると思います」

中上貴晶(Moto2 総合14位)
「後半戦に入って、いい走りができるようになってきたのですが、第10戦インディアナポリスGP、そして第11戦チェコGPと、序盤にポジションを落として苦戦しました。前戦イギリスGPはウエットからドライになるコンディションとなり、ここでも自分の走りができず、残念な結果に終わりました。イギリスGPのあと、アラゴンで行ったテストではいい結果が得られました。その成果をミサノで発揮したいです」

ダニー・ケント(Moto3 総合1位)
「ホームグランプリのシルバーストーンで優勝したあとなので、ミサノはとても楽しみです。ミサノは路面が再舗装されたので、また違ったチャレンジになります。路面がよくなったかどうかをチェックするのが楽しみです。このサーキットはとても楽しめます。チャンピオンシップにおいて、70ポイントのリードをつけていて、残り6戦です。もちろん今週の目標は、イタリアでも優勝できるようにがんばることですが、チャンピオンシップを考えて走らなければなりません」

エネア・バスティアニーニ(Moto3 総合2位)
「ホームグランプリは、シーズンで最もすばらしいレースです。同時に、最も難しいレースです。ファンからの期待が非常に高いので、熱くなり過ぎないように、落ち着くことが重要になります。先週にアラゴンで行ったテストでは、興味深いセッティングが見つかりました。いい形でスタートできると思うので、モチベーションは上がっています」

エフレン・バスケス(Moto3 総合4位)
「ミサノはカレンダーの中で最もいいサーキットの一つだと思います。過去にいい結果を残したことがあるので、今週末のレースがとても楽しみです。目標は最初から最高のパフォーマンスをして、レースに向けて速いペースを出せるように準備することです。ここ数戦は運に見放されています。レース日にいいセッティングができていても、力強いパフォーマンスを維持できませんでした。残念ながら、プラクティスセッションのいい仕事を生かせず、結果を出したり表彰台に上がったりできませんでした。今週末は表彰台を目標にがんばります」

ファビオ・クアルタラロ(Moto3 総合8位)
「モチベーションがとても上がっています。モーターランド・アラゴンでのテストでは、いくつかセッティングを試し、とてもうまくいきました。ミサノは高速コーナーがあり、ハードブレーキングのエリアがたくさんあります。一番好きなのは最初の3つのコーナーがある高速セクションです。一度も走ったことはありませんが、とても楽しいと思います。大好きなサーキットになるでしょう」

ホルヘ・ナバロ(Moto3 総合10位)
「昨年ミサノを走りました。メンタル面でもポジティブですし、今、いい形になってきています。引き続き前進したいです。このサーキットはハードブレーキングエリアがたくさんあり、低速セクションと高速セクションが混在しています。初めてのサーキットが続いていたので、経験のあるサーキットで走れるのはラッキーです」

尾野弘樹(Moto3 総合23位)
「前戦イギリスGPは厳しいレースでした。サーキットを攻略できず、雨が降った決勝レースでは、転倒再スタートとなり、完走がやっとでした。今大会は、第11戦チェコGPでケガをした右足甲の状態がよくなってきているので、しっかり、リザルトにつなげたいです」