2012年4月27日(金)・1日目フリー走行 会場:ヘレス・サーキット
天候:曇り/雨 気温:18℃ コースコンディション:ドライ/ウエット
第2戦スペインGPの1日目フリー走行は、断続的に雨が降る不安定な天候となり、厳しい条件の一日となりました。微妙な路面コンディションとなった午前中は、ほとんどの選手が走行せず。午前中の走行を回避したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、午後のセッションでトップタイム(総合2番手)をマーク、同じく午前中の走行をパスしたケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)が4番手(総合5番手)と2日目に向けて着実にセットアップを進めました。午前中のセッションは、レインタイヤで走るには雨量が少なく、スリックタイヤでは危険というコンディション。午後は、ウエットからライン上が乾いていく難しいコンディションとなりましたが、ペドロサが順調にタイムを短縮しました。
午後の走行でトップタイムをマークしたペドロサは、3月下旬の合同テストで経験したウエットセッティングで走行を開始、テストのデータを生かすことに成功しました。一方、3月下旬のヘレス合同テストのドライコンディションで圧倒的な速さを見せたストーナーは、目まぐるしく変わるコンディションに翻弄される形でやや苦戦も、問題点がクリアになり、2日目の予選では、ペドロサとともにPPを狙うことになります。
地元大会に闘志満々のアルバロ・バウティスタ(Team San Carlo Honda Gresini)は、微妙なコンディションとなった午前中で4ラップをこなし、午後の走行では7番手とまずまずのスタートを切りました。ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)も午前中に3ラップをこなし、午後のセッションでは10番手も、セッション終盤にはスリックタイヤを装着してコースインするなど、不安定な天候が予想される決勝を想定した走りも行っていました。また、CRTマシンのミケーレ・ピロ(Team San Carlo Honda Gresini)は19番手でした。
Moto2クラスも、MotoGP同様、午前、午後ともに難しいコンディションの中でフリー走行が行われました。トップタイムをマークしたのは午前中の走行でトップに立ったヨハン・ザルコ(JIR Moto2)で、2番手にミカ・カリオ(Mark VDS Racing Team)。Moto2クラスは、コースに出るタイミングでベストタイムが大きく変わりました。開幕戦カタールGPで優勝したマルク・マルケス(Team CatalunyaCaixa Repsol)は5番手。高橋裕紀(NGM Mobile Forward Racing)は18番手、中上貴晶(Italtrans Racing Team)25番手という結果でした。
Moto3クラスは、午前中の走行がドライコンディションで行われ、開幕戦カタールGPで2位になったルーキーのロマノ・フェナティ(Team Italia FMI)がトップタイム。開幕戦カタールGPで優勝したマーベリック・ビニャーレス(Blusens Avintia)が2番手と開幕戦で好調だった両選手が好タイムを刻みました。ルーキー藤井謙汰(Technomag-CIP-TSR)は、ドライコンディションだった午前中のセッションで24番手、ウエットで行われた午後は27番手でした。
ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)「天候が変わりやすく難しい一日でした。午前中は、路面が十分に濡れていなかったので、コースに出ないことにしました。午後も同じようなコンディションだったけれど、雨の量が少し多かったのでリズムをつかむために走りました。マシンの最初の感触はよかったし、フィーリングもよかった。明日は、フルドライか、フルウエットになることを願っています。とにかく明日の予選でうまく走ることが大事です。頭を使って、速く走らなければいけません。コンディションは変わりやすいので、いいタイミングをつかみたいです。うまくいけばポールポジションが獲得できるかもしれないし、1分遅ければ最悪の結果になるかもしれません。だから集中していい仕事をしたいです」
ケーシー・ストーナー(MotoGP 5番手)「不思議な一日でしたが、午後は、ウエットコンディションでの感触をつかむために何周か走ることができました。リアグリップをもっとよくするためにピットに戻ってきたのですが、次にコース出た時には、路面は乾き始めていました。とにかく、コンディションが変わり続けたので、マシンをあまり理解することはできませんでした。セッション終盤はみんなより速く走れたけれど、それほどすごいというのでもありませんでした。今日は、あまり多くのデータを得ることができませんでした。明日もウエットなら、改善しなければならないところはいくつかあります。明日のフリー走行でいいタイムを出して予選に挑みたいです。今のところ、腕の調子はいいです」
アルバロ・バウティスタ(MotoGP 8番手)「天候が変わりやすくてとても難しい一日でした。午前中は雨の量が少なくて、ウエットタイヤで走るほど十分に濡れていませんでした。だから4周しか走りませんでした。午後はかなり濡れたので走行したのですが、ウエットで少し自信を持つことができました。セットアップはよくなりましたが、路面が乾くにつれてどんどん難しくなりました。明日はどんな天気になるか分かりませんが、全力を尽くしたいです」
ステファン・ブラドル(MotoGP 11番手)「今日は天気が変わりやすく、とくに話すことはありません。午前中は完全にウエットではなかったし、完全にドライでもなかったのでほとんどの時間を無駄にしてしまいました。午後は路面がウエットになり、最初はいいペースで走ることができました。しかし、乾き初めてからは少し苦戦しました。午前中のセッションでタイヤを消耗させていたので、あまりプッシュできませんでした。でもウエットでのマシンの感触はよかったです。最後にはアスファルトが乾きはじめたのでスリックタイヤで出ました。でも少し危ない感じでした」
ミケーレ・ピロ(MotoGP 19番手)「マシンのセットアップに取り組むには最悪のコンディションでした。電子制御の問題がまだあります。変わりやすい路面コンディションではセットアップは難しいです。明日は少し運が向くことを願っています」
中本修平|HRCチーム代表「難しい天候だったという言葉に尽きます。そういう状況の中でダニは、3月の合同テストのウエットコンディションで走ったデータで精力的に走り込みました。細かい部分の要求はありますが、今日のようなコンディションでは、いい仕上がりでした。ケーシーはちょっと苦戦していました。ストレートでもスピニングしている状態でした。ドライコンディションだったら、カタールGPのデータを基にこうしたいというのはありましたが、それを明日以降に持ち越すことになりました。とにかく、明日も明後日も天候次第。天候に合わせてベストな状態を見つけていきたいです」
ヨハン・ザルコ(Moto2 1番手)「午前中はレインタイヤでたくさん周回しましたが、マシンの感触はよかったです。午後は、コンディションがよくなかったのでピットで待機している時間が長かったです。しかし、今日はウエットコンディションでしっかりとセットアップすることができました。このような天気が続けばレースも難しくなると思いますし、今日の内容には満足しています。明日はマシンを変えないと思います。データを整理して、明日に備えたいです」
マルク・マルケス(Moto2 6番手)「初日としてはいい感触でした。何よりも午前中がよかったし、自信がつきました。フルウエットの感触がとくによかったです。週末の天気予報があまりよくないので、いいスタートとなりました。日曜日の天気がどうなるか分かりませんが、雨になったらいい走りができると思います。明日は天気がよくなることを願っています。そして引き続き、前進していきたいです」
高橋裕紀(Moto2 18番手)「走り慣れているヘレスを走ることでいろんなことが分かるのですが、開幕戦カタールで使った車体は、まるっきりベースのセッティングが出ていないことがはっきりしました。車体のバランスが悪かったです。午前中も午後も、バイクが暴れて気持ちよく乗れませんでした。今日は午前も午後もウエットでしたが、マシンの状態を知るにはよかったです。バイクの暴れる原因もだんだん分かってきましたし、明日は大きく前進できると思います」
中上貴晶(Moto2 25番手)「今日は全然ダメでした。自分が思っているようなフィーリングになりませんでした。さらに、コンディションがいいときに走れなかったり、タイミングも悪かったり、一日、うまくかみ合わない感じでした。明日も明後日も、天気予報は悪そうなので、今日のようなコンディションでちゃんと走れないといけません。明日は、どんなコンディションでも、そのコンディションに合わせてしっかりタイムを出したいです」
ロマノ・フェナティ(Moto3 1番手)「ドライコンディションだった午前中はとてもポジティブでした。しかし、雨になった午後はあまり気持ちよく走れませんでしたし、今日のようなコンディションではペースをつかめませんでした。でも最後には自信を持てるようになりました。明日の天気が同じような感じであれば、もっとうまく走れると思います」
藤井謙汰(Moto3 24番手)「午前中のセッションがドライコンディションで走れてよかったです。ウインターテストで走ったときと違うセッティングを試したのですが、いいところもそうじゃないところもあったし、それを確認できてよかったです。午後はウエットになって、最初は気持ちよく走ることができたのですが、セッション終盤に向けて試したセッティングは方向性が違うような感じでした。順位は24番手でしたが、収穫のある一日でした」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 22 | I.シルバ | BQR | 1:48.674 |
2 | 26 | ダニ・ペドロサ | Honda | +2.106 |
3 | 46 | V.ロッシ | ドゥカティ | +2.766 |
4 | 99 | J.ロレンソ | ヤマハ | +3.199 |
5 | 1 | ケーシー・ストーナー | Honda | +3.432 |
6 | 69 | N.ヘイデン | ドゥカティ | +3.580 |
7 | 4 | A.ドヴィツィオーゾ | ヤマハ | +4.396 |
8 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | +4.492 |
9 | 35 | C.クラッチロー | ヤマハ | +4.678 |
10 | 11 | B.スピーズ | ヤマハ | +4.735 |
11 | 6 | ステファン・ブラドル | Honda | +4.735 |
12 | 14 | R.デ・ピュニエ | ART | +5.481 |
13 | 54 | M.パシーニ | ART | +5.696 |
14 | 17 | K.アブラハム | ドゥカティ | +5.704 |
15 | 8 | H.バルベラ | ドゥカティ | +5.907 |
16 | 5 | C.エドワーズ | SUTER | +6.033 |
17 | 68 | Y.ヘルナンデス | BQR | +6.241 |
18 | 9 | D.ペトルッチ | IODA | +7.078 |
19 | 51 | M.ピロ | FTR | +7.393 |
RT | 77 | J.エリソン | ART | +8.801 |
RT | 41 | A.エスパルガロ | ART | +9.115 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ヨハン・ザルコ | MOTOBI | 1:55.382 |
2 | 36 | ミカ・カリオ | KALEX | +0.293 |
3 | 88 | リカルド・カルダス | AJR | +0.817 |
4 | 95 | アンソニー・ウエスト | MORIWAKI | +0.824 |
5 | 29 | アンドレア・イアンノーネ | SPEED UP | +0.876 |
6 | 93 | マルク・マルケス | SUTER | +0.884 |
7 | 19 | ザビエル・シメオン | TECH 3 | +0.949 |
8 | 12 | トーマス・ルティ | SUTER | +1.000 |
9 | 49 | アクセル・ポンス | KALEX | +1.122 |
10 | 15 | アレックス・デ・アンジェリス | SUTER | +1.403 |
11 | 45 | スコット・レディング | KALEX | +1.637 |
12 | 4 | ランディ・クルメンナッハ | KALEX | +1.770 |
13 | 40 | ポル・エスパルガロ | KALEX | +2.092 |
14 | 63 | マイク・ディ・ミリオ | SPEED UP | +2.176 |
15 | 8 | ジノ・レイ | MORIWAKI | +2.247 |
16 | 47 | アンヘル・ロドリゲス | FTR | +2.449 |
17 | 38 | ブラッドリー・スミス | TECH 3 | +2.496 |
18 | 72 | 高橋裕紀 | SUTER | +2.835 |
19 | 14 | ラタパーク・ウィライロー | MORIWAKI | +2.911 |
20 | 60 | フリアン・シモン | FTR | +3.049 |
21 | 24 | トニ・エリアス | SUTER | +3.244 |
22 | 71 | クラウディオ・コルティ | KALEX | +3.437 |
23 | 7 | アレクサンダー・ルンド | MZ FTR | +3.634 |
24 | 3 | シモーネ・コルシ | FTR | +3.673 |
25 | 30 | 中上貴晶 | KALEX | +3.923 |
26 | 18 | ニコラス・テロール | SUTER | +3.970 |
27 | 80 | エステベ・ラバト | KALEX | +4.450 |
28 | 44 | ロベルト・ロルフォ | SUTER | +4.630 |
29 | 76 | マックス・ノイキルヒナー | KALEX | +4.847 |
30 | 82 | エレナ・ロセール | MORIWAKI | +5.514 |
31 | 77 | ドミニク・エージャーター | SUTER | +6.008 |
32 | 10 | マルコ・コランドレア | FTR | +6.082 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 5 | ロマノ・フェナティ | FTR Honda | 1:49.760 |
2 | 25 | マーベリック・ビニャーレス | FTR Honda | +0.248 |
3 | 11 | S.コルテセ | KTM | +0.478 |
4 | 44 | ミゲル・オリベイラ | Honda | +0.857 |
5 | 39 | L.サロン | KALEX KTM | +0.965 |
6 | 55 | H.ファウベル | KALEX KTM | +0.968 |
7 | 61 | A.シシス | KTM | +1.052 |
8 | 52 | D.ケント | KTM | +1.168 |
9 | 84 | ヤコブ・コーンフェール | FTR Honda | +1.256 |
10 | 23 | A.モンカヨ | KALEX KTM | +1.315 |
11 | 12 | アレックス・マルケス | SUTER Honda | +1.316 |
12 | 96 | ルイス・ロッシ | FTR Honda | +1.340 |
13 | 27 | ニッコロ・アントネッリ | Honda | +1.380 |
14 | 42 | アレックス・リンス | Honda | +1.440 |
15 | 31 | N.アジョ | KTM | +1.653 |
16 | 19 | アレッサンドロ・トヌッチ | FTR Honda | +1.686 |
17 | 53 | ジャスパー・イウェマ | FGR Honda | +1.871 |
18 | 41 | B.バインダー | KALEX KTM | +1.953 |
19 | 10 | アレクシ・マスボー | Honda | +2.104 |
20 | 63 | Z.カイルディン | KTM | +2.194 |
21 | 89 | アラン・ティーチャー | TSR Honda | +2.371 |
22 | 99 | D.ウェッブ | MAHINDRA | +2.433 |
23 | 32 | アイザック・ビニャーレス | FTR Honda | +2.493 |
24 | 51 | 藤井謙汰 | TSR Honda | +2.826 |
25 | 8 | ジャック・ミラー | Honda | +3.220 |
26 | 77 | M.シュローター | MAHINDRA | +3.320 |
27 | 15 | S.グロツキー | ORAL | +3.477 |
28 | 26 | エイドリアン・マーティン | Honda | +3.563 |
29 | 21 | イバン・モレノ | FTR Honda | +3.669 |
30 | 7 | エフレン・バスケス | Honda | +3.773 |
31 | 9 | トニ・フィンスターブッシュ | MZ-RE Honda | +4.797 |
32 | 28 | ジョセップ・ロドリゲス | FTR Honda | +5.233 |
33 | 30 | G.ペドネ | ORAL | +6.805 |
34 | 3 | L.モルチャーノ | IODA | +7.481 |