round 7

July 4 2010
MotoGP GRAN PREMI APEROL DE CATALUNYA
第7戦 カタルニアGP

カタルニアGPプレビュー

イギリスGP、オランダGPと続いてきた今季初の3連戦。その最後のレースとなる第7戦カタルニアGPが、カタルニア・サーキットで開幕する。同地でのグランプリ(1992年〜94年のヨーロッパGPを含む)は、今年で19回目。3クラスともに、バルセロナ出身のライダーが多いことから、スペインで開催されるスペインGP(ヘレス)、バレンシアGPとともに、地元ファンの大歓声がサーキットにこだまする。

中でも、もっとも大きな声援を集めるのが、バルセロナ出身のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。125cc、250ccで優勝、2008年にはMotoGPクラスでも優勝し、3クラス制覇を成し遂げた。昨年は、右足を負傷して万全の体調で挑めず6位に終わったが、最後まで全力を尽くした走りに大きな拍手が送られた。

今年は、第4戦イタリアGPで今季初優勝を達成したが、第5戦イギリスGPで荒れた路面に足下をすくわれ転倒を喫して、やや調子を落とした。しかし、前戦オランダGP決勝で2位表彰台に立ち、調子を取り戻して地元カタルニアGPを迎える。今年は2年ぶり今季2勝目の期待が膨らんでいる。

6戦を終えて今季4回の表彰台に立っているアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)も、得意のサーキットに気合を入れる。250cc時代は、05年3位、06年に優勝。MotoGPクラスでも、08年、09年に連続4位となり、表彰台にあと一歩に迫っている。今年は表彰台の常連として活躍。大きな成長を感じさせるシーズンとなっているが、「今年はまだ優勝がない。次のステップを刻みたい」と、今季5回目の表彰台はもちろんのこと、今季初優勝に闘志を燃やしている。

開幕戦から好調な走りを見せるランディ・デ・ピュニエ(LCR Honda MotoGP)も、カタルニア・サーキットでは、250cc時代に2度の優勝を経験している。MotoGPクラスにスイッチしてからも、カワサキ時代はフロントローに並び、Hondaに乗り換えた過去2年も、転倒、8位という成績だが、その熱い走りはファンの脳裏に強烈に焼きつくものだった。イギリスGP、オランダGPと前2戦でフロントローに並んでいるデ・ピュニエ。この3連戦で最も得意とするカタルニアでは、今季初表彰台の期待が膨らんでいる。

レースをこなすごとに調子を上げているマルコ・シモンチェリ(Team San Carlo Honda Gresini)も、このサーキットでは、250cc時代の08年に優勝している。この3連戦では、イギリスGPで今季ベストリザルトとなる7位、続くオランダGPは目標とする5位に届かず9位に終わっているだけに、今大会はオランダで果たせなかった目標達成に気合を入れている。

前戦オランダGPのフリー走行で左肩を脱きゅうし、同大会を欠場したマルコ・メランドリ(Team San Carlo Honda Gresini)が今大会に復帰する。ケガから6日間のインターバル。万全にはほど遠い状態での復帰となるが、125ccで表彰台に立ち、250ccでは優勝を経験。MotoGPクラスでも、04年、05年と3位表彰台に立っている。100%の走りはできずとも、得意とするサーキットで熱走を見せる意気込みだ。

負傷欠場の青山博一(Interwetten Honda MotoGP)の代役としてオランダGPに出場した秋吉耕佑が2戦目を迎える。アッセンは初めて走るサーキットだったが、カタルニアは、テストで一度経験したことがある。2戦連続ということで、アッセンに比べるとセットアップも順調に進むはず。今大会の目標は、データ収集とポイント獲得。この大会が終わると、鈴鹿8時間耐久ロードレースに全力を注ぐことになる。

Moto2クラスは、6戦を終えて、タイトル争いの顔ぶれが絞られ、優勝争いだけでなくチャンピオンシップも白熱してきている。今大会は、バルセロナ出身で総合首位のトニー・エリアス(Gresini Racing Moto2)がカタルニアGP初制覇に気合満点。その他、総合5位のフリアン・シモン(Mapfre Aspar Team)、総合8位のセルジオ・ガデア(Tenerife 40 Pons)などスペイン人ライダーたちがホームGPに闘志を燃やしている。総合2位の富沢祥也(Technomag-CIP)も5戦ぶりの表彰台と今季2勝目に全力を注ぐ。総合3位で、オランダGP終了後に負傷していた左鎖骨を手術して今大会に挑むトーマス・ルティ(Interwetten Moriwaki Moto2)など、チャンピオンシップをにらんだ熱走が見られそうだ。

コメント

ダニ・ペドロサ(MotoGP ランキング2位)「アッセンのレースで2位、チャンピオンシップでも2位になり、こうしてホームGPを気分よく迎えられたことがうれしい。前回のアッセンは予選まではあまりよくなかったが、最後まであきらめず、考えられる状況の中ではベストのリザルトを残すことができた。アッセンの決勝では、序盤からいいペースを刻めたし、今大会は、初日からこのリズムをキープしてセットアップを進めたい。カタルニア・サーキットは、家が近いので、家族や友人たちがみんな応援に来てくれる。どこのサーキットよりも、ファンと一体になってレースができる場所だ。昨年はケガをしていたのでとても厳しいレースになったが、今年は体調もよく、ベストなコンディションで挑める。カタルニアは、マシンのセットアップが難しいサーキット。金曜日、土曜日とセットアップに全力を注ぎたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP ランキング3位)「カタルニアGPが開催されるモンメロ(カタルニア・サーキット)は、大好きなサーキットのひとつ。自分のライディングスタイルに合っていると思うし、Honda RC212Vとも相性のいいサーキットだと思う。ハイスピードコーナーが多く、ストレートも長い。セットアップが決まれば、気持ちよく、すばらしい走りができると思う。このグランプリも雰囲気がよくて、最終コーナーを立ち上がってからは、スタジアムの中を走るような感じがして最高の気分だ。ここでは、これまで常にいいリザルトを残してきたし、今年もそうなるようにベストを尽くしたい。前戦アッセンでは表彰台に立てなかったので、こうして、間を置かずバルセロナに来られたのがうれしい。今年は6戦を戦い4回の表彰台に立ってきたが、次のステップである優勝を目標に戦いたい」

ランディ・デ・ピュニエ(MotoGP ランキング6位)「イギリス、オランダに続いて、バルセロナもハイスピードサーキットだ。ここは好きなサーキットのひとつで、自分の走りにも合っている。250cc時代はここで2度優勝。MotoGPクラスではカワサキ時代の07年にフロントローを獲得している。とにかく、このサーキットにはいい思い出がたくさんあるし、今年もいいレースができるように願っている。今回も、これまでと同じように、たくさんのポイントを獲得できるようにがんばりたい。今回はトップグループで戦いたいし、戦える自信もあるが、表彰台のことは考えないで走りたい」

マルコ・シモンチェリ(MotoGP ランキング9位)「アッセンではセットアップが完全ではなく、自分の望んだ結果を残せなかった。シルバーストーンからさらに前進しようと思っていたが、それを果たせなかった。しかし、そういう状態で9位でフィニッシュできたことはよかった。ここは250cc時代に優勝しているし、大好きなサーキットのひとつ。RC212Vのフィーリングもどんどんよくなっているし、トップグループとのギャップも縮まっている。前回のアッセンで果たせなかった5位以内という目標達成に全力を注ぎたい」

マルコ・メランドリ(MotoGP ランキング11位)「シルバーストーンとアッセンは、自分としてはかなり期待外れの結果だった。シルバーストーンはオープニングラップに転倒したし、オランダではビッグクラッシュで肩を脱きゅうした。今週のレースに向けてオランダを欠場して治療を続けてきたが、今回のレースでどこまでやれるかは走ってみないとわからない。しかし、イギリスとオランダで進化した過程を、今回のレースで確認したいし、きちんと結果に残したい。とにかく、3日間ちゃんと走れることを願っている」

秋吉耕佑(MotoGP ランキング18位)「アッセンは初めてのサーキットだったし、青山君のセッティングで走り出して、徐々に自分の好みに仕上げていった。彼のセッティングの好みもわかったし、マシンの開発をしていく上で、とても有意義なレースだった。今回のカタルニアは、以前に一度走ったことがあるので、アッセンよりは心の準備ができている。今回はレギュラーライダーとの差を少しでも縮めて、日本のレースファンに少しでも喜んでもらえるようなレースができればと思っている」

トニー・エリアス(Moto2 ランキング1位)「イタリア、イギリスと表彰台に立てなかったので、アッセンで表彰台に立ててうれしかった。この3連戦、いい流れを取り戻してホームGPを迎えられることが、すごくうれしい。モンメロでは過去、一度も勝ったことがないので、今年はぜひ、地元ファンの前で優勝したい」

富沢祥也(Moto2 ランキング2位)「ウインターテストで一度走っているが、好きなサーキットなので、みんなに喜んでもらえるようなリザルトを残したい。シルバーストーンは、フリー走行で転倒したことが決勝に影響した。前回のオランダもベストを尽くせたと思うが、ステアリングダンパーが折れてフリー走行で転倒しなければ、もう少しセッティングを詰められたかもしれないと思う。もう4戦も表彰台に立っていないので、今回も表彰台を目標にがんばりたい」

高橋裕紀(Moto2 ランキング11位)「カタルニアは1月にテストをしているが、このときはトップタイムをマークして調子はよかった。あのころとは気候もコースコンディションも違うが、過去のデータがあるので、マシンの進化、セットアップがどう進んでいるかを確認するのにいいチャンスだと思う。開幕戦から抱えている課題は変わらないが、このレースで問題解決のヒント、方向性が分かればうれしい。3日間、きっちりとデータを残し、決勝では、ここ数戦の後れを取りもどせるような走りがしたい」