前戦オーストラリアGPからの連戦となる第16戦トルコGPが、21日、イスタンブール郊外のイスタンブールサーキットで開幕した。イスタンブールサーキットは、今年の8月にF1グランプリが開催されている。MotoGPもこれが初めての開催で、第3戦中国GP以来、今季、2回目のニューサーキットでのグランプリとなった。
イスタンブールサーキットは、一周5.340km。アップダウンに富み、ハイスピードコーナーが多いレイアウト。コース幅も広く、高速バトルが繰り広げられそうなサーキットである。下見を終えた選手たちの評判も良く、開幕を楽しみにしていた。フリー走行1日目は初開催ということで、午前中1回目のセッションは、3クラスともに、通常より15分から30分ほど時間を延長して行われた。
この日のイスタンブールは青空が広がった。しかし、気温は低く、午前中は10℃、午後になっても14℃と寒い一日だった。こうして、決していい条件ではなかったが、シーズン終盤戦になって調子を上げているマルコ・メランドリ選手(Team Movistar Honda MotoGP)がトップタイムをマーク。2番手にセテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)、3番手にニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)と、Honda勢が上位を独占した。その他のHonda勢は、マックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)10番手。玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda Team)11番手、アレックス・バロス選手(Camel Honda)12番手。オーストラリアGPに続き、今大会も負傷欠場中のトロイ・ベイリス選手(Camel Honda)に代わって、今大会も出場のクリス・バーミューレンが14位で初日を終えた。
この日、トップタイムをマークしたメランドリ選手は、1回目の走行で早くもベストセッティングを見つける快調な滑り出し。そして、2回目の走行でも圧倒的な速さを見せて首位に立つ完璧な走りを披露した。メランドリ選手は、2戦前のカタールGPで優勝争いを繰り広げて2位になっている。前戦オーストラリアGPでもトップグループに加わって、4位と好調だった。フリー走行とはいえ、圧倒的な速さを見せてトップに立ったメランドリ選手。初優勝まであと一歩と迫っているだけに、今大会、もっとも大きな注目を集めそうだ。
2番手にはジベルノー選手。1回目の走行から快調で、2回目の走行では、メランドリ選手にわずかに及ばなかったが、今季初優勝に向けて、最高のスタートを見せた。これまでも、初めてのサーキットでは、その順応性の高さを見せつけてきた。今年も第3戦中国GPではPPを獲得している。初開催のイスタンブールサーキットでも好調なスタートを切って、2日目の予選と決勝での快走に期待が集まった。ここまでが1分53秒台。メランドリ選手とジベルノー選手の速さが際立ったフリー走行1日目となった。
3番手には、成長著しいヘイデン選手がつけた。気温が低く、やや路面のグリップが悪かった午前中は慎重な走りだったが、午後の走行では一気に3番手に浮上した。今年はアメリカGPで初優勝。ここまでPP3回。4回の表彰台で総合2位に浮上した。過去2戦は、カタールGPで3位、前戦オーストラリアGPで2位と安定した速さを見せているだけに、今季2勝目の期待が膨らむことになった。
前戦オーストラリアGPで悔しい転倒を喫したビアッジ選手は10番手だった。初めてのサーキット。初走行ということで、1回目、2回目ともに様々なセッティングにトライ。タイムこそトップから約2秒遅れの10番手だったが、2日目と決勝に向けて自信を見せた。
玉田選手は11番手。午前中の走行では、車体のセッティングが決まらず苦戦して15番手と出遅れた。しかし、午後になって徐々にセッティングも決まり、最終的に11番手に浮上した。「午前中から午後に掛けて、セットアップが大きく進んだ。午前中、まったくダメだったのは、全体的にサスのセッティングがソフトだったため。ここは路面のうねりがひどく、硬めの方向がいいようだ。今日は、攻めるところまでいかなったが、その状態でこのポジションなので、2日目はポジションを上げたい」と気合を入れていた。
バロス選手は12番手。前戦オーストラリアGPの決勝で転倒、わき腹を痛めていることもあり、この日は慎重な走りだった。しかし、フィーリングは良く、2日目の予選、そして決勝に向けて表情は明るかった。14番手のバーミューレン選手も、この日は、タイヤを変えず、初めてのコースで走り込みに専念した。それだけに2日目のポジションアップに大きな期待が膨らんだ。
250ccクラスは、セバスチャン・ポルト選手(アプリリア)が暫定PP。Honda勢は、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)が4番手、以下、ホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)5番手、青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)6番手、ダニエル・ペドロサ選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)7番手と続いた。ここまでがトップから約1秒差。2日目に向けてHonda勢は順調にセットアップを進めた。転倒を喫した高橋裕紀選手(Team Scot)は11番手。アレックス・デボン選手は12番手、ヘクトール・バルベラ選手(Team Fortuna Honda)は15番手だった。
125ccクラスは、ミカ・カリオ選手(KTM)が暫定PP。Honda勢は、前戦オーストラリアGP2位で初表彰台に立った小山知良選手が、3番手と好調なスタートを切った。ポイントで総合トップ、今大会、チャンピオン獲得に王手のトーマス・ルシ選手が5番手、ファブリツィオ・ライ選手6番手と、2日目の好走に期待をつないだ。
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