HONDA The Power of Dreams

　日本GP2日目は、3回目のフリー走行と予選が行なわれた。この日は、朝から青空が広がり、気温も31℃を記録。絶好のコンディションの中で、白熱したアタック合戦が繰り広げられた。PPを獲得したのはロリス・カピロッシ選手(ドゥカティ)。2番手にジョン・ホプキンス選手(スズキ)。3番手にはマルコ・メランドリ選手(Team Movistar Honda MotoGP)で、3戦ぶりのフロントロー獲得。4番手にはフリー走行でトップタイムをマークした玉田誠選手(KONICA MINOLTA Honda Team)。5番手にマックス・ビアッジ選手(Repsol Honda Team)。6番手にニッキー・ヘイデン選手(Repsol Honda Team)。そして7番手にセテ・ジベルノー選手(Team Movistar Honda MotoGP)と、Honda勢が続いた。フリー走行で快調な走りを見せたアレックス・バロス選手(Camel Honda)は、予選では思うようにタイムが伸びず10番手。負傷欠場のトロイ・ベイリス選手(Camel Honda)の代役で出場の宇川徹選手は、転倒を喫し15番手だった。

　1秒差以内に9台という接戦。2日連続でドライコンディションとなった日本GPのアタック合戦は、ツインリンクもてぎに集まったファンを喜ばせた。その中で、3戦ぶり今季7回目のフロントローを獲得したメランドリ選手は、予選タイヤのアタックで素晴らしい走りを見せた。メランドリ選手は、2日間3回に及んだフリー走行では、レース用セッティングに集中して14番手だったが、予選アタックでは3番手に浮上。今季5回目の表彰台と初優勝に向けて、仕上がりの良さをアピールした。

　4番手につけた玉田選手は、初日こそ11番手だったが、2日目3回目のフリー走行でトップタイムをマーク、予選でも今季最高位の4番手につけた。セッションをこなすごとに調子を上げてきた玉田選手は、「まずまずの予選だった。決勝に向けてのセッティングも完璧ではないが、いい感じに仕上がっている。この2日間、いい流れをキープすることが出来た。明日もいいレースをして次につなげたい」と、開幕戦からの不調を乗り越え、明るい表情だった。昨年の大会では、ポールポジションを獲得、決勝でも素晴らしい走りで優勝を飾っている。今年は2列目スタートとなったが、上り調子だけに、本番での快走に期待が集まる。

　ビアッジ選手も、今大会は好調だ。フリー走行では決勝に向けてマシンのセッティングに集中して7番手。そして予選では5番手にポジションを上げた。ビアッジ選手は2年前の大会で優勝しているだけに、2列目という好グリッドを確保、今季初優勝の期待が膨らむ。6番手のヘイデン選手も、2日目になってマシンのセッティングが大きく前進。初日の課題となっていたフロントの問題が解消して一気にタイムを上げた。一昨年の大会では3位になっている。今季、初優勝を達成しているヘイデン選手だけに、2勝目に向けて気合がみなぎる。

　7番手のジベルノー選手は、ベストセッティングを探る2日間となった。初日はいいフィーリングでスタートしたが、それからなかなか前進することが出来なかった。しかし、最終的にいい状態に仕上げることに成功した。こうして、3番手のメランドリ選手から7番手のジベルノー選手まで、わずか0.3秒差に並んだ5台のHonda勢。ツインリンクもてぎ5連勝に向けて、PPこそ逃したが、好グリッドを確保した。

　フリー走行で4番手と好調だったバロス選手は、午前中のフリー走行で転倒を喫し、予選では10番手に終わった。しかし、ツインリンクもてぎでは優勝経験があるだけに、4列目スタートからの追い上げに注目。転倒を喫し15番手の宇川選手も、コースを知り尽くしているだけに、本番での巻き返しに期待が集まっている。

　250ccクラスは、暫定PPの青山博一選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)が、この日も好調をキープ、今季初、スポット参戦した2003年の日本GP(鈴鹿)以来のPPを獲得した。2番手にはホルへ・ロレンゾ選手(Team Fortuna Honda)で9戦連続のフロントロースタート。スポット参戦で、初日3番手の青山周平選手(Honda)も好調をキープして3番手。トップ3をHonda勢が占めた。以下、アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Team Scot)5番手、高橋裕紀選手(Team Scot)6番手、ダニエル・ペドロサ選手(Team Telefonica Movistar Honda 250cc)7番手と、トップ10に6台のHonda勢が入った。ヘクトール・バルベラ選手(Team Fortuna Honda)は13番手だった。

　125ccクラスは、ガボール・タルマクシ選手(KTM)がPPを獲得。小山知良選手(Honda)が2番手と、地元日本GPでベストグリッドを獲得。初表彰台と初優勝の期待が膨らんだ。総合ポイントで首位に立つトーマス・ルシ選手(Honda)は7番手。決勝での追い上げに期待が集まっている。

■マルコ・メランドリ選手(MotoGP 3位)
「フロントローからスタートできて嬉しい。昨日、今日とラップタイムのことは気にせず、レース用のセッティングを出すことに集中した。今日はマシンの調子がさらに良くなった。明日の朝は少し調整を行って決勝レースに臨む。明日のレースは本当にタフなレースになるだろう。ミシュランのおかげでレース用のいいリヤタイヤを選ぶことができた。そのため、さらに良い走りができるようになったんだ」

■玉田誠選手(MotoGP 4位)
「今日はさらにマシンが良くなりました。明日使用するレースタイヤで走行してみた感触も良かったので、自信がつきました。ベストタイムをマークした時に使っていたタイヤは、最終コーナーで変な感じでした。でも、予選結果も悪くなかったので文句は言えません。フロントエンドに関しては、もう完全にセッティングが決まっています。明日の朝はリヤのセッティングをもう少し煮つめます。今日、試したレース用のセッティングはとても満足のいくものなので、明日のレースが本当に楽しみです」

■マックス・ビアッジ選手(MotoGP 5位)
「昨日までよりずっと良くなった。フロントローではないけど、いつもより良い位置からスタートできるので嬉しい。今週末はマシンのセッティングを出すことに全力を尽くした。去年もそうだったけど、ここではブリヂストン勢が好調なので、明日はハードなレースになるだろう。僕はいつも通り100%トライする。良い結果を残して、ランキング2位のポジションをキープできるようにする」

■ニッキー・ヘイデン選手(MotoGP 6位)
「午後の公式予選は今週末で一番調子が良かった。それにしてもカピロッシは速かった。彼がすごいタイムを出したので、僕らはそのタイムに追いつこうと必死だった。午前中の走行後、セッティングを大きく変えた。ブルノのテストで良いと思ったセッティングが、ここでは有効ではなかったから、従来のものに戻したら、すぐに調子が上がった。フロントエンドに関して自信がついて、すぐにタイムが上がった。明日の朝もまだやることがある。速いライダーが多いので、レースはすごい接戦になるだろう」

■セテ・ジベルノー選手(MotoGP 7位)
「もちろん1列目か2列目からのスタートの方が良かった。ここは1周目が重要だからね。明日はとにかく良いスタートを切って、序盤はトップ5につけて、終盤に備えたい。とにかく1周目が大事だ。公式予選中、色々なことを試していたので、タイムアタックする時間が足りなくなってしまった。でも、タイヤも決まったし、セッティングも出ている。カピロッシ以外のライダーとのタイム差はそれほど大きくない」

■アレックス・バロス選手(MotoGP 10位)
「今週末ずっと使用していたフォークの内部に問題がみつかったため、これまで行ってきたテストの結果が無駄になってしまった。少なくとも原因が分かったので、明日の朝、さらにセッティングを出していく。このコースはブレーキングが重要だ。うまく減速してオーバーテークしなくてはいけない。今回はトラブルがあってタイヤテストができなかったので、まだ2種類のどちらにするか、決勝用タイヤを選んでいない。ロングランができていないんだ。とにかくミシュランのアドバイスを聞いて、明日の朝20分間のセッションを最大限有効に使うつもりだ」

■宇川徹選手(MotoGP 15位)
「午前中のフリープラクティスでフロントから滑ってしまいました。それでちょっと自信をなくしてしまい、ハードにプッシュできなくなってしまったのです。明日はとにかく良いスタートを切って、全力を尽くしてみます。今年はタイヤがずいぶん良くなっていますが、このサーキットではあまりタイムは上がっていません」

■田中誠 Repsol Honda Team監督
「予想していた通り、去年より全体的にタイムが上がった。その中でも、BS勢の速さが目立った。特にカピロッシの速さは頭ひとつ抜けている感じで、明日は手ごわいライバルになる。Honda勢にとっては、カピロッシを追う戦いになるかも知れない。その中で、マックスもニッキーも、初日よりはるかにマシンのセッティングは進んでいるので、決勝は期待したい。メランドリも玉田もいい状態なので、明日は混戦になるかも知れない。決勝も天候は良さそうなので、朝のウオームアップでさらにマシンをいい状態に仕上げたい」

■青山博一選手(250cc 1位)
「午前中のフリー走行で、いつも乗っている1号車に問題が出たので、午後の予選は、2号車で挑むことになった。2号車の状態も良かったが、セッティングが出ている1号車ならもっといいタイムを出せたと思う。そんな状態でPPを取ることが出来たので、すごく嬉しい。明日は、2列目まで並んだ選手全員に優勝のチャンスがあると思う。混戦になるのは間違いない。厳しい戦いになると思うが、勿論、優勝を狙っていく」

■青山周平選手(250cc 3位)
「トップと0.5秒も離れているので、3番手といっても素直には喜べなかった。自分がもっと頑張れば、51秒台に入れたかも知れない。でも、昨日、今日と、グランプリのトップライダーたちと一緒に走って、すごく勉強になっている。モチベーションは高い。決勝は、どんなレースになるのか想像がつかないけれど、トップグループについていけるように頑張りたい」

■高橋裕紀選手(250cc 6位)
「予選は6番手だったが、レースセットのアベレージがすごく良かった。昨日は、新しいフロントフォークをトライ、セッティングを詰め切れなかったので、今日は従来のものに戻した。そのために、今度はリヤのサスペンションに問題が出たが、フリー、予選でかなりいい状態になった。まだ、セッティングは完璧ではないので、明日の朝のウオームアップで完全にしたい。決勝では、優勝争いをしたい」