「ライダーと一緒にセクション内に入れるのがマインダーで、通称“お助けマン”といいます。ちょうどピッチャーとキャッチャーの関係のように、ライダーの性格やライディングを知った上で、一緒にコースに入って走って行きます。そして、セクション内ではライダーが危ないような場面でマシンをつかんだり、残りのタイムを知らせたりします。例えば『選手の技量はこのくらいだから、あとどのくらいの時間が必要か?』と考え、『あと10秒あればクリアできる』と判断すれば、あえてセクションの前半では残り時間を知らせずに集中させて、後半で残り時間を知らせる場合もあります」
「マインダーはこのような作戦を競技前から選手と打ち合わせをしますし、普段から選手と一緒に大会を想定したトレーニングをしているので、マインダーの働きもまた見どころだと思います。セクションで失敗しても選手は当たりどころが無いので、マインダーと感情的に言い合うような『熱い』シーンも見られると思います」
「まさにそうですね。プロのマインダーと契約して、二人三脚で戦うというのが正確かもしれません。ヨーロッパではマインダーという職業が確立されていて、トップライダーはメーカー側が用意したプロのマインダーであることが多いのです。過去に別のライダーのマインダーだった人材を引き抜いたりと色々あるようですが、日本では親兄弟であったり、チームの先輩後輩であったりと、長く一緒にやっている人材が主流です」