「路面の条件が一番影響するのではないかと思います。条件が悪ければ悪いほど選手たちを悩ますと思います。ある程度、距離感やスピード感をつかみやすく、路面状況=タイヤのグリップ感の捉えやすい条件だと選手たちもセクションを読みやすいのですが、その条件が限られてくると、どうしてもその予測が外れてしまい、不意に減点5になってしまったり、減点が多くなってしまったり、ということになります」
「もてぎの名物となっている岩盤ゾーン以外は、もてぎ独特の赤土、それからハローウッズの奥に入ったところに行けば腐葉土の黒土なので、このあたりはちょっと雨が降ろうものなら、かなり滑りやすくなるので毎年トップライダーも悩んでいるところです。いつもは梅雨の6月開催でしたから、少し易しく作っておいても雨が降ると滑りやすくなり、そこで勝負がつくようになりました。ただ、今年は8月開催なので、雨が降らなければいつもよりいい条件になると思います。条件がいいとトリッキーな動きがしやすくなるので、それぞれの選手のスタイルの違い、あるいは出身国による得意分野の違いなどが現れやすくなり、いつもとは違う展開になるかもしれません」
「そうですね。路面条件がいいところですと、スピードも乗りますし、難易度で言うと、スピードが出る分だけ高いところにバイクを上らせる設定になると思います。初めての方はまずそういうところを見ていただいて、そのあとに人間の足でも滑ってしまうような土の上を、バイクの駆動でヌルヌル走り抜けて行くというような、マシンの細かい動きを見たら面白いのではないかと思います」
「車両の特性によっても違いますし、練習のうちにバランスのいいバイクを作っておくのが第一条件です。競技ではとにかく慌てた動きになるほど滑りやすく、バイクがついてこないのです。落ち着いた走りをすればよいのですが、1分半という制限時間内で走らないといけないので、どうしても時間が少なくなると慌ててコースを回ることになってしまいます。今年は制限時間が昨年の1分から本来の1分半に戻ったため、その分コース設定も長めになっていますので、より高い集中力が要求され、ポイントになる関門も増えています」
「そうです。2つ3つ関門をクリアすれば通過できるわけではなく、それこそひとつのセクションに10個くらいの難関があるような難しさになっています。10個もあると、どうしても集中力の問題も出てきますし、暑くなる8月開催なので、体力という面も影響してくると思います」