「各セクション1分半の時間制限がありますが、もてぎでは大会全体の競技時間=トータルタイムも5時間に決められています。15セクション×2ラップなので合計30セクション走るわけですが、練習走行はできないので歩いて下見する時間も含まれていますし、トラブルがあった際の修理に要する時間もその中に含まれます。それらも間に合わせるように時間調整する必要があります」
「トップクラスになると神経戦になるので、誰がセクションに入るのかを待ってみたり、ライバル選手のラインを見たり。そういう駆け引きがあります。その駆け引きが長くなると、トータルタイムの残り時間がかなり厳しくなる。また、1ラップ目というのはそういう駆け引きをしながら、割とゆっくり回りますので、ゆっくり観ても次のセクションでまた駆け引きがあるので、追いつくと思います。しかし、2ラップ目になると時間もないので、選手たちもどんどんセクションに入ってきます。そうなると、第1セクションを見終わってから第2セクションに行っても、もう選手はいないことが多いので、コース図を見ていただいて先回りをする。あるいは面白そうなセクションに移動する、というのがおすすめの観戦方法です」
「もてぎの場合、コース移動の区間も他の大会に比べるとかなり近いので、選手たちも割と次々にセクションに入って行きます。逆に、セクションが近接しているので、お客さんたちにも見やすく設定されているわけで、うしろを振り返れば次のセクションがある、というのも、もてぎの特長なんです」
「選手は学習能力が高いので、1ラップ目に走ってうまくいかなかったところは修正してくるのですが、ほとんどの選手が減点5点とか、抜けるだけで精一杯というところもあります。トップの数人が抜けるだけでそのほかの選手は全員5点とか、その中でひとりだけクリーンが出たとか、そういうセクションが生まれる可能性はあります。もてぎでは、いまだかつて全員が5点というセクションはありませんが、大きく差が出るようなセクションはトップのスコアにも影響しますので、後半の勝負どころになるかもしれませんね。1ラップ目にみんなが大量減点となったセクションが面白いかもしれません」