トライアル世界選手権 - 2020 第1戦フランス

前日、9月5日土曜日のフランスGPの開幕戦で勝利したトニー・ボウ(Repsol Honda Team)は、2日目の日曜日の戦いを3位で終え、ランキングポイントでトップポジションを確保しました。2日間のフランスGPを終えてリーダーの座を獲得したのは、やはりRepsol Honda Teamのエースでした。

大ベテラン、藤波貴久(Repsol Honda Team)は、前日同様の6位でフィニッシュしています。

土曜日の戦いを踏まえ、日曜日はいくつかのセクションが変更され、難易度は増していました。難易度が増せば、テクニシャンのトニー・ボウの独擅場となるはずでしたが、この日は思わぬ苦戦を強いられてしまいます。何度か痛めている背中に再び痛みを覚え、さらに右腕のけいれんにも悩まされました。

一時は表彰台圏内からもこぼれ落ちかけていたボウでしたが、3ラップの間にやるべきことをしっかりとこなして、勝利こそ届かなかったものの、しっかりと表彰台を獲得しました。フランスGPの2日間で、勝利を含む2つの表彰台獲得。ボウは2020年のポイントリーダーとしてシーズンをスタートさせました。

25年目の世界選手権シーズンに突入した藤波貴久は、最高のスタートが切れたとは言えない結果でした。2日目も、1ラップ目に苦しい時間を過ごすことになりました。2ラップ目には、いい走りを取り戻して追い上げペースを築きましたが、3ラップ目に再び1ラップ目と同じようなミスが出て、順位は6位。2日間ともに6位で、ランキング順位も6位となりました。

短期決戦の2020年シーズン、次なる戦いは9月12日と13日、スペインのポブラドゥラ・デ・ラス・レゲラスで開催されます。今回同様、やはり土曜日と日曜日の2日間で競われます。

トニー・ボウ(3位)
「とても難しい1日になりました。昨日から発生していた背中と右腕の不調は、今日はさらにひどくなってしまいました。今日のトライアルに、満足できるところはありません。ただし、今日のコンディションと得られた結果を見ると、この週末のバランスは悪くなかったと思います。ランキング争いはとても接戦となり、チャンピオン争いも厳しいものになりそうです。やるべきことはもちろん、次の戦いに向けて最善を尽くすことです」

藤波貴久(6位)
「今日のトライアルは、出だしがよくなかったです。それでも2ラップ目には、マシンとのマッチングもよくなり、1ラップ目の失敗を克服することができたと思います。この時点では、優勝争いに絡むこともできたかもしれません。しかし3ラップ目、序盤はよかったのですが、中盤で失敗が相次ぎました。それで順位を上げるどころか、6位のポジションのまま試合を終えることになりました。ロックダウン期間中、トレーニングを行い、こつこつとやるべきことを重ねてきましたが、6時間の間トライアルを続けるトレーニングは十分ではありませんでした。次は今よりよくなるはずです。トップ3を目標に、とにかくがんばります」

ミゲール・シレラ監督
「チームとして、この開幕戦はそれほどひどいスタートではなかったと評価していますが、今日はボウのフィジカルトラブルで厳しい戦いを経験してしまいました。不安要素は、しっかり治療をする時間的猶予がないことです。ボウの体調はそれほど深刻なものではありませんが、万全な体調をキープすることが、勝利への第一歩ですから、しっかりと整えていきたいと考えています。次のスペインで勝利をするために、できるだけいい状況を作るべく努力を重ねる必要があります。2日間の戦いで、今の世界レベルがとても高いところにあり、そのトップに立つにはかなりのがんばりが必要だということが分かりました。次のトライアルでトップに立つために、我々は戦い続けます」

リザルト

Day 2

順位	ライダー	マシン	L1	L2	L3	タイム総減点	総減点
1	A.ラガ	TRRS	19	10	3	1	33
2	J.ブスト	ヴェルティゴ	18	7	14	1	40
3	トニー・ボウ		13	15	13	0	41
4	J.ファハルド	シェルコ	9	14	21	2	46
5	J.カサレス	ガスガス	19	14	14	1	48
6	藤波貴久		19	14	20	0	53