トニー・ボウ(Repsol Honda Team)は、トライアルGP世界選手権の3ラウンド目となるポブラドゥラですばらしい勝利を飾り、ランキングトップのリードをさらに広げました。日本の藤波貴久(Repsol Honda Team)は、この日の戦いを8位で終えています。
このスペイン大会は、セクション難度の厳しさもさることながら、オブザーバーの判定がタイトすぎることによって、見た目以上に厳しいトライアルとなっていました。
ボウも、序盤はことごとくこの罠にはまって、厳しい戦いを強いられました。1ラップ目の10セクションの減点は17点。しかし、オブザーバーの採点尺度を把握してしまえばとるべき手段も見出せます。2ラップ目のラップ減点は8点に減らしてきました。そして最後には、厳しい採点にもかかわらず、3ラップ目の10セクションを3点でまとめてしまいました。ボウ以外のすべてのライダーのベストラップが15点ですから、このスコアは圧倒的です。
3戦を終えて2勝をあげたボウは、もちろんランキングポイントでもトップを守っています。開幕戦の日曜日には3位となってランキングポイント2点差まで迫られましたが、この勝利でその差を再び広げています。
藤波は納得のいく戦いとはなりませんでした。自分のペースをつかむことなく試合を進めてしまい、結果、この日のリザルトは8位となりました。開幕戦を終えて、藤波のランキングは6位でしたが、この日の8位で、ランキングも7位と一つ順位を落としています。
さて、今年の世界選手権は忙しいです。すぐ翌日、同じ会場で4戦目の世界選手権が開催されます。
トニー・ボウ(優勝)
「今日の勝利はとても満足のいくものでした。正直なところ、体調は望むべきところまで回復していなくて、腕にはいま一つ力が入らない状態です。ただ、今日は少なくともけいれんをするようなことはなく、最後まで戦い抜くことができましたから、先週よりは改善されていたのだと思います。今日の戦いは今日の戦いとして、今は明日のためにしっかり休養をとって、もう一つ勝利を目指したいと思います」
藤波貴久(8位)
今日は本当に大変でした。オブザーバーの採点がとても厳しかったので、自分のよいリズムを保つことができず、ペースを乱してしまいました。2ラップ目、3ラップ目にリカバリーすべくがんばりましたが、今日はすべてにわたってうまくいきませんでした。今日は今日、明日は明日。明日は完全にリセットして、今日とは違う戦いをします」
ミゲール・シレラ監督
「ボウの勝利はすばらしいものでした。その偉業は、もちろん簡単なものではありませんでしたから、それをなしとげた彼には、心からおめでとうと言いたいです。彼はフランスで苦戦したフィジカルの問題を、まだ解決できていません。なのでより多くの努力を払わなければ、望むべく結果を得られなかったのだと思います。もう1日、勝利をつかむために、私たちは難しいトライアルを戦い抜きたいと思います。今日の藤波はいいとは言い難かったので、結果の改善に向けて努力を続ける必要があると思います」
順位 | ライダー | マシン | L1 | L2 | L3 | タイム総減点 | 総減点 |
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1 | トニー・ボウ | ![]() |
17 | 8 | 3 | 0 | 28 |
2 | J.ブスト | ヴェルティゴ | 19 | 15 | 15 | 0 | 49 |
3 | A.ラガ | TRRS | 18 | 19 | 20 | 0 | 57 |
4 | G.マルセーリ | モンテッサ | 34 | 18 | 16 | 0 | 68 |
5 | M.ゲラバート | ガスガス | 28 | 19 | 22 | 0 | 69 |
6 | J.ファハルド | シェルコ | 26 | 23 | 20 | 0 | 69 |
8 | 藤波貴久 | ![]() |
36 | 29 | 21 | 0 | 86 |