Trial Round07スペインスペイン

2019年9月22日(日)・決勝

会場 : ラヌシア

第7戦 スペイン

トニー・ボウがトライアル世界選手権を全勝。藤波は表彰台に登壇。ランキングを3位に上げ今シーズンを締めくくる

2019年、6大会7勝(日本GPは2日開催)の全勝で最終戦を迎えたRepsol Honda Teamのトニー・ボウ。今シーズンのタイトルは、すでに全戦フランス大会で決定していますが、このスペイン大会は、19年シーズン全勝をかけた大事な戦いになりました。

最終戦は地中海に面したラヌシアで開催されました。整備されたパドックと乾いた岩肌がセクションとして用意されていました。ボウはここでもパーフェクトな勝利を飾り、シーズン全勝を達成。チームメートの藤波貴久も3位表彰台を獲得し、シリーズランキングも3位を獲得しました。

ラヌシアでの戦いは、簡単なものではありませんでした。険しい地形と、持ち時間に押されてあわただしい戦いとなり、ライダーそれぞれ至難のトライアルになりました。そんな中、やはり最小限点をマークしてこの戦いを勝ちきったのがトニー・ボウ。この勝利で、ボウは昨年から続く世界選手権14連勝を達成し、自身の世界選手権勝利を112に伸ばしました。これは、自身の持つ世界記録を更新するものです。

藤波は、激しい表彰台争いを勝ち抜きました。序盤の藤波は苦境に立たされました。早いスタートで走るラインも定まらず、1ラップ目の順位は6位でした。しかし2ラップ目、藤波は彼本来のよい走りを発揮しました。最終セクションをクリーンして藤波がゴールしたのち、ライバルがここで失敗、藤波の逆転3位が決まりました。

藤波のランキングは、フランスGPまで4位となっていましたが、ジェロニ・ファハルド(ガスガス)が昨年イタリア大会のドーピング検査で陽性となり、その結論が出て1年間の順位剥奪となったこともあり、ランキング3位となってシーズンを終えることになりました。こうしてフジガス健在は、世界中のファンにアピールされたのです。

Repsol Honda Teamの次の戦いは、この翌週、地中海のイビザで開催されるトライアル・デ・ナシオンになります。スペインチーム代表としてトニー・ボウが、日本チーム代表として藤波貴久が出場します。

コメント

トニー・ボウ(優勝/ランキング1位)トニー・ボウ、藤波貴久
「全勝優勝ができて、完ぺきなシーズンを送ることができました。なんとすばらしいことでしょう。勝利数が100勝を突破してからというもの、次なる挑戦がシーズン全勝優勝でした。今日、それが達成できて、とてもうれしいです。また連勝記録が14連勝に伸びました。これでジョルディ・タレスが持つ記録に並びました。これもまた大きな喜びです。しかしこれにとどまらず、さらによい結果を臨みたいので、この目標を年頭に、2020年シーズンに向けて戦いを始めたいと思います。今日のトライアルは、とても厳しいものでした。セクションは滑りやすく、時間は常に不足していました。それで失敗も多かったのです。しかし幸いなことに、みんながミスをし、私たちはライバルに対してミスを少なく抑えることができました。この喜びを実現させてくれたチームのみんなに、大きな感謝をしたいと思います」

藤波貴久(3位/ランキング3位)藤波貴久
「今日のトライアルの展開と、シーズンの結末に満足しています。今シーズン、最も悪い順位は6位で、3位と4位の多いすばらしいシーズンとなりました。今日、1ラップ目は6位でした。2ラップ目はなんとか追い上げていきたいと考えていましたが、それができてよかったです。セクションは急峻で、とても難しいものでした。技術的にだけでなく、体力的にも追い込まれた大会となりました。しかし最後の最後までしっかり戦い抜いて、表彰台を獲得できました。モンテッサ、Honda、そしてHRCの皆さんにはいつも大きな助けをいただいています。ボウは全戦優勝のチャンピオン、私は3位。すばらしいチームになりました。いつも支えてくれる家族や友人にも、感謝です」

ミゲール・シレラ監督
「まずトニー・ボウにお祝いの言葉を贈ります。ボウは今シーズン全勝優勝を達成しました。これは彼の大きな金字塔になりました。しかし今回はさらに、すばらしいトライアルを見せてシーズンを締めくくった藤波に大きな祝福を贈らなければいけません。藤波と、この1年彼を支えて戦ってくれたチームのみんなに、おめでとうと言いたいです。すばらしいシーズンでした。トライアル2クラスでは、ガブリエル・マルセリがチャンピオンを獲得しました。彼の今日の走りには、タイトル獲得がかかった緊張は感じられませんでした。将来が楽しみなライダーです。マルセリと一緒に戦ったすべての人にお祝いを贈ります」

※レースレポート、リザルトなどはレース終了時点のものです


リザルト

順位 ライダー マシン L1 L2 総減点
1 トニー・ボウ Honda 17 11 36
2 A.ラガ TRRS 24 15 43
3 藤波貴久 Honda 38 24 64
4 J.ファハルド ガスガス 26 28 65
5 J.ブスト ヴェルティゴ 28 31 67
6 M.ゲラバート シェルコ 43 22 69

ポイントランキング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 トニー・ボウ Honda 160
2 A.ラガ TRRS 134
3 藤波貴久 Honda 112
4 J.ブスト ヴェルティゴ 96
5 J.カサレス ヴェルティゴ 81
6 J.ダビル ベータ 80
17 小川友幸 Honda 5

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