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1日目は4位となったが、2日目に優勝したランプキン
両日共に表彰台に上がった藤波貴久
2日目の表彰式、優勝したランプキン(中)、3位藤波(右)
最終セクションを行く藤波
トライアル世界選手権
FRANCE
[2002.06.23]
WCTレースレポート 
第6戦 フランス
2002年 6月22〜23日開催  
天候:晴れ/ 晴れ 気温:35〜38℃/35〜37℃ 
観客:3,500人/5,000人

ランプキン、2日目に堂々の優勝!
藤波は2/3位で両日ともに表彰台!

山の頂上に配置されたクリーンか5点かのぎりぎりのセクション。1日目、ドギー・ランプキン(montesa HRC)はわずかな失敗から5点を増やしてしまい、4位の座に甘んじた。藤波貴久(montesa HRC)は、しかしたったひとつの5点によって、優勝をアルベルト・カベスタニー(Beta)に明け渡すことになった。2日目、ランプキンの調子はいまだ復調していないように見えたが、カベスタニーやマリオ・ラガ(GasGas)が小さな失敗を重ねていく中、最後に勝ち残ったのはランプキンだった。藤波は、イージーセクションで5点を喫し、このために3位に甘んじた。

第1日目
アルプスの麓のスキーゲレンデの街で開催されたフランス大会。セクションは頂上付近の山肌に12個が配置され、観客はスキーリフトかシャトルバスで頂上へ移動する。バスやリフトは無料。入場料は10ユーロ(約1200円)。頂上には、4WDクラブの協力で資材が輸送されてサンドイッチスタンドもあって、観客サービスは充分。観客は太陽の下で岩場のハイキングを楽しんでいた。

さんさんと太陽が輝くとてもとても熱い2日間となった。フランスのオーガニゼーションは、素晴らしい場所を見つけたものだ。観戦もしやすく、ここ2戦に比べると危険度も少ない。しかし、またも乾いた小径に配置された岩を上がるというセクション設定になった。

ちょっとちがったのは、オブザーバーの採点だった。ちょっと止まったかに見えたらいきなり停止の1点。ひどい場合は、ゆっくりゆっくり、止まりそうな勢いで走り続けているのに停止1点。ライダーはセクションをトライするたびに抗議に走らなければいけなかったし、難セクションを前に、採点という、別の標的と戦わなければいけなくなっていた。

アルベルト・カベスタニー(Beta)の滑り出しはとてもよかった。第1ラップのうちに、すでに大きなアドバンテージを作ってしまった。1ラップ目にカベスタニーが5点となったのは、ただ1ヵ所だけ。高い高い壁をよじ登るところだけだった。ここは、多くのライダーにとって、今回一番の難セクションとなった。

対してドギー・ランプキン(montesa HRC)はどうにも調子が上がらない。4、6、7セクションと、5点が並ぶ。ドギーらしいコンセントレーションを、この日はどこかに忘れてしまったかのようだ。

藤波貴久(montesa HRC)は、ランプキンとは別の、ちょっとした不運に見舞われた。大きな壁越えの第6セクション、藤波はその壁を越えた先の、小さな石に引っかかって前転してしまったのだ。

藤波はまた、12セクションでも5点となった。ここはイージーセクションで、ライバルたちは簡単に通過していったセクションだ。

前半を終わって、カベスタニーは10点。2位はマーク・フレイシャ(Sherco)の21点だから、その圧倒的強さがわかる。フレイシャに続いて1点差で、藤波が続いている。

ところが2ラップ目、カベスタニーに不運がおそう。序盤の3つのセクションを走っただけで、すでに10点の減点を叩いてしまった。

しかしこの日のカベスタニーは、そのまま崩れ去るような弱さは見せなかった。さすがに1ラップ目と同様というわけにはいかなかったが、序盤の乱れ方からすると、その後の復帰は驚異的だった。

カベスタニーを追い上げたのは、藤波とアダム・ラガ(GasGas)だった。ふたりは1ラップ目のカベスタニーを思い起こさせるペースで2ラップ目を回った。その結果、わずか1点差でカベスタニーの優勝が決まったのだった。

藤波にすれば、ふたつの5点のうち、どちらかが3点なら勝っていたわけで、くやしい2位の表彰台となった。

ランプキンはラガに遅れること2点、トップからは7点差で4位に甘んじ、今シーズン初めて表彰台から脱落した。

第2日目
ジュニアカップで使われる5つのセクションが、より難易度を下げる方向で変更になって2日目が始まった。

オブザーバーは、あいかわらず厳しかった。マシンがまだ動いているというのに、オブザーバーが停止1点の採点を下すのも、前日と同様だ。

前日好調だったカベスタニーは第2、第3と失敗して、ライバルたちにアドバンテージを献上することになった。しかしランプキンも第4セクションで5点となっていて、この日もあまり好調とはいえない。

絶好調なのは、かつてチャンピオンを獲得した頃のスタイルを思い出すように難セクションを泳ぐように走るマーク・コロメ(GasGas)だった。

藤波は第3セクションで3点となってしまうが、好調不調の各々は、1ラップが終わる頃には、非常に接近戦となっていた。

トップはコロメで10点、1点差でランプキンと藤波、そしてさらに2点差でカベスタニー、15点のコボスと続いている。

2ラップ目、カベスタニーには2セクションで、ランプキンには4セクションで、それぞれ再び5点の悪夢がおそう。しかしコロメも3セクションで5点。勝負はだんだん混沌としてきた。

2ラップ目中盤。トップは藤波が守っていた。しかしそのリードも長くは続かない。藤波はイージーな第8セクションで失敗し、クラッシュしてしまったのだ。岩から落ちるこのクラッシュで、藤波の順位も優勝から3位まで転落してしまった。

カベスタニーは、藤波と同点、クリーン差の勝利で2位の座を確保した。いくつかの失敗を考えれば、上等の結果だ。

優勝は、2ラップ目を10点でまとめたランプキン。前日表彰台を逃した悔しさを、見事にこの日の勝利で帳消しにした結果だ。

DAY 1
D.ランプキン (4位)

4セクションと7セクションでは、いくつかのミスを犯してしまった。このようなセクション設定は、クリーンから簡単に5点になる傾向がある。岩を登れればクリーンだし、登れなければ問答無用で5点だ。それ以外の中間がない。こういうセクションは、観客には楽しい設定だろう。しかしどこも同じ感じのセクションになってしまう。

藤波 貴久 (2位)
今回のセクションはぼくの好きなタイプです。しかしオブザーバーには悩まされました。ものすごく厳しかった。1ラップ目は、ほとんどのセクションで採点についてオブザーバーに抗議したり説明してもらったりの繰り返しになりました。ただ、彼らはとっても厳しかったけれど、スペインやアンドラ大会のように、一部のライダーに有利となるような判定はしていなかったように思えます。今日のぼくは、1ラップ目に大きなミスをふたつ犯しました。しかし2ラップ目には一転、とってもいい走りができました。でも、勝ち損ねたという感じです。

DAY 2
D.ランプキン (1位)

第4セクションは好きじゃない。2ラップとも、ここでは5点になってしまった。セクションの修正は、イージーになりすぎてしまって、我々には歓迎できるものではなかった。そしていくつかのセクションでは、オブザーバーがとても厳しかった。他のセクションでは、それが一転、停止もムービングもできたりするのだから、首をかしげてしまう。とはいえ、競技はいろんな意味で、正しいレベルにおさまっていたとは思う。

藤波 貴久 (3位)
3位の表彰台は、あんまりうれしくない結果です。1ラップ目にはとても乗れていました。唯一、10セクションで2点をもらったのが、自分にとっては最悪の結果といっていいほどです。試合をリードして2ラップ目に入って、そこで大きなミスをしてしまいました。第8セクションのクラッシュです。この瞬間に、勝利を逃し、そして2位の座も逃してしまいました。すごくくやしい結果です。

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