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トライアル世界選手権
ANDORRA
[2002.06.16] |
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第5戦 アンドラ |
2002年 6月15〜16日開催 |
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天候:晴れ/ 晴れ 気温:35〜37℃/35〜37℃
観客:4,000人/5,000人
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ランプキンが2/1位!
藤波は両日とも3位表彰台!
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前回アメリカ大会で今年初めて敗北を喫したドギー・ランプキン(montesa
HRC)が、続けて破れた。勝者はスペインのアルベルト・カベスタニー(Beta)。しかしランプキンは2位を守り、翌日にはしっかり優勝。連続タイトルへ、順調に勝ち進んでいる。前回ランプキンを破った藤波貴久(montesa
HRC)は、両日ともに3位。ランキング2位の座は安泰だが、ランプキンとのポイント差は徐々に広がっている。 |
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第1日目
フランスとスペインにはさまれた小さな国アンドラでの世界選手権は、高低差のあるダイナミックなセクション設定が毎年恒例となっている。今年は新たに開発された林の中のセクションが1〜6まで用意された。タイトなターンとグリップの良い岩盤。今年もまた、テクニカルで難しい設定だ。
好天続きで乾燥した空気。ライダーがセクションを通過する度、走行ラインに土ホコリが舞い落ちる。岩盤の上に積もった土ホコリはリヤタイヤのグリップに大きく影響を与える。サポート役のメカニックは、ライダーがセクションインする前に、走行ラインに積もったホコリの取り払い作業に追われる。
今大会で最も難しいのは不安定な岩が連続する第7セクションだった。ほとんどのライダーがベタ足の3点で走り抜け、それ以上のスコアはほとんど不可能だ。優勝争いをしているドギー・ランプキン(montesa
HRC)、藤波貴久(montesa HRC)にしても3点以上は望めない程だった。
第8から14セクションまでは、クリーンが出るイージーセクションが続く。最終の第15セクションは、人工的に配置された岩で構成された、インドアスタイル。持ち込まれた岩のグリップが、たとえ乾いていたとしてもよく滑るもので、クリーンするのは難しい。ほとんどのライダーは3点だが、ランプキンはここを1点で切り抜ける。
いつものように、1ラップ目にトップライダー達は多くの時間を費やした。他のライダーの走りを見てからトライしようとするため、時間が許す限り自分からセクションに入ろうとしない。相手の様子を見ながらの駆け引きなのである。
1ラップ目終了時点では、ランプキンが18点でトップ。2番手は藤波貴久とアルベルト・カベスタニー(Beta)が21点で同点。4番手に24点のフレイシャ。そして5番目に25点の黒山健一(Beta)と続く。
2ラップ目、残り僅かな時間内にゴールしようと、トップ集団はほとんど下見もしないままセクショントライを重ねていく。1ラップ目の執拗な下見と比べて慌ただしい展開となるのも、世界選手権のいつもの光景だ。
2ラップ目はさらに接戦だった。ランプキンは21点、カベスタニーが20点。藤波が26点。合計すればカベスタニー41点、ランプキン39点、藤波47点となるのだが、ランプキンは6分のタイムオーバーにより6点を加算されていて、トータル減点45点。対するカベスタニーは1分1点のペナルティーでトータル41点。カベスタニーの逆転優勝が決まった。藤波貴久は2分オーバーにより2点加算。トータル49点で3位。表彰台を確保した。
第2日目
前日に難しすぎた3つのセクションがモディファイされ、2日目も快晴の中で競技が始まった。
第1セクション。1日目に優勝したカベスタニーは、プレッシャーのためかいきなり5点を取ってしまう。続く第2セクションでは、誰もクリーンできない中、唯一クリーンし乗れている場面も見せるが、今度はやさしめの第5セクションで3点になる等、この日のカベスタニーは著しく不安定だ。
ランプキンは、カベスタニーがクリーンした第2セクションで3点をとり、第5セクションも3点を出したが、ミスらしいミスはここまで。以降3点以上のスコアを出すことなく、誰よりも安定した走りを見せていた。
藤波貴久は第3セクションで5点という悪いスタートをきったものの、あとはミスすることなく競技を進めてゆく。
1ラップ目のトップは12点のランプキン。続く2番手は18点の藤波とマルク・フレイシャ(Sherco)だった。ランプキンは6点のリード。4番手は19点のマルコ・コロメ(GasGas)、アダム・ラガ(GasGas)と続いた。カベスタニーは21点でそれに続く。
1ラップ目の最終セクションでは、フレイシャが大転倒し顔を強打する事故が起こった。その時点で2位にいたフレイシャだが、病院に運ばれ無念のリタイヤとなってしまう。
2ラップ目。ランプキンは素晴らしいパフォーマンスを発揮した。1ラップ目よりさらに点数を詰め、この難セクション群をたった11点でゴールしてしまったのである。2ラップ共にベストスコアはランプキンが出すことになった。
残るふたつの表彰台の席を巡っての争いは、ラガ、藤波、コロメ、カベスタニーによって競われたが、33点のラガが2位を獲得、34点の藤波が3位となった。4位は35点のコロメ、5位はカベスタニー。それぞれに1点差で並ぶという接戦だった。
DAY 1
D.ランプキン (2位)
2ラップ目の第13セクションでパンクしてしまった。直す時間もなく、最終の2セクションはパンクしたまま走った。今回は接戦だったが、今の世界選手権は、たくさんのライダーが勝つチャンスを持っていると思う。
藤波 貴久 (3位)
2ラップ目は時間に追われて、セクションの下見時間もなく、慌ててセクションインしたのでミスが多かったんです。セクションは僕の得意なパターンでした。でも、オブザーバーの判定には不満が残ります。スペインの選手には停止を減点としない甘い採点。オブザーバーは明らかに地元選手有利にしていて、私にはきつい判定だった。公平な採点を望んでます。
DAY 2
D.ランプキン (1位)
今日は自分でもとても良く乗れたと思う。ベストコンディションだった。ランキング上でも、2位との間に確実にポイント差をつけている。今年もタイトル獲得の可能性が見えてきたと思う。
藤波 貴久 (3位)
今日はとても悔しい思いをしました。第2ラップの第5セクションで、他のライダーと同じようにホッピングをしたのに対し、即座に5点をとられたんです。オブザーバーに駆け寄り抗議したところ1点になりました。しかし結果を見たら5点になってたんですよ!今日はスタート直後の第2、第3セクションと、情けないミスをして悪いスタートでした。2ラップ目はかなり追い上げたつもりでしたが、残念ながら結果的に3位になりました。
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