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ダイナミックなセクションを得意とする藤波
優勝した1日目のランプキン
ゴール直後、優勝を知り喜ぶ藤波
2日目の表彰式、優勝した藤波(中)2位ランプキン(左)
トライアル世界選手権
USA
[2002.06.02]
WCTレースレポート 
第4戦 アメリカ
2002年 6月1〜2日開催  
天候:晴れ/ 曇り 気温:28〜30℃/10℃ 
観客:4,500人/5,000人

藤波が2日目で優勝し、総合優勝獲得!
今シーズン負けなしのランプキンをついに破る!

土つかずのままシーズンを続けるランプキン(montesa HRC)。これに対して必死に食い下がる藤波貴久(montesa HRC)だったが、とうとう結果が出るときがきた。土曜日は同点でランプキンに軍配。そして日曜日、今度は4点差で藤波がランプキンを逆転して勝利した。藤波はこれで自身3勝目となった。

第1日目
ミネソタ州Duluthで開催されたアメリカ大会会場は、周囲にスキー場のある高低差ある地形である。巨大な岩盤を生かしたテクニカルでダイナミックなセクションが特徴。アメリカでは年に1度しか開催されないトライアル世界選手権を見ようと、多くの観客が訪れセクションを取り囲み、選手達の果敢なトライに、拍手と歓声が起こる。世界選手権にふさわしい光景だ。

第2セクションが、今回の最初の難関だった。立ちはだかる巨大なステアケースがライダーを拒んでいた。ほとんどのライダーが失敗し、ほぼ不可能と思われたこの段差だが、実行可能なことを証明してくれたのは、野崎史高(Scorpa)であった。以降、スタート順の遅いトップライダー達はここを華麗に登り始める。連勝中のランプキンも、問題なくこの段差を登ったが、その直後のイージーなポイントで5点減点。対する藤波貴久の第2セクションは1点である。

続く難所は第4セクション。ここで藤波は5点をとってしまう。ランプキンは1点で通過。特に今回の勝負所である大ステアケースは、失敗すれば5点となる可能性があり慎重にトライしないとならないが、藤波にとっては得意なセクションでもあった。

1ラップ目が終了し、トップに立ったのは9点のアルベルト・カベスタニー(Beta)だった。そして10点のラガ、12点のランプキン、そして藤波とマーク・フレイシャ(Sherco)が15点と続く。

第2ラップに入ると、藤波がリズムに乗り始める。1ラップの失敗経験を参考にし、好スコアで回って行く。他の選手が失敗、あるいはベタ足の3点で切り抜けるようなところもクリーン、もしくは最悪でも2点で走破。結果、第2ラップは一度も5点と3点の減点を出さず、計6点というベストラップを叩きだした。

藤波の見事なスコアに、優勝の可能性が見えてくる。しかし、今シーズン全勝のランプキンの試合運びはそう簡単に勝利を譲らない。ランプキンは2ラップ目の第5セクションで5点を出したものの、2ラップ目を9点でまとめてゴール。藤波と同減点、同クリーン数でゴールすることになった。

勝敗は、1点で抜けたセクション数がランプキン6個、藤波4個ということで、ランプキンの優勝が決まる。そしてラガが1点差で3位となった。1ラップ目にトップだったカベスタニーは、2ラップ目に乱れ3個の5点減点をとり、優勝戦線から脱落してしまった。

第2日目
天気予報では、この日は気温が下がり、雨が降り始めるとのことだったが、その予報ははじめのひとつしかあたらなかった。しかしこの予報は、雨が降る前にトライを終えておこうと、ライダーたちを急がせる結果にはなったようだ。

土曜から日曜にかけてのセクション変更は、今回は特に特筆すべきものはなかった。

出だしがとても悪かったのはカベスタニー(Beta)だった。第2セクションでクラッシュし、バイクは修理が必要なほどのダメージを受けてしまった。この修復で、彼はトップライダーの流れからたち遅れることになったのだ。

対して、非常にラッキーだったのがランプキンだ。というのは、同じ第2セクションで、大岩から横に滑り落ちてハンドルバーが地面に接地するという失敗を見せてしまったのだ。なのに、オブザーバーが示したランプキンのスコアは、たったの1点だったのだ!

藤波はとても好調だった。しかしそれ以上にフレイシャが絶好調。クリーンの山を築いていく。

トップライダーは、トライ前に例外なく待ち時間を作った。というのも、濡れているセクションが待つことによって乾いてきて、困難がぐんと減ることを知っていたからだ。

1ラップが終わった時点で、フレイシャは6点。ランプキンがこれに1点遅れをとり、さらに1点差、減点8で藤波が続いていた。 この点差はないに等しい。すべての可能性があるし、なにがあってもおかしくない状態で、2ラップ目が始まった。

ここで藤波は、前日の追い上げ劇を再び開始した。しかもその走りは、前日にも増して最高だった。前日の2ラップ目は6点だった。この日はたった3点だ。トータルで11点。これは文句なしに優勝に値する結果だった。

ランプキンもまったく好調を維持していたが、2位に終わった。この日の藤波は、それほど調子がよかったということだ。3位には、コボスが入っていた。コボスは2ラップ目を5点でまとめて、大浮上してきたのだ。好調だったフレイシャは、どうしたことか2ラップ目に3つの5点を喫して、4位にまで後退していた。

DAY 1
D.ランプキン (1位)

第1ラップ目、イージーミスをしてしまった。しかし、2ラップ目は、集中力を増すことができたんだ。危険なセクション、難しすぎるセクションも確かにあったが、セクション設定はとても良いものと感じた。

藤波 貴久 (2位)
1ラップ目、第4セクションで5点になったのもありますし、その他のミスもあって1ラップ目が終わったところで4番にいました。でも2ラップ目に入るとものすごく調子が良く、全部で6点で回れたんです。これってベストスコアですよね。「よしこれで今日は勝てる!?」と思ったんですが、ランプキンが合計で同点。とても悔しい2位でした。

DAY 2
D.ランプキン (2位)

第2セクションでは、理解ができないことが起こった。私は最大のミスを犯して、それに見合う採点がされると思っていた。それはともかく、今日の私の走りは悪くなかった。競技的にも、同じく悪いところはなかったと思う。12セクションの大岩が変更されていたが、あれがどういう意図だったのかわからない。能力の低いライダーに対しては意味があったかもしれないが、我々には、セクションをむずかしくもしないし簡単にもしない。まったく無意味な変更だった。

藤波 貴久 (1位)
今日はとってもうれしい。昨日のように2ラップ目はとても早く回ったけど、おかげで時間に余裕が持てた。この余裕の時間で、もう一度セクションを確認する時間がとれた。この時間が、とっても有効だった。唯一のミスは、1ラップ目の第4セクション。ここで5点になったのは失敗だった。でもセクションは素晴らしくて、お客さんたちもみんないい人だった。どのセクションでも拍手が上がって、今日は気持ちがいいトライアルができた。ありがとうございます。

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