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マン島をホームグランドとするランプキンは両日ともに優勝
2日目2位を確保した藤波貴久
2日目のプレス会見、優勝したランプキン(中央)、2位藤波(左)
2日目のランプキン、大きなミスもなく圧勝
トライアル世界選手権
GREAT BRITAIN
[2002.05.19]
WCTレースレポート 
第3戦 イギリス
2002年 5月18〜19日開催  
天候:雨のち晴れ/ 雨 気温:20℃/19℃ 
観客:2,000人/5,500人

ランプキン、ぎりぎりの優勝と完璧な勝利!
藤波は5/2位、2日目はランプキンに脱帽

TTレースで有名なマン島は、口蹄疫でイギリス中でトライアルができなくなった昨年でも、唯一トライアルが許された地域。王者ランプキンもここに家を持ち、いまやトライアルの島ともなった。そして王者ドギー・ランプキン(montesa HRC)は、2日間とも優勝。内容的にはそれぞれだが、結果としては、どんな状況でも強さを発揮するランプキンの姿が浮き彫りになった。藤波貴久(montesa HRC)は1日目に5位となったが、2日目は2位と、ランプキン追い上げの機をねらっている。

第1日目
トライアル世界選手権イギリス大会がマン島で開催されるのは、1999年以来2回目のことである。スティーブ・コリー(GasGas)がマン島出身ライダーとして知られるが、ヨークシャー州出身のドギー・ランプキン(montesa HRC)も現在はマン島の住人となっている。

岩盤主体のマン島。ランプキンは知り尽くしたこの島で、予想どおり好調なスタートをきった。雨で難易度が増したセクションだが、ランプキンは1ラップ目から他者に圧倒的な差をつけ始めている。1ラップ目のランプキンの減点はわずか9点。

1ラップ目終了時、ランプキンに続くのは16点の藤波貴久(montesa HRC)である。さらに続くは17点のコボス(montesa HRC)。そして18点のジャービス(Sherco)、19点のカベスタニー(Beta)、22点の黒山健一(Beta)という順である。

雨の降り注ぐセクションはライダーが通過する度に難度を増してゆく。トップライダー達は、ライバルの走行ラインを観察しようと、なかなか先にセクションに入ろうとしない。結局持ち時間の80パーセントを1ラップ目に費やしてしまう結果となった。

持ち時間の少ない2ラップ目。ライダーは一転、非常に早いペースで2ラップ目を消化していった。ランプキンが1ラップ目を大差でリードする経過から、ランプキン圧勝かと思われたのだが、先を急ぐ2ラップ目のランプキンは予想外にミスを重ねてしまう。その中には5点減点もあった。最終の人工セクションでも、ランプキンはセクションテープから飛び出すハプニングでさらに5点の失点を加えている。

ランプキンが思わぬ失点を重ねる中、ジャービスが好スコアで挽回をはかってきた。ジャービスの2ラップ目はわずか10点だった。しかしジャービスはやや慎重にセクションを回りすぎたようだ。彼には、6分のタイムオーバーによる6点の減点が加算された。結局、時間内にゴールしたカベスタニーと同じく34点の減点となった。

ランプキンの2ラップ目は21点だった。さらに4分のタイムオーバーを加算することにより合計34点。つまりこの3人が同点で並ぶ結果になったわけだ。勝敗はクリーン数により、優勝ランプキン、2位ジャービス、3位カベスタニーと決まった。ランプキン辛勝である。

優勝争いに加わっていたコボスは合計38点で4位になるが、2ラップ目の第3セクション、マインダー役のメカニックが「セクション外へ出よ」というオブザーバーの指示に従わずイエローカードを宣告され5点のペナルティーが加算されていた。これがなければ単独トップだったのに、勝利をみすみす逃す結果となった。

そして2ラップ目を20点で回った藤波貴久は合計39点で5位となっている。

第2日目
無敵ランプキンの前に、もはや他のライダーはなす術がない。そのライディングはあくまでも自然。無理のないライディングは、この数年来で、もっとも磨きがかかってきている。

オーガナイザーは、3つのセクションに変更を加えた。というのも、夜半に雨が上がったからだ。さらに強い風が吹いたおかげで、朝には岩々がすっかり乾いていた。

しかし、ことはそうそううまく進まなかった。 トップライダーが第3セクションに到着した頃、再び雨が降り出した。

いくつかのセクションは、どうすることもできない状態になってしまった。しかし雨は同時に、岩の上にべっとりと乗った、滑りやすい泥を洗い流してもくれていた。不可能が、可能になってきてもいたのだ。

ランプキンは、たいへんに素晴らしい集中力を発揮した。さらに他のトップライダーとほとんど同じタイミングでセクションを回っていたため、すべてのトップライダーの走りを観察できるという優位も生んだ。

1ラップ目、ランプキンが犯した足つきは、たったの4回だけだった。この時点で、ランプキンはほとんど勝利を確定的とした。

ランプキンに遅れるは、減点12点の藤波だ。さらにカベスタニーが18点、会場地であるマン島を出身地とするコリーが19点と続く。

2ラップ目、この日は前日のようなタイムアウトの問題は、どのライダーにもなかった。じっくりとトライができて、おかげでスコアもよくなっている。

ランプキンの2ラップ目は7点。さすがに完璧すぎた1ラップ目を越えることはできなかったが、それでもひと桁減点はただひとりだ。続くはコリーとラガが11点。ランプキン以外のすべてのライダーの1ラップ目の成績を上回って、彼らはそれぞれポジションを上位に進めることになった。コリーは、3年前に続いて、またも地元で表彰台を獲得したのだった。

藤波は、彼らの躍進に耐えて2位を確保した。表彰台から滑り落ちたのは、カベスタニーだった。

DAY 1
D.ランプキン (1位)

2ラップ目の多くのミスについてはたくさんの反省点があるが、結果的に表彰台の中央に登れたことはとても嬉しい。第2ラップ目。第6、第7セクションと続けて5点をとってしまった。僕としてはマシンが後退しないようマシンを押し出したつもりで、バックしてないはず。しかし判定は残念ながら5点だった。最終セクションのコースアウトの失敗は、タイムオーバー覚悟の下見もしない慌てたトライにより集中力のないままのトライだったからだ。

藤波 貴久 (5位)
1ラップ目、自分としてはとても悪い走りだったのですが、2位にいたというのは意外でした。2ラップ目は時間がなくセクションの下見をすることなく焦ってトライしたので思うように減点数を詰められませんでした。本当は今日のように条件が悪い難セクションが好きなんです。でも今日のオブザーバーは、なぜ私だけに厳しい判定をしてくるか理解できないです。採点の不満はずいぶんあります。

DAY 2
D.ランプキン (1位)

今日はとてもいい走りができた。集中力もまったく失わずに走り切れた。セクションも素晴らしかった。

藤波 貴久 (2位)
今日のリザルトには満足している。今日のドギーは完璧で、とても強かった。悔やまれるのは、2ラップ目のふたつの失敗だ。4セクションと11セクションで5点となってしまった。ただしそれがなくても、こんな日のドギーに勝つのは不可能だった。

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