WCTニュース Honda Racing WCT checker
Honda ホームページへ
モータースポーツ
WCT
Honda Racing News Formation
SBKニュース
参戦計画
オフィシャルサイト
両日ともに優勝したランプキン
1日目表彰式、勝者ランプキン(中)、2位藤波(左)
1日目2位を確保した藤波貴久
2日目の最終セクションを行く藤波
トライアル世界選手権
SPAIN
[2002.04.14]
WCTレースレポート 
第2戦 スペイン
2002年 4月13〜14日開催  
天候:曇り時々小雨のち晴れ/晴れ時々曇り 気温:23℃/25℃ 
観客:2,000人/2,000人

実質開幕戦はランプキンが両日とも優勝!
藤波は2/4位と、まずまずの滑り出し

FIMカレンダーの第1戦ルクセンブルグ大会が中止のため、実質緒戦となったスペイン大会では、6年連続チャンピオンを目指すドギー・ランプキン(montesa HRC)が快勝。打倒ドギーを唯一最大の目標とする藤波貴久(montesa HRC)は1日目は2位と好調な滑り出し。2日目は地元スペイン有利の不運な採点などでランプキンを追いきれずに終わるが、それでも4位とまずまずの開幕戦となった。

第1日目
第1戦ルクセンブルグ大会が、豚コレラの発生の影響で中止になり、事実上開幕戦となった第2戦スペイン大会。今年の会場はバレンシアの沖240キロの地中海に浮かぶバレアレス諸島のマヨルカ島である。

6年連続世界タイトルを狙うドギー・ランプキンは、開幕戦2日間ともに優勝という好スタートを切った。今年、世界選手権開幕前のランプキンは、インドア世界選手権のタイトルをカベスタニーに奪われ、イギリス選手権第1戦ではジャービスに破れる等、開幕にやや不安不調を思わせたが、それらを吹き飛ばすような結果である。

そして今年こそワールドタイトルを、と全日本選手権全戦出場を断念してヨーロッパに拠点を移し、世界選手権に専念している藤波貴久も、1日目はランプキンに次ぐ2位、2日目4位とまずまずのスタートを切った。

競技は15セクションを2ラップする。今回のセクションは実にハードな設定だった。ミスをなくし確実に安定して走ることも必要だが、誰も行けない難所をいかに抜け出るか、走破力と集中力と安定性の全てが問われる競技内容だった。

今大会の最難所1ラップ目の第2セクション。ほとんどのライダーが5点、3点で抜けることができればラッキーという中、ランプキンはわずか1点で走り抜け本領を発揮する。これを見て、誰もがランプキン勝利を確信した。

藤波貴久も好調だった。藤波は、困難な今回のセクションを、テクニカルかつスピーディーに走り抜ける。藤波らしい走りである。全般的に走行ラインは狭く、ホッピング、ムービングテクニックを多用しなければならないが、藤波のキレはいつにも増して人目をひいていた。

1ラップ目が終わるとやはりトップは25点のランプキンだ。1点差で26点の藤波貴久が追い、3番手は点差が開き34点のグラハム・ジャービス(Sherco)とアダム・ラガ(GasGas)であった。そして35点でジョセップ・マンザノ(Beta)、6番手に02年のインドア世界チャンピオン、アルベルト・カベスタニー(Beta)が続く。

2ラップ目に入る。通常通りライダーは1ラップ目に多くの下見時間を費やし、第2ラップの消化時間は少なく、簡単な下見の後に次々とセクションをトライしてゆく。ランプキンの2ラップ目は16点、藤波の2ラップ目は24点であるが、そんな中、カベスタニーの減点数がひときわ少なく、わずか15点のベストスコアをたたき出した。

結果的にランプキン合計減点41点で優勝する。藤波貴久は合計50点で2位を確保、そして2ラップ目に追い上げたカベスタニーが3位となる。4位アダム・ラガ、5位フレイシャと続いた。

1ラップ目3番手にいたジャービスは2ラップ目の第2セクションの水没によるマシントラブルから復活に時間を費やし集中力を失って7番手となった。

第2日目
1日目の試合が終わり、5つのセクションにモディファイが加えられた。規定の1分半では走り終えることができない第3セクションが短くなったり、狭かったものが広くなったり、傾向としては簡単になる方向で修正された。天候が回復した影響で、グリップもよくなっている。

この日も、ランプキンが優勝した。その勢いは、去年とまったく変わっていない。試合内容は、前日の土曜日とはややちがっていた。難セクションだった土曜日とは一変し、天候と修正の影響で、日曜日はいたって簡単な、神経戦の様相を呈すことになった。

その上、採点を厳正にというFIM審判団の進言もあり、セクションではひとりならず、ライダーの抗議が発生することになった。大地への挑戦に専念していた土曜日とはちがった試合運びだ。

こうした神経戦の結果、1ラップ目には7点の間に8人のライダーが並んだ。ランプキンとラガが8点、藤波は1点差でこれを追う。4位は11点でジャービス、12点のカベスタニー、さらに1点差ずつ、コボス、フレイシャ、黒山と続いた。

2ラップ目、ランプキンとラガは、1ラップ目に続いて同点でゴールした。1ラップ目の減点に勝る、たったの5点ずつ。素晴らしい結果である。勝負は、ランプキンに軍配が上がった。同点だが、クリーン数が、ランプキンの方が勝っていたのだ。

しかし、2ラップ目に彼ら以上に好調をキープしていたライダーがいた。カベスタニーだ。02インドア世界選手権のチャンピオンであるカベスタニーは、4点のベストスコアをたたき出し、トータルでは藤波と同点、そしてクリーン差で、藤波をかわして3位表彰台へと進出した。

DAY 1
D.ランプキン (1位)

インドアトライアル出場で忙しかったし、イタリアのインドアで転倒した足首の痛みが尾を引き、この7週間でたった5時間ほどしかまともな練習ができてなかったんだよ。そうじゃなかったら、1日に5時間は練習していたんだけどね。それにしては満足いく試合運びと結果だった。今日のセクションはハードだった。簡単なセクションによる精神戦よりも、こういうハードなコンペティションのほうが僕には合っていると思うよ。

藤波 貴久 (2位)
去年の開幕戦は調子が悪かったんです。でも今年は初日に2位なのでとりあえずホッとしました。1ラップ目は全体的に良かったんですが、一番最初の第1セクションの3点が悔しかった。残念なのは第2ラップでラジエターのファンのトラブルによるオーバーヒートが原因で、第4と第6セクションが5点になってしまったことですね。

DAY 2
D.ランプキン (1位)

私には、土曜日のシチュエーションの方がよかった。天候が回復したのだから、今日のセクション修正は必要なかったのではないか。オブザーバーについては意見もあるが、彼らの仕事が激務であることは、私はよく理解をしているつもりだ。

藤波 貴久 (4位)
今日はオブザーバーの採点にとっても不満が残ってしまいました。セクションは簡単すぎて、オブザーバーは厳格に採点していました。でも厳格なのは、スペイン人以外のライダーにたいしてだったんです。2ラップ目に、ぼくはラガのあとでトライをして、いくつか停止の1点を取られました。ぼくはラガと同じように走っていて、ラガは停止をとられなくて、ぼくはとられてしまう。怒り心頭という心境です。

Honda Racing このページの先頭 News Formation