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2013年11月2日(土)・予選 会場:ツインリンクもてぎ(4.801km) 天候:曇り 気温:16℃(14:00時点)
路面温度:19℃(14:00時点) コースコンディション:ドライ 観客:1万4500人
11月2日(土)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2013 オートバックス SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」が開幕し、公式予選が行われました。
全8戦で競われる2013年のSUPER GTも本大会が最終戦となります。現在、ドライバー部門でのチャンピオン争いで、Honda勢のトップに立っているのは#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗る山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組、それに#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越広大/金石年弘組の2チーム。いずれも第7戦までに計52点を獲得し、ランキングの3番手と4番手につけています。これに続いて、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢拓也/小暮卓史組が計37点の9番手、そして#8 ARTA HSV-010に乗るラルフ・ファーマン/松浦孝亮組は計31点の11番手、さらに#32 Epson HSV-010に乗る道上龍/中嶋大祐組は計4点の15番手となっています。
一方、ポイントリーダーのライバルチームは現在58点、そして2番手のチームは54点を獲得しているので、山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組もしくは塚越広大/金石年弘組がチャンピオンとなるには、この差をばん回するポイントを今回のレースで獲得する必要があります。2014年シーズンから新型NSXを投入するHondaにとって、HSV-010 GTが出場する公式戦は今回が最後となるため、Hondaは優勝とタイトルの獲得を最大の目標として本大会に挑みます。
秋の深まりが足早に感じられるこの日の茂木町周辺は、朝から曇り空に覆われ、やや肌寒く感じられる中で公式練習と公式予選が行われました。幸い雨が降ることはなく、路面は一日中ドライコンディションでした。
午前9時から2時間にわたって行われた朝の公式練習では、#100 RAYBRIG HSV-010がトップと0.215秒差の1分42秒102で2番手となり、マシンの仕上がりが好調なことを示しました。Honda勢でこれに続いたのは#18 ウイダー モデューロ HSV-010の4番手で、以下、#17 KEIHIN HSV-010は8番手、#8 ARTA HSV-010は14番手、#32 Epson HSV-010は15番手となりました。
Q1、Q2と2段階で行われるノックアウト方式の公式予選は、午後2時に始まりました。Q2に進出できるのはQ1でトップ8に入ったチームだけで、9〜15番グリッドはQ1の結果、そして1〜8番グリッドはQ2の結果に従って決定されます。GT300クラスに続いて行われたGT500クラスのQ1では、15分間のセッション終了間際に、#100 RAYBRIG HSV-010を駆る小暮選手が1分41秒996をマークしてトップに立ちます。ただし、この直後にライバルの1台が0.175秒差で上回ったため、#100 RAYBRIG HSV-010は2番手となってQ1を突破しました。同じHonda勢では、金石選手が1分42秒292を記録した#17 KEIHIN HSV-010も7番手となってQ2進出を決めました。一方、午前中で好調な走りをみせていた#18 ウイダー モデューロ HSV-010は、マコヴィッキィ選手がタイムアタックで2度のミスを喫したために10番手に。#8 ARTA HSV-010は14番手、#32 Epson HSV-010は15番手に終わり、Q2進出はなりませんでした。
Q2は午後3時5分の開始。セッションが始まった直後はどのチームも路面コンディションの改善を待ってコースインしませんでしたが、1台がアタックを開始すると、残る7台も次々とコースインしていきました。ここで奮闘したのが#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手で、Q1のタイムを0.802秒も上回る1分41秒490をマークし、2番グリッドを手に入れました。#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手は1分42秒144の記録を残し、明日の決勝レースには6番グリッドから臨むことが決まりました。
これに対し、現在チャンピオン争いをリードしているライバルは4番グリッド、ランキング2位のライバルは13番グリッドに終わったため、#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手と金石選手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010の山本選手とマコヴィッキィ選手は逆転タイトル獲得の可能性を大きく残したまま明日の決勝レースに挑むことになりました。
一方、Hondaが開発したレーシングハイブリッドシステムを搭載するGT300クラスの#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)と#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)は、前大会では主催者の判断によりエアリストリクターのサイズをそれまでの直径29.1mm×2から直径28.5mm×2へと縮小されましたが、今回は第6戦富士大会までと同じ直径29.1mm×2に戻されたこともあって、本来のパフォーマンスを取り戻し、現在ランキングトップの#16 MUGEN CR-Z GTが3番グリッドを獲得しました。#55 ARTA CR-Z GTも予選での上位進出に期待がかかりましたが、Q1に挑んだ小林選手がコースアウトを喫し、この影響でセッションが赤旗中断となったため、規則に従って#55 ARTA CR-Z GTは以降の走行を認められず、公式なラップタイムを記録しないまま予選23番手に終わりました。
通常のシリーズ戦より50km短い250kmで競われる決勝レースは、3日(日)の午後1時30分にスタートが切られます。
松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー「#17 KEIHIN HSV-010は、金石選手がQ1突破を果たし、塚越選手がフロントローを獲得するという理想に近い結果を残してくれました。今回はHondaとしてHSV-010 GTのパフォーマンスをフルに引き出すことを目指してきましたが、それがこのような結果に結び付いたことをうれしく思っています。明日の決勝レースでは#17 KEIHIN HSV-010が早い段階でトップに立ち、そのまま優勝することを目標としています。タイトルを取れるかどうかはライバルの成績次第ですが、#17 KEIHIN HSV-010は今季まだ1勝も挙げていないので、まずは1勝して、その結果としてチャンピオンになることを期待しています。また、#18 ウイダー モデューロ HSV-010も不本意ながら10番手からのスタートとなりましたが、マシンの状態は悪くないので、決勝で巻き返しを図ってタイトル争いに加わってくれるものと信じています。さらに、#100 RAYBRIG HSV-010もマシンの状態はいいので、明日の決勝レースでは、4番グリッドからスタートするポイントリーダーに戦いを挑んでほしいところです。HSV-010 GTが公式戦を戦うのは明日が最後になりますが、最高の結果を残せるよう全力を尽くしますので、引き続きご声援のほど、よろしくお願い申し上げます」
塚越広大(2番手 #17 KEIHIN HSV-010)「今日はタイヤの選択で少し迷いましたが、少しでも上のグリッドを狙わなければいけなかったので、最終的に攻めの姿勢でタイヤを選びました。マシンは、前回のオートポリスからすごく調子がいいので、僕自身も不安なく攻めることができました。Q2は気温が少し下がったので、十分にウォームアップをしてからアタックを開始したつもりでした。しかし1周目のアタックは、しっかりまとめることができず、2周目はタイヤの性能がピークを過ぎていたため、ポールポジションを取れずに終わったのは残念でした。ただし、明日はとてもいいポジションからスタートできるので、しっかり優勝を狙って戦っていきたいと思います」
金石年弘(2番手 #17 KEIHIN HSV-010)「公式練習を走り始めたときにはセッティングに少し戸惑いもありましたが、その後、クルマの感触はよくなり、最後は思い通りに走らせられるようになりました。したがってQ1突破は心配していませんでしたが、その後は塚越選手ががんばって2番グリッドを獲得してくれました。本当はポールポジションを狙っていたので少し残念ですが、マシンのパフォーマンスは良好なので、明日の決勝レースでは優勝だけを目指して戦うつもりです」
伊沢拓也(6番手 #100 RAYBRIG HSV-010)「マシンの状態はよかったので、上位グリッドを目指して予選に挑みましたが、自分のアタックの1周目でミスを犯してしまったために、ラップタイムをまとめられませんでした。この結果はとても悔しいものですが、まだ予選が終わっただけなので、明日の決勝レースは思いっきり戦えるように、これから準備を整えていきたいと思います」
小暮卓史(6番手 #100 RAYBRIG HSV-010)「Q1のアタックでは僕もミスをしましたが、それでも2番手になれるくらい、マシンの仕上がりは良好でした。伊沢選手もすごくがんばってくれましたが、うまくかみ合わなかったようで、期待するようなスターティンググリッドは手に入りませんでした。結果は残念でしたが、明日の決勝レースでばん回すればいいと思っています。僕たちのチームにはタイトルを勝ち取るチャンスがありませんが、このグリッドポジションからでも十分に優勝は狙えると思うので、明日のレースは栄冠を勝ち取るつもりです」
山本尚貴(10番手 #18 ウイダー モデューロ HSV-010)「予選ではマコヴィッキィ選手の気持ちが強すぎたのか、タイムアタックで少しミスをしたためにQ2に進出することができませんでした。ただ、マシンの状態は悪くないので、決勝はいい走りができると思います。追い上げる形のレースになりますが、何が起こるか分かりませんし、僕たちも最後まで全力を尽くして、タイトルの可能性を求めて走り続けたいと思いますので、応援をよろしくお願いいたします」
順位 | No. | マシン | ドライバー | タイム |
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1 | 6 | ENEOS SUSTINA SC430 | 大嶋和也/国本雄資 | 1:41.367 |
2 | 17 | KEIHIN HSV-010 | 塚越広大/金石年弘 | 1:41.490 |
3 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 柳田真孝/R.クインタレッリ | 1:41.514 |
4 | 38 | ZENT CERUMO SC430 | 立川祐路/平手晃平 | 1:41.582 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SC430 | 脇阪寿一/石浦宏明 | 1:41.598 |
6 | 100 | RAYBRIG HSV-010 | 伊沢拓也/小暮卓史 | 1:42.144 |
10 | 18 | ウイダー モデューロ HSV-010 | 山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ | 1:42.399 |
14 | 8 | ARTA HSV-010 | ラルフ・ファーマン/松浦孝亮 | 1:42.679 |
15 | 32 | Epson HSV-010 | 道上龍/中嶋大祐 | 1:43.547 |
順位 | No. | マシン | ドライバー | タイム |
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1 | 61 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 山野哲也/佐々木孝太 | 1:48.264 |
2 | 11 | GAINER DIXCEL SLS | 平中克幸/B.ビルドハイム | 1:48.354 |
3 | 16 | MUGEN CR-Z GT | 武藤英紀/中山友貴 | 1:48.389 |
4 | 3 | S Road NDDP GT-R | 星野一樹/佐々木大樹 | 1:48.900 |
5 | 62 | LEON SLS | 黒澤治樹/黒澤翼 | 1:48.970 |
6 | 88 | マネパ ランボルギーニ GT3 | 織戸学/青木孝行 | 1:49.241 |
23 | 55 | ARTA CR-Z GT | 高木真一/小林崇志 | - |