round 02

April 29 2013, RACE SUPER GT Round 2 富士スピードウェイ

SCHEDULE

#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史組)が7位に入り、ポイントリーダーの座を堅持
GT300クラスでは#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)が2位表彰台を獲得

2013年4月29日(月)・決勝  会場:富士スピードウェイ(4.563km)  天候:晴れ  気温:18℃(14:00時点)
路面温度:29℃(14:00時点)  コースコンディション:ドライ  観客:4万8500人(主催者発表)  周回数:110周

4月29日(月)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2013 オートバックス SUPER GT第2戦「FUJI GT500km RACE」の決勝レースが行われました。

  • RAYBRIG HSV-010RAYBRIG HSV-010
  • 伊沢拓也選手伊沢拓也選手
  • ARTA HSV-010ARTA HSV-010
  • ウイダー モデューロ HSV-010ウイダー モデューロ HSV-010
  • Epson HSV-010Epson HSV-010
  • KEIHIN HSV-010KEIHIN HSV-010
  • 中山友貴選手(左)、武藤英紀選手(右)中山友貴選手(左)、武藤英紀選手(右)
  • MUGEN CR-Z GTMUGEN CR-Z GT

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昨日に続いて好天に恵まれ、さらに風がやや穏やかになった本日は、絶好の行楽日和となりました。このため、ゴールデンウイークの一日をモータースポーツ観戦で楽しもうとする多くのファンで、会場となった富士スピードウェイはおおいに賑わいました。

28日(日)に行われた予選では、#18 ウイダー モデューロ HSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が8番グリッドを獲得。開幕戦で優勝してポイントリーダーとなった#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史組)は9番グリッド、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)は10番グリッド、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/松浦孝亮組)は11番グリッド、#32 Epson HSV-010(道上龍/中嶋大祐組)は14番グリッドを手に入れました。

午前8時30分から9時まで、決勝に向けてマシンの最終チェックをするフリー走行が行われました。5台のHSV-010 GTは順調にこのセッションを終え、#18 ウイダー モデューロ HSV-010は総合で6番手となるタイムを記録。Honda勢でこれに続いたのは#17 KEIHIN HSV-010の10番手で、さらに#100 RAYBRIG HSV-010は12番手、#8 ARTA HSV-010は14番手、#32 Epson HSV-010は15番手となりました。

なお、獲得ポイントに応じて決められるハンディウエイトは、#100 RAYBRIG HSV-010が40kg、#17 KEIHIN HSV-010が30kg、#18 ウイダー モデューロ HSV-010が12kg、#8 ARTA HSV-010が4kgとなっています。

本大会の決勝レースは110周、距離500kmで競われます。この距離を走りきるには、少なくとも2回の給油が必要であるため、GT500クラスの全車が2ストップ作戦を選択すると予想されました。ここで上位進出を果たすには、速いペースを保つのはもちろんのこと、その中でいかに燃料消費を抑え、2回の給油時間を短縮するかが重要となります。

午後2時過ぎ、ローリングスタートにより500kmレースの幕は切って落とされました。スタートドライバーを務めるのは、#8 ARTA HSV-010がファーマン選手、#17 KEIHIN HSV-010が塚越選手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010が山本選手、#32 Epson HSV-010が中嶋選手、#100 RAYBRIG HSV-010が伊沢選手です。

Honda勢は8番グリッドから11番グリッドまでに4台のHSV-010 GTが連なっていましたが、1周目の終盤に#8 ARTA HSV-010、#17 KEIHIN HSV-010、#18 ウイダー モデューロ HSV-010の3台が相次いで接触。これで#18 ウイダー モデューロ HSV-010は大きく態勢を乱し、最後尾へと後退。また、#8 ARTA HSV-010と#18 ウイダー モデューロ HSV-010の2台に目立ったダメージはありませんでしたが、#17 KEIHIN HSV-010は車両前部のボディカウルを破損。そのあとの走行で、破損した部分が拡大していったため、チームはそれ以上の走行は危険と判断し、3ラップを終えたところでピットインを指示。そのまま無念のリタイアに終わりました。

3ラップ目が終わった段階で、Honda勢のトップは#8 ARTA HSV-010の8番手で、#100 RAYBRIG HSV-010が9番手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010が13番手、#32 Epson HSV-010が14番手となっていました。

4台のHSV-010 GTは上位進出を目指して懸命の力走を続けますが、ライバル勢は手強く、なかなか順位を上げることができませんでした。そのような状況で、#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗る山本選手は、9周目に12番手、10周目には11番手と、じわじわと順位を上げていきます。そして、#8 ARTA HSV-010、#100 RAYBRIG HSV-010、#18 ウイダー モデューロ HSV-010は9番手から11番手に連なって周回を重ねていきます。

19周目、4番手を走るライバルがメカニカルトラブルでリタイアを喫したため、4台のHSV-010 GTは1つずつ順位を上げ、#8 ARTA HSV-010は8番手、#100 RAYBRIG HSV-010は9番手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010は10番手、#32 Epson HSV-010は13番手となって走行を続けました。

25周目を終えると1回目のピットストップが始まりました。ただし、Honda勢は燃費のよさを生かして給油の先延ばしに成功。4台のHSV-010 GTは32周目から38周目までにピットストップを行いました。GT500クラスの全車が1回目のピットストップを終えたところで、最も遅い38周目に作業を行い、小暮選手へと交替した#100 RAYBRIG HSV-010は1つポジションを上げて7番手となったほか、松浦選手に交替した#8 ARTA HSV-010は9番手、マコヴィッキィ選手に交替した#18 ウイダー モデューロ HSV-010は10番手、道上選手に交替した#32 Epson HSV-010は13番手となりました。

47周目を迎えると、#100 RAYBRIG HSV-010の直後にライバルの1台が迫ります。しかし、#100 RAYBRIG HSV-010のステアリングを握る小暮選手は冷静にこれに対処、接戦を繰り広げながらも鮮やかな手腕でライバルを抑えきります。また、#100 RAYBRIG HSV-010とライバルの2台がバトルを続けている合間に、後方から#8 ARTA HSV-010の松浦選手がライバルに急接近。このため、7番手争いをしていたライバルは防戦を強いられることになります。この結果、#100 RAYBRIG HSV-010は後続を突き放して先行していったほか、松浦選手は55周目にライバルの攻略に成功。8番手へと駒を進めました。

72周目には2回目のピットストップが始まりますが、その直前には#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗るマコヴィッキィ選手がライバルの攻略に成功し、1つ順位を上げて9番手となります。そしてGT500クラスの全車がピットストップを終えた82周目の段階では、#100 RAYBRIG HSV-010の7番手が引き続きHonda勢のトップで、#8 ARTA HSV-010は8番手、#18 ウイダー モデューロ HSV-010は9番手、#32 Epson HSV-010は13番手となっていました。

レース終盤に向けて4台のHSV-010 GTはラストスパートを仕掛けましたが、順位を上げるまでには至らず、#100 RAYBRIG HSV-010は7位、#8 ARTA HSV-010は8位、#18 ウイダー モデューロ HSV-010は10位、#32 Epson HSV-010は13位でそれぞれチェッカーフラッグを受けました。優勝は#36 PETRONAS TOM'S SC430でした。

この結果、ドライバーのチャンピオン争いでは#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手と小暮選手が4点を追加して合計48点とし、ポイントリーダーの座を守りきりました。#17 KEIHIN HSV-010に乗る塚越選手と金石選手は前回と同様の15点で4番手。そして#18 ウイダー モデューロ HSV-010に乗る山本選手とマコヴィッキィ選手は1点追加で計7点として9番手、#8 ARTA HSV-010に乗るファーマン選手と松浦選手は3点追加で計5点として11番手につけています。

また、#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴組)と#55 ARTA CR-Z GT (高木真一/小林崇志組)の2台が出走したGT300クラスでは、2番グリッドからスタートした#16 MUGEN CR-Z GTが直後にトップに立ち、その後も首位の座を守り続けましたが、レース終盤にフロントタイヤからバイブレーションが発生し始めたため、チームは安全を優先してタイヤ交換を実施。このスキにライバルの1台が先行したため、#16 MUGEN CR-Z GTは2位でフィニッシュしました。なお、#55 ARTA CR-Z GTはアクシデントによりマシンにダメージを受けた影響などにより、19位で完走しました。

次戦は6月15、16日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催されます。

コメント

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー「1周目の最終コーナーで3台のHSV-010 GTが玉突き状態となり、結果的に#17 KEIHIN HSV-010が早々とリタイアしなければならなくなったのは残念でした。#100 RAYBRIG HSV-010は、実力的にはもう少し速いペースで走れたはずですが、やはり40kgのハンディウエイトが響きました。これとは対照的にハンディウエイトが4kgと軽い#8 ARTA HSV-010には大きな期待を寄せていましたが、残念ながら彼らも本領を発揮しきれませんでした。#18 ウイダー モデューロ HSV-010と#32 Epson HSV-010は、マシンとタイヤ、それにコンディションのマッチングで期待通りにいかない側面がありました。上位入賞を果たせなかったのは非常に残念ですが、それでもポイントリーダーの座を守れたほか、次戦からはライバル陣営の有力チームも重いハンディウエイトを積むことになるので、これでようやく本当の意味での戦いが始まると捉えています。第3戦の舞台であるセパンは、Hondaが得意としているサーキットなので、ぜひとも優勝し、チャンピオンシップを優位に進めていきたいと考えています。引き続き5台のHSV-010 GTに熱い声援をお送りくださいますよう、お願いします」

伊沢拓也(7位 #100 RAYBRIG HSV-010)「開幕戦の優勝でウエイトを40kg積んでいたので、楽なレースではないことは分かっていました。結果を見ると、ライバルに表彰台を独占されたので非常に悔しいですが、自分たちのできる限りのことはすべて出しましたし、しっかりとポイントを獲得してポイントリーダーをキープできたことはよかったと思います。次戦のセパンでも同様にウエイトを積んでいるので、楽ではないですが、今回のような粘り強いレースをしたいと思います。そして、セパンは小暮選手が速いので、すべてをお任せしたいくらい信頼しています」

小暮卓史(7位 #100 RAYBRIG HSV-010)「タイヤにフラットスポットができてしまったり、左側のタイヤの内圧が上がってしまったりするなど、とても厳しいレースとなりました。ただ、その中でもライバルとのバトルも楽しめましたし、ポイントも獲得できたのでよかったと思います。次戦のセパンでは過去2年連続で優勝しているので、ウエイトは重いですが、プッシュして今年も優勝を目指します」

決勝

GT500

順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 36 PETRONAS TOM'S SC430 中嶋一貴/J.ロシター 110 2:56:05.647
2 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/平手晃平 110 +3.373
3 6 ENEOS SUSTINA SC430 大嶋和也/国本雄資 110 +20.075
4 39 DENSO KOBELCO SC430 脇阪寿一/石浦宏明 110 +24.320
5 12 カルソニックIMPUL GT-R 松田次生/J.P.デ・オリベイラ 110 +41.542
6 37 KeePer TOM'S SC430 伊藤大輔/A.カルダレッリ 110 +42.964
 
7 100 RAYBRIG HSV-010 伊沢拓也/小暮卓史 110 +1:32.512
8 8 ARTA HSV-010 ラルフ・ファーマン/松浦孝亮 110 +1:33.447
10 18 ウイダー モデューロ HSV-010 山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ 109 +1Lap
13 32 Epson HSV-010 道上龍/中嶋大祐 108 +2Laps
RT 17 KEIHIN HSV-010 塚越広大/金石年弘 3 +107Laps

GT300

順位 No. マシン ドライバー 周回数 タイム/差
1 31 Panasonic apr PRIUS GT 新田守男/嵯峨宏紀 103 2:57:27.210
2 16 MUGEN CR-Z GT 武藤英紀/中山友貴 103 +17.403
3 86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3 山西康司/細川慎弥/坂本雄也 102 +1Lap
4 52 OKINAWA-IMP SLS 竹内浩典/土屋武士 102 +1Lap
5 7 OGT Bonds Racing GT-R I.スシュコ/井出有治 102 +1Lap
6 11 GAINER DIXCEL SLS 平中克幸/B.ビルドハイム 102 +1Lap
 
19 55 ARTA CR-Z GT 高木真一/小林崇志 79 +24Laps

ポイントスタンディング

ドライバー

GT500

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1100伊沢拓也/小暮卓史RAYBRIG HSV-01024
238立川祐路/平手晃平ZENT CERUMO SC43023
336中嶋一貴/J.ロシターPETRONAS TOM'S SC43020
417塚越広大/金石年弘KEIHIN HSV-01015
56大嶋和也/国本雄資ENEOS SUSTINA SC43015
623柳田真孝/R.クインタレッリMOTUL AUTECH GT-R11
918山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィウイダー モデューロ HSV-0107
118ラルフ・ファーマン/松浦孝亮ARTA HSV-0105

GT300

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 11 平中克幸/B.ビルドハイム GAINER DIXCEL SLS 25
2 31 新田守男/嵯峨宏紀 Panasonic apr PRIUS GT 20
3 16 武藤英紀/中山友貴 MUGEN CR-Z GT 19
4 4 谷口信輝/片岡龍也 GSR 初音ミク BMW 17
5 52 竹内浩典/土屋武士 OKINAWA-IMP SLS 16
6 87 山内英輝/吉本大樹 ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3 15

チーム

GT500

順位 チーム 総合ポイント
1 チームクニミツ 30
2 LEXUS TEAM ZENT CERUMO 29
3 LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S 25
4 LEXUS TEAM LeMans ENEOS 21
5 ケーヒン リアル レーシング 18
6 LEXUS TEAM SARD 17
 
9 ウイダー モデューロ 童夢レーシング 12
10 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 11
13 エプソン・ナカジマ・レーシング 4

GT300

順位 チーム 総合ポイント
1 GAINER 31
2 チーム 無限 25
3 apr 23
4 OKINAWA-IMP RACING with SHIFT 22
5 GSR&Studie with TeamUKYO 21
6 JLOC 21
 
15 オートバックス・レーシング・チーム・アグリ 2