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全日本選手権スーパーフォーミュラ

round 01

SCHEDULE

April 13 2014, RACE Japanese Championship SUPER FORMULA Series Round 1

日本鈴鹿サーキット

#11 ヴィタントニオ・リウッツィ選手がデビュー戦でポイントを獲得
ルーキーの#40 野尻智紀選手は9位完走を果たす

2014年4月13日(日)・決勝  会場:鈴鹿サーキット(5.807km)  天候:曇り  気温:17℃(15:00時点)  路面温度:21℃(15:00時点)  決勝レース:43周  コースコンディション:ドライ  観客:2万8000人(主催者発表)

4月13日(日)、三重県・鈴鹿サーキットにおいて、2014年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズ開幕戦の決勝レースが開催されました。

  • ヴィタントニオ・リウッツィ選手ヴィタントニオ・リウッツィ選手
  • 野尻智紀選手野尻智紀選手
  • 武藤英紀選手武藤英紀選手
  • 山本尚貴選手山本尚貴選手
  • 中山友貴選手中山友貴選手
  • 塚越広大選手塚越広大選手
  • 中嶋大祐選手中嶋大祐選手

昨年「全日本選手権スーパーフォーミュラ」と改名した国内最高峰のオープンホイールレースは、今シーズンよりレギュレーションを刷新し、ダラーラ社(イタリア)が開発、製造したシャシー「SF14」に2リッター直列4気筒直噴ターボの省燃費レースエンジンを搭載した新型車両で競われることとなりました。Hondaは、このレギュレーションに沿った新エンジン「HR-414E」を新たに開発し、4チーム8名のドライバーに供給しています。

ドライバーの顔ぶれは、TEAM 無限が昨年のチャンピオンである#1 山本尚貴選手のチームメートとして、昨年HP REAL RACINGに所属していた#2 中山友貴選手を起用しました。#10 塚越広大選手は今年もHP REAL RACINGで続投する一方、TEAM 無限に移籍した中山選手に代わって元F1ドライバーの#11 ヴィタントニオ・リウッツィ選手が加入しました。NAKAJIMA RACINGは昨年同様、#31 中嶋大祐選手と#32 小暮卓史選手のコンビ。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGでは#41 武藤英紀選手と、F1への登竜門とされるGP2に活躍の場を移した伊沢拓也選手の後任に、人材育成プログラム「Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト」のサポートを受け、全日本F3選手権で活躍していた#40 野尻智紀選手が起用されました。

ノックアウト方式で実施された昨日の予選では、#40 野尻選手がHondaのドライバーとして唯一、最終セッションのQ3に進出し、8番グリッドを手に入れました。これに続く9番グリッドを獲得したのは昨年のチャンピオンである#1 山本選手。さらに#41 武藤選手が10番グリッド、#10 塚越選手が14番グリッド、#11 リウッツィ選手が15番グリッド、#32 小暮選手が16番グリッド、#2 中山選手が17番グリッド、#31 中嶋選手が18番グリッドとなりました。

本日は、まず午前9時5分から30分間にわたってフリープラクティスの2回目が行われました。ここでHonda勢のトップとなったのは8番手の#41 武藤選手。続いたのは#10 塚越選手の10番手、#32 小暮選手は11番手、#11 リウッツィ選手は12番手、#40 野尻選手は14番手、#1 山本選手は16番手、#31 中嶋選手は18番手、#2 中山選手は19番手で続きました。

この日の鈴鹿地方は終日、曇り空に覆われていましたが、幸い雨は降らず、風もそれほど冷たくありませんでした。また、今回は4輪レースのスーパーフォーミュラや全日本F3選手権に加えて、2輪レースの全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスも開催されたため、会場となった鈴鹿サーキットには4輪レースと2輪レースのファンが数多く詰めかけました。

午後3時、43周のレースが予定どおりスタートしました。ここでタイミングよく飛び出した#1 山本選手が8番手に浮上。これと入れ替わる形で#40 野尻選手は9番手となりました。以下、#41 武藤選手は10番手、#10 塚越選手は13番手、#31 中嶋選手は15番手、#11 リウッツィ選手は16番手、#32 小暮選手は17番手、#2 中山選手は18番手でオープニングラップを終えました。

スタート直後の混乱でオーバーランを喫し、一時的にポジションを落とした#11 リウッツィ選手は、2周目に14番手までばん回。さらに上位を目指して追い上げを図っていきます。

5周目、シャシーのセットアップの問題でペースが上がらなかった#31 中嶋選手がピットストップ。ガレージで修正を行い、コースに復帰しました。

8周目、#11 リウッツィ選手は#10 塚越選手をパス。これで#11 リウッツィ選手は13番手、#10 塚越選手は14番手となります。

10周目、8番手につけていた#1 山本選手は、先に#40 野尻選手を追い越していたライバルにシケインでオーバーテイクされ、9番手に後退します。その後、後方から追い上げてきた別のライバルが#1 山本選手に襲いかかりましたが、#1 山本選手は巧みなブロックを見せ、ポジションを守りました。

12周目、#32 小暮選手がピットストップを行います。今回の決勝レースは43周、250kmで競われますが、燃料タンクの容量の関係でレース中に1度はピットストップして給油を行わないとフィニッシュまで走りきれません。#32 小暮選手がピットストップを行ったのはこのためで、併せてタイヤも交換し、コースへと復帰していきました。

13周目、#1 山本選手がピットストップ。#32 小暮選手と同様、給油とタイヤ交換を行ってコースに復帰しました。

14周目には#11 リウッツィ選手もピットストップを行いますが、その直後、逆バンク付近でライバル陣営の1台がスピンし、コースを塞ぐような形で停止しました。そこでスピンした車両を安全に排除するためにセーフティカーが導入され、およそ3周にわたってセーフティカーが競技車の一団をゆっくりとしたペースで先導していきます。ここで#2 中山選手、#10 塚越選手、#40 野尻選手、#41 武藤選手は次々とピットインし、給油などの作業を行いました。

セーフティカーが退去したあとの17周目、Honda勢のトップは#1 山本選手の6番手で、これに#40 野尻選手は9番手、#11 リウッツィ選手は10番手、#10 塚越選手は11番手、#2 中山選手は12番手、#32 小暮選手は13番手、#41 武藤選手は14番手となって続きました。

22周目、他車と接触してマシンにダメージを負った#10 塚越選手はピットストップを行い、トラブルを修復してコースに復帰しました。

24周目、12番手を走行していた#32 小暮選手のマシンにトラブルが発生。コース脇にマシンを止め、ここでリタイアしました。

レース後半に入ると、Honda勢の中にもペースが伸び悩むマシンが現れます。それでも7名のドライバーは一つでも上のポジションを目指し、力走を続けていました。

上位を走行していた2名のドライバーがピットストップを行った影響で、#1 山本選手は31周目に5番手へとポジションを上げますが、シャシーのセッティングに不調を抱えていた関係でペースは伸び悩み、#1 山本選手の直後に7台ほどのマシンが続く展開となります。それでも#1 山本選手は巧みに防戦し、ポジションを守り続けていましたが、38周目のスプーンカーブで一瞬、姿勢を乱し、次の周には12番手まで後退してしまいます。この段階でHonda勢の最高位は#11 リウッツィ選手の8番手で、これに#40 野尻選手は10番手、#41 武藤選手は11番手、#1 山本選手は12番手、#2 中山選手は13番手、#10 塚越選手は14番手、#31 中嶋選手は15番手となって続きました。

その後、#11 リウッツィ選手は後方から追い上げてきたライバルに攻略され、1つポジションを下げます。さらにレース終盤には、6番手を走行していたライバルがコースアウトしてクラッシュするという波乱が起きました。この結果、#11 リウッツィ選手は8位でフィニッシュし、デビュー戦にしてポイントを獲得。同じくルーキーの#40 野尻選手は、入賞にあと一歩手が届かない9位でフィニッシュしました。さらに#41 武藤選手は10位、#1 山本選手は11位、#2 中山選手は12位、#10 塚越選手は14位で完走しました。#31 中嶋選手は規定周回数に満たなかったため、完走とは認められませんでした。優勝は#8 ロイック・デュバル選手(トヨタ)でした。

2014年全日本選手権スーパーフォーミュラ シリーズの第2戦は5月17日(土)、18日(日)に静岡県の富士スピードウェイで開催されます。

コメント

佐伯昌浩(Masahiro Saiki) | 「HR-414E」開発責任者
「今回は全く新しいエンジンを投入したので、各チームには少し我慢してもらいながらレースを戦いました。それでも、エンジンマッピングのチューニングを含め、週末を通じて徐々に攻める方向に切り替えていきました。なお、#32 小暮選手のトラブルは冷却水漏れによるオーバーヒートが原因でした。今回は残念ながら我慢のレースとなりましたが、エンジンそのものは、まだまだパフォーマンスを上げられる余地が残っているので、次戦からは、かなりいい戦いができると期待しています」

ヴィタントニオ・リウッツィ選手(8位 #11 HP REAL RACING)
「Hondaのドライバーとしてポイントを獲得できたことをうれしく思っています。15番手からスタートする難しいレースでしたが、結果的にすばらしいレースとなり、心から楽しむことができました。レース中はたくさんオーバーテイクができましたし、チームが立てた戦略も完ぺきでした。当初は苦しいレースになると考えていましたが、そこから、よくばん回したと思います。Hondaとチームに心からお礼を申し上げたいと思います」

野尻智紀選手(9位 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「スタート前は、レースの折り返し地点付近でピットストップを行い、後半はスパートをかける戦略を立てていました。実際、レース前半は、いいペースで走れましたが、その後、セーフティカーが出てからは早く前にいきたいという気持ちが出てしまい、何度かミスを犯しました。従って、レース前半の戦いには満足していますが、後半については全く満足していません。とはいえ今回のデビュー戦は、まずは完走して、たくさん経験を積むことを第一目標としていたので、その意味ではよかったと思います。今回の経験を今後の戦いにつなげていくつもりです」

決勝リザルト

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
1 8 L.デュバル トヨタ 43 1:15'49.802
2 3 J.ロシター トヨタ 43 +16.221
3 38 石浦宏明 トヨタ 43 +22.125
4 7 平川亮 トヨタ 43 +29.690
5 36 A.ロッテラー トヨタ 43 +33.617
6 37 中嶋一貴 トヨタ 43 +43.092
 
8 11 ヴィタントニオ・リウッツィ Honda 43 +52.138
9 40 野尻智紀 Honda 43 +53.585
10 41 武藤英紀 Honda 43 +54.164
11 1 山本尚貴 Honda 43 +1'06.499
12 2 中山友貴 Honda 43 +1'07.197
14 10 塚越広大 Honda 38 +5Laps
- 31 中嶋大祐 Honda 28 +15Laps
- 32 小暮卓史 Honda 24 +19Laps

ポイントスタンディング

順位 No. ドライバー マシン 総合ポイント
1 8 L.デュバル トヨタ 10
2 3 J.ロシター トヨタ 8
3 38 石浦宏明 トヨタ 6
4 7 平川亮 トヨタ 5
5 36 A.ロッテラー トヨタ 5
6 37 中嶋一貴 トヨタ 3
 
8 11 ヴィタントニオ・リウッツィ Honda 1
- 40 野尻智紀 Honda 0
- 41 武藤英紀 Honda 0
- 1 山本尚貴 Honda 0
- 2 中山友貴 Honda 0
- 10 塚越広大 Honda 0
- 31 中嶋大祐 Honda 0
- 32 小暮卓史 Honda 0