シーズン最終戦となる第8戦ポルトガル大会が、10月16日(金)~10月18日(日)の3日間、リスボン近郊のエストリル・サーキットで開催されます。エストリルは一周4.182km。ロングストレートとバラエティに富んだコーナーの組み合わせで、メリハリのある走りが求められます。
エストリルではスーパーバイク世界選手権がスタートした1988年に初開催され、その後1993年に2回目。以来、27年ぶりにスーパーバイク世界選手権の舞台として復帰しました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により大幅に日程が変わりました。開幕戦オーストラリア大会は予定通り2月に開催されましたが、その後の大会は中止延期が続き、7月にスペインのヘレスで再開し、今大会が最終戦となります。
前戦フランス大会でリアグリップに苦戦、思うような成績を残せなかったアルバロ・バウティスタ(Team HRC)は、「GPでは125ccと250cc時代に優勝しているサーキット。レイアウトは簡単ではないが楽しみ」と最終戦に闘志を燃やしました。しかしフリー走行では依然としてリアのグリップに苦戦しました。そして予選では転倒もあり8番手。決勝では大集団となった5位争いのグループに加わり、集団トップ5番手を走行しましたが、ラスト4周となった18周目の6コーナーで転倒。その後再スタートを切りますが、17位とポイントを獲得することができませんでした。
一方チームメートのレオン・ハスラムは、最終戦を前に契約更改も済ませ、高いモチベーションで挑みました。そして着実にセットアップを進めたハスラムは、予選では今季初のフロントロー獲得の2番手。転倒者が多く赤旗中断になった厳しい予選となりましたが、一周をしっかりまとめ、バルセロナ大会のバウティスタに続きTeam HRCとしては今季2回目のフロントロー獲得となりました。
決勝もチームメートのバウティスタとともに7台前後に膨れあがったセカンドグループをリード。終盤はA.ローズ(カワサキ)、M.リナルディ(ドゥカティ)とのし烈な5位争いとなりましたが、後続をしっかり抑えきって5位でフィニッシュしました。
MIE Racing HONDA Teamは、このサーキットを初めて走る高橋巧が、予選19番手から今季ベストリザルトの14位でフィニッシュ。チームメートで今大会初参戦となるエリック・グラナドは予選20番手から15位でフィニッシュ。デビュー戦でポイント獲得を果たしました。
レオン・ハスラム(5位)
「今日はいい結果を出すことができました。フロントローを獲得できてうれしかったですが、レース序盤はいいフィーリングがつかめませんでした。いくつかミスをしてしまい、コースから出てしまうことも何度かあって、少しフラストレーションがたまりました。でも中盤からはいいフィーリングを見つけ、アルバロ(バウティスタ)とローズに追いつくことができました。そこからはいいバトルができて、最終的に5位でフィニッシュしました。今日は前進できましたし、レースを通して力強いペースを維持できました。トップ5でフィニッシュできて、とてもうれしいです」
アルバロ・バウティスタ(17位)
「今日の転倒は少し残念です。チームには本当に申し訳ないと思います。転倒までは力強く追い上げていたし、とてもいいフィーリングがありました。これまでのラウンドから、レースに向けたセットアップを少し改善することができました。特に電気系は前進したと思います。しかしセットアップを決めるまで時間がかかり、準備が少し足りませんでした。今日もレース中にこれまでとの違いを比較しながらの走りとなりました。プラクティスセッションでマシンのフィーリングがよくなっても、決勝は違うからです。ポジションを上げて集団の前に出てからはいいフィーリングがあり、プッシュできました。上位のライダーたちのペースにとても近い走りができました。6コーナーの転倒は残念です。でも明日は2回もレースがあるので、チャンスがあると前向きに考えて、電気系を改善したいです」
高橋巧(14位)
「今日は少し残念でした。予選ではいい流れがあり、正直もう少しいいフィーリングがつかめると思っていました。でもレース序盤はかなり苦戦しました。何度かフロントが流れることがありました。10周目くらいからフィーリングがよくなり始め、リズムも安定してきました。明日がどうなるか様子をみたいと思いますが、もっといいパフォーマンスができると思います」
エリック・グラナド(15位)
「FP3では、今日の気温に合うタイヤを選択することができませんでした。そして予選ではソフトタイヤの力を最大限発揮することができませんでした。初めて使うタイヤなので、よく分かっていなかったせいかもしれません。すべては経験です。レースではスタートがうまくいきませんでした。クラッチのフィーリングがよくありませんでした。チームメートの後ろで、コンスタントなペースをキープできるように努力しました。後ろについたことが役立ち、自分のライディングとマシン、そしてタイヤについてたくさん学ぶことができました。レース終盤へ向けてパフォーマンスが落ちたかもしれません。明日はもっとがんばってスタートからプッシュしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
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1 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 21 | 34'13.229 |
2 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 21 | +3.039 |
3 | 31 | G.ガーロフ | ヤマハ | 21 | +4.220 |
4 | 1 | J.レイ | カワサキ | 21 | +9.645 |
5 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 21 | +15.732 |
6 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 21 | +15.926 |
14 | 13 | 高橋巧 | Honda | 21 | +47.164 |
15 | 20 | エリック・グラナド | Honda | 21 | +48.801 |
17 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 21 | +1'32.677 |