スーパーバイク世界選手権第6戦カタルニア大会が、9月18日から20日まで、バルセロナ郊外のカタルニア・サーキットで開催されます。カタルニア・サーキットは、ロードレース世界選手権のカレンダーには定着していますが、スーパーバイク世界選手権は初開催。今年は新型コロナウイルスの感染拡大で大幅にカレンダーが変更になり、開催が決まりました。
MotoGP時代にカタルニア・サーキットを走っているアルバロ・バウティスタ(Team HRC)は「今はマシンの開発段階。一歩一歩フィーリングを改善している状態。前戦のテルエル大会では力強い走りができた。転倒したが限界でプッシュしているときはこういうことが起きるもの。しかしチームのモチベーションは上がっている」とカタルニア大会に闘志を燃やしました。
今大会は、金曜日、土曜日のフリー走行が不安定な天候の中で行われましたが、その後、天候は回復、スーパーポール(予選)と決勝レースは青空が広がり、ドライコンディションで行われました。
スーパーポールでは今季ベストの3番手。フロントローから決勝に挑んだバウティスタは、オープニングラップ7番手から表彰台争いを視野に4位争いのグループに加わりました。中盤は、C.デイビス(ドゥカティ)とM.ファン・デル・マーク(ヤマハ)を抑えて4番手を走行。後半は1コーナーのブレーキングミスで2台に先行を許し6番手へとポジションを落としますが、後半は、じりじりポジションを落としてきたM.リナルディ(ドゥカティ)をパス、5位でチェッカーを受けました。
8月下旬から9月上旬にかけて、モーターランド・アラゴンで開催された2大会(アラゴン大会&テルエル大会)でバウティスタは、予選7番手&5位。決勝では常に表彰台争いに加わり、アラゴン大会では、ニューモデルCBR1000RR-R FIREBLADE SPで初の表彰台獲得を達成しました。今大会の決勝レース1では表彰台には立てませんでしたが、着実のパフォーマンスを引き出していることをアピールする一日となりました。
チームメートのレオン・ハスラムは、18年ぶりに走るというカタルニア・サーキットを楽しみにしていました。しかし、ドライコンディションだった金曜日のFP1をマシンのセットアップのために走れず、その後、FP2が雨になり、さらに土曜日のフリー走行も不安定な天候で思うようにセットアップを進めることができませんでした。しかし、ドライになったスーパーポール(予選)と決勝レースでは一気にペースをつかみ、予選10番手から10位でフィニッシュしました。
高橋巧(MIE Racing HONDA Team)もカタルニア・サーキットを走るのは初めての経験となり、不安定な天候の中で、予選19番手、決勝19位。ポイント獲得は果たせませんでしたが、今大会はカタルニア・サーキットを着実に攻略し、ウエットコンディションとなったFP3では11番手と今季ベストポジションを獲得しました。着実にパフォーマンスを発揮してきているだけに、日曜日のSPレースと決勝レース2の走りに注目です。
アルバロ・バウティスタ(5位)
「今日は今シーズンベストのグリッドポジションを獲得し、フロントローからのスタートになりました。ドライコンディションで準備をする時間があまりなかったので、レースディスタンスでどのような走りができるかよく分かりませんでした。もっと速いタイムが出せると思っていましたが、セットアップに小さな問題がありました。明日この問題を直します。今回は違うクラッチを使っています。そのフィーリングにはとても満足していますが、これまで使っていたものとは違うので、それに合わせて電子制御も変更しなければなりません 。しかし今週末はこれに取り組む時間がありませんでした。タイヤパフォーマンスが落ちるとさらに問題が出ますが、コンスタントにいい仕事ができているので満足しています。そして今日は5位でフィニッシュできました。明日も前進し、さらに強くなれるようにがんばります」
レオン・ハスラム(10位)
「厳しいレースでした。昨日、ドライコンディションのFP1を走れなかったので、さらにたいへんになりました。レースではスタートがうまくいかず、1コーナーまでの間にかなりポジションを下げてしまいました。レース中盤にいいリズムをつかみましたが、問題があったので、自分のライディングに集中し、状況をコントロールしました。10番手争いには勝つことができ、チャンピオンシップのポジションを一つあげることができたのはポジティブなことです。でも明日に向けてやるべき仕事があります。今後のレースで前進できることを願っています」
高橋巧(19位)
「今日は正直もっといい結果を期待していました。午前中のFP3でとてもいいフィーリングだったからです。目標は1分43、44秒台で周回することでしたが、数周しかこのタイムで周回できませんでした。そしてリアがかなりスピンし始めました。コンディションは午前中とはかなり違いました。このレースの経験を活かして、明日は速くなれるようにセットアップを進めたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
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1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 20 | 34'34.245 |
2 | 45 | S.レディング | ドゥカティ | 20 | +2.625 |
3 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 20 | +4.459 |
4 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 20 | +6.078 |
5 | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 20 | +6.989 |
6 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 20 | +8.770 |
10 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 20 | +22.344 |
19 | 13 | 高橋巧 | Honda | 20 | +55.793 |