モーターランド・アラゴンで2週連続の開催となる第5戦テルエル大会が、9月4日から6日の3日間、開催されています。モーターランド・アラゴンは、バルセロナから約200kmに位置するアルカニス郊外にあり、2011年に初めて開催され、1週間前に行われた第4戦アラゴン大会が10回目の開催となりました。今週はモーターランド・アラゴンが位置するアラゴン州テルエル県の名を配した「テルエル大会」となり、モーターランド・アラゴンでは11回目の開催となります。
2週連続の開催。そして連日好天に恵まれたことから、初日のフリー走行からハイレベルな戦いとなり、予選6番手から決勝に挑んだレオン・ハスラム(Team HRC)が、し烈な6位争いの中で7位でフィニッシュしました。今大会の開幕を前にハスラムは、「テストのときから、このサーキットで表彰台を獲得することは可能だと思っていた。そしてそれが正しいということを先週、アルバロが証明した」と語り、テルエル大会に闘志を燃やしていました。先週に較べて今大会は気温が高く、コンディションが変わりました。その状況の中でハスラムは、6番グリッドから序盤に9番手までポジションを落とす苦しいスタートとなりましたが、7台に膨れあがった6位争いのグループの中で7位でチェッカーを受けました。
今季ベストグリッドとなる予選5番手から決勝に挑んだアルバロ・バウティスタ(Team HRC)は、オープニングラップ5番手とまずまずのスタートを切りました。そして、4周目にラツカトリィオグル(ヤマハ)を交わし4番手へ。さらに3番手を走るレディング(ドゥカティ)の背後に迫りますが、8周目にレディングが転倒したことで労せず3番手に浮上。2番手を走るレイ(カワサキ)との差をじりじりと縮めました。
先週のアラゴン大会のレース2では、CBR1000RR-R FIREBLADE SPにとって初表彰台獲得となる3位でフィニッシュしました。それに続く2大会連続の表彰台獲得に大きく前進しましたが、追い上げてきたデイビス(ドゥカティ)と3位争いを繰り広げた15周目の14コーナーで痛恨の転倒を喫し、リタイアに終わりました。こうして、今大会のレース1は惜しくも表彰台を逃しましたが、表彰台争いの常連になったことをアピールする快走でした。
先週の大会を終えてAlthea Racingとのコラボを解消したMIE Racingは、「MIE Racing Honda Team」として新スタートを切りました。そして、心機一転のスタートとなった高橋巧は、予選21番手から15位でフィニッシュ。今季2回目のポイント獲得を果たしました。今大会、高橋は先週のアラゴン大会から予選で約1秒タイムを短縮、決勝では1分53秒台で周回を重ねるなど一歩前進することに成功しました。
日曜日には、10周で行われる「SPレース」と18周の「決勝レース2」が行われます。
レオン・ハスラム(7位)
「レースウイークは順調でしたが、今日は難しいレースになりました。プラクティスセッションは安定していましたが、決勝ではフロントのフィーリングに1周目から苦戦しました。自分のライディングをコントロールしようとしましたが、プラクティスセッションのような走りができませんでした。レースでは、サイクスとローズと何度も抜き合うバトルとなりましたが、7位でフィニッシュしました。今週末はいいペースがあったので正直トップ5でフィニッシュしたいと思っていました。明日に向けて問題を解決できることを願っています」
アルバロ・バウティスタ(リタイア)
「まずチームに謝らなければいけません。今日は本当にいい結果を出したいと思っていましたがリタイアに終わりました。いいスタートを切ることができ、序盤はほかのレースよりもいい走りができました。とてもポジティブでした。そして、トップを快走するリナルディを除くほかのライダーたちにかなり近づくことができました。表彰台争いをしましたが、終盤になると、同じコーナーで決まってギアチェンジに問題がでるようになりました。そのためにはらんでしまい、デイビスにパスされてしまいました。限界の走りをしていたのは分かっています。それでも自分のポジションを守ろうと全力を尽くし、残念ながら転倒してしまいました。3位争いができなかったとしても、どうして4位を獲得できなかったのかと自分自身に怒りを感じています。もちろんチームに申し訳ないと思っています。今日は表彰台争いをしました。そして、ベストグリッドを獲得できたというポジティブな点もあります。明日は今日の悔しさをぶつけたいです。これまでの仕事を見せるチャンスがあと2回あります」
高橋巧(15位)
「ポジティブな点は、マシンのフィーリングが先週末より全体的によかったことで、初日から前進していることを感じました。しかしそれをうまく結果につなげることができませんでした。今日のFP3はうまくいきましたが、午後はその時のフィーリングを掴むことができませんでした。とにかくデータをしっかり分析して、明日のレースでいいパフォーマンスができるようにこれまでの努力を活かしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | M.リナルディ | ドゥカティ | 18 | 33'19.700 |
2 | 1 | J.レイ | カワサキ | 18 | +5.888 |
3 | 7 | C.デイビス | ドゥカティ | 18 | +10.035 |
4 | 60 | M.ファン・デル・マーク | ヤマハ | 18 | +15.965 |
5 | 54 | T.ラツカトリィオグル | ヤマハ | 18 | +19.357 |
6 | 22 | A.ローズ | カワサキ | 18 | +24.138 |
7 | 91 | レオン・ハスラム | Honda | 18 | +24.275 |
15 | 13 | 高橋巧 | Honda | 18 | +59.529 |
RT | 19 | アルバロ・バウティスタ | Honda | 14 | +4Laps |