第8戦イギリス・ドニントン大会が、7月5日から7月7日までの3日間、イングランド中部のノッティンガム近郊にあるドニントン・パークで開催されています。ドニントン・パークは1周4.023km。シケインとヘアピン、中高速コーナーが連続するバリエーション豊かなサーキットで、パッシングポイントも多く、毎年、厳しい戦いが繰り広げられます。
開幕した5日は天候に恵まれ、最高気温も23℃まで上昇しました。しかし、スーパーポール(予選)と決勝レース1が行われた6日土曜日は、厚い雲が空を覆い、断続的に雨が落ちる複雑な天候となりました。その中でMoriwaki Althea Honda Teamの清成龍一は、ウエットから、セッション終盤にライン上が乾く微妙なコンディションとなったスーパーポールで今季ベストグリッド獲得となる13番手。その後に行われた決勝レース1でも今季ベストリザルトとなる11位でフィニッシュしました。
気温が低く、断続的に雨になる難しいコンディション。英国スーパーバイク選手権で3度チャンピオンに輝いている清成は、まだまだ十分ではありませんが、CBR1000RR SP2のポテンシャルを確実に引き出すことに成功しました。
オープニングラップは17番手と出遅れましたが、3周目にマルコ・メランドリ(ヤマハ)を抜いて16番手へ、4周目にはミケーレ・リナルディ(ドゥカティ)をかわし15番手へ。そのままのオーダーで中盤戦に入ると、転倒者などが出て10周目には13番手へ浮上。11周目には12番手へとポジションを上げました。そして後半に入った18周目にはトプラック・ラズガットオーグル(カワサキ)をかわし11番手へとポジションを上げ、そのまま23周を走り切ってチェッカーを受けました。
開幕を前に清成は、「これまでイギリスでたくさんのレースをしてきました。ここに来るとまるでホームレースのような気持ちになります。知り合いも多く、サーキットの天気や気温、レイアウトまで良く知っています」という経験が生きることになりました。
ドライコンディションとなった金曜日のフリー走行では、高速コーナーのグリップ不足とストレートからのブレーキングの安定性に課題を抱えましたが、ウエットコンディションになった土曜日のスーパーポールと決勝レース1では、マシンをうまくコントロールしました。
今大会、イタリア・イモラ大会で左肩を負傷、スペイン・ヘレスとイタリア・ミサノ大会を欠場したチームメートのレオン・キャミアが復帰する予定でしたが、回復が遅れ、次戦アメリカ大会までの欠場が決まり、今大会、清成ひとりでの参戦となっていました。しかし、今季ベストリザルトでフィニッシュして次のレースに期待をつなぎました。
清成龍一(11位)
「今日はポジティブな日でした。マシンのセットアップを進めることができて、インフォメーションをたくさん集めることができました。スタートはあまりよくなかったのですが、そのあとうまく追い上げることができました。スーパーポールセッションではいい経験を積むことができました。ウエットコンディションでしたが、水量の多い箇所もある難しいコンディションでした。そこでセットアップを変えたのですが、レース序盤ではそれに合わせるのに少し時間がかかりました。でも結果的にマシンのフィーリングは周回するごとによくなっていきました。このサーキットは、スーパーバイクのシリーズ戦が行われるほかのサーキットに比べてよく知っているので、信頼できるフィードバックがマシンから得られました。明日のレースも全力で挑みます」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
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1 | 1 | J.レイ | カワサキ | 23 | 38'22.405 |
2 | 66 | T.サイクス | BMW | 23 | +11.348 |
3 | 91 | L.ハスラム | カワサキ | 23 | +23.071 |
4 | 76 | L. BAZ | ヤマハ | 23 | +29.935 |
5 | 22 | A.ローズ | ヤマハ | 23 | +37.641 |
6 | 36 | L. メルカド | カワサキ | 23 | +46.917 |
9 | 52 | アレッサンドロ・デルビアンコ | Honda | 23 | +1'10.752 |
11 | 23 | 清成龍一 | Honda | 23 | +1'15.161 |