Round04北海道大会
IAS 決勝
2018年7月15日(日)
会場:わっさむサーキット
天候:曇りのち雨
気温:22℃
観客:700人
セクション:岩・泥・コンクリートブロック
夏の北海道大会は、前日夜半からの雨に悩まされながらの戦いとなりました。雨が降り続けば土が流れて多少は走りやすくなるものの、今回は降ったり止んだりというあいにくの天候に。雨が止むと土が重たくなって滑りやすさが増すため、ライダーにとっては最悪のコンディションとなりました。
現在ポイントランキング2位につける小川友幸(Honda)は、今大会では野崎史高(ヤマハ)と熱戦を繰り広げました。前回の九州大会で勝利し、チャンピオン争いに食い込んできた野崎は、小川とわずか2ポイント差で3位。ここまでランキングトップだった黒山健一(ヤマハ)は、同日に開催されているトライアルGPに参戦しているため、今回の北海道大会には不参加でした。
例年、この北海道大会を得意としている小川は、今回もセクションのほとんどをクリーンで通過していきました。当日は大雨の天気予報が出ていたため、セクションは全体的に易しめ。雨は降ったものの、意外にもコンディションがそこまで悪くなかったため、スコアカードにクリーンが並ぶこととなりました。野崎もまた大量のクリーンを叩き出し、小川に迫ります。小川は第7セクションまでをオールクリーン、対して野崎は1点のみ失点と、この時点で今大会はこの2人の一騎打ちとなることが予想されました。2人に次ぐ3位は柴田暁(ヴェルティゴ)で6点、4位の小川毅士(ベータ)は12点と、やや離され気味となりました。
大きく動きが出たのが第8セクション。ぐずぐずの登りから大岩に乗るセクションで、野崎が5点を失点します。小川は足を出しながらも、スムーズに岩に乗って3点。これで小川がトータル3点、野崎が6点と、3点差が生じました。3位の柴田はここで5点を取り、上位とはさらに5点差が開く結果に。
ところがその後の第9セクション、第10セクションと、小川は連続して5点を失ってしまいます。第9では最後のポイントの岩に乗りながらも、そこから滑り落ちて5点、最終の第10セクションは、小川が得意とする真直角のコンクリートブロックでしたが、うまく登れずに5点でした。ここを野崎はどちらも2点で通過し、一気に6点を縮められてしまいます。結果、1ラップ目のトップは10点で野崎に。小川は13点で2番手からこれを追うことになりました。
2ラップ目、小川は追う立場としてとにかくクリーンでの通過を続け、その上で野崎のミスを待つという、我慢の戦いを強いられることになりました。雨が降ったり止んだりするため、コンディションは刻々と変化。しかし、コンディションの良化を待っている余裕はありません。ライダーの持ち時間は限られているからです。
1ラップ目同様、第7セクションまでをクリーンで終える小川。対して野崎は第2セクションで5点、第5セクションで1点など、徐々にミスが出てきました。これでトップは入れ替わり、小川が3点リードで後半戦に突入します。
1ラップ目には小川のみが抜けられた第8セクションですが、今度は小川も5点。しかし野崎もまた5点を取り、ここでは勝負がつかず。続く第9セクションでは、小川がクリーンに対して野崎は1点。最終の第10セクションでは、またしても小川が5点。しかし野崎も3点を取り、両者2点差で10セクション2ラップの戦いの幕が下ろされました。勝敗の行方は、2セクションで争われるスペシャルセクション(SS)で決することとなりました。
SSは一見して難易度が高めのセクションとなっており、第1セクションは滑りやすい斜面からそそり立つ岩に飛びつく設定で、第2セクションは第10セクションを手直しして設定されています。セクション後半に、ホイールベースより広い幅のコンクリートブロックが配されていて、ここをどう走破するのかが悩みどころとなります。
上位10名が走ったSSの第1セクションでは、最初に走ったライダーは5点続き。しかし氏川政哉(ガスガス)、平田貴裕(スコルパ)が抜け出るなど、走破できる兆しも見えていました。最初にこの期待に応えたのが小川毅士で、第1をきれいにクリーンで抜け、続く柴田もクリーンで通過していきます。ところが、続く野崎は登りきったところでテープを切ってしまい、5点となります。そして最後にトライした小川が、ここを華麗にクリーン。これで小川と野崎の点差は7点となり、この時点で小川の勝利が確定しました。
第2セクションは、野崎と小川のみがクリーン。コンクリートブロックの刃渡りも両者華麗にクリアして、今回のトップ争いを演じた2人らしい締めくくりを見せました。表彰式が行なわれるころには日も差してきており、この日初めて見る太陽の光は、激しいトップ争いを演じた2人を祝福するかのように明るく照らしていました。
ポイントランキングでは、小川が今回の勝利により72点でトップに浮上。2位の野崎には5点差をつけています。ランキング3位は、今回欠場の黒山で54点となりました。
小川友幸(優勝)
「ぎりぎりの勝利でした。途中、野崎選手を追う展開となり、ミスを待つ我慢の戦いになったときは厳しかったです。これでランキングトップには出ましたが、自分自身、得意パターンで失敗するなど、まだ調整が完ぺきでないところがありますので、次までのインターバルの間に、できることをしっかり調整して、次回はより納得のいく戦いができるようにがんばりたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | ![]() |
0 | 23 | 17 |
2 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 30 | 12 |
3 | 5 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 0 | 45 | 9 |
4 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 0 | 48 | 8 |
5 | 15 | 氏川政哉 | ガスガス | 0 | 66 | 4 |
6 | 7 | 斎藤晶夫 | ![]() |
0 | 74 | 3 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | ![]() | 72 |
2 | 野崎史高 | ヤマハ | 67 |
3 | 黒山健一 | ヤマハ | 54 |
4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 52 |
5 | 小川毅士 | ベータ | 48 |
6 | 斎藤晶夫 | ![]() | 33 |
14 | 砂田真彦 | ![]() | 9 |