Round02近畿大会
IAS 決勝
2018年4月15日(日)
湯浅トライアルパーク
天候:曇りときどき晴れ
気温:15℃
観客:1150人
セクション:岩・泥・沢
小川友幸(Honda)にとっては、前人未到の全日本選手権6連覇を目指す挑戦の年となる2018年シーズン。開幕戦では2位に甘んじて迎えたシーズン第2戦は、湯浅トライアルパークで行われました。
開幕戦のあと、ライバルの黒山健一(ヤマハ)が世界選手権参戦のため、第4戦北海道大会を欠場することが発表されたため、小川の6連覇はほぼ確実視されています。しかし小川からすれば、黒山不在だから勝ち得た6連覇にはしたくありません。そのため、この一戦では是非とも勝利が欲しいところでした。
しかしそんな気合が空回りしたのか、小川は第1セクション、第2セクションと続けて5点の失点を喫してしまいます。黒山は両セクションをクリーン、黒山のチームメートの野崎史高(ヤマハ)はクリーンと1点でセッションを終えたため、序盤にして10点のビハインドを負ってしまいました。2連続での5点は開幕戦と同様で、この時点で今回もかなり厳しい戦いとなることが予想されました。
第3セクションは国際B級専用セクションなので出走せず、第4セクションではクリーン。ここでペースを取り戻すかに思えたのですが、同セクションでは上位陣のほとんどがクリーン。続く第5、第6セクションでは3点となり、なかなかいいペースができ上がりません。この時点のトップは野崎で、1点が2つだけの2点。黒山が10点、柴田暁(ヴェルティゴ)が13点、小川毅士(ベータ)が14点に対し、小川は16点で5位につけていました。
第7セクションまでは水の流れる沢のセクション。第8セクション以降は、山の斜面の岩肌や大岩のあるセクションで行われました。小川は第9セクションこそクリーンで終えますが、いくつかの箇所で減点し、1ラップ目の総減点は28点。それでも3位にはつけましたが、トップは野崎と黒山が同点で19点と、ライバルとの点差は小さくありません。
2ラップ目を迎えるころには、雨がすっかり上がり、晴れ間も見えてきました。ここで小川が本領を発揮し始めます。1ラップ目に5点となった第1、第2セクションをクリーンで通過すると、続く難セクションでも快走を披露。前日に下見をした時点では「雨が降っても1ラップ一桁台で回りたい」と考えていたという小川にとって、1ラップ目は大きな誤算でしたが、逆に2ラップ目では当初の予想を上回る好リザルトを獲得しました。最終の第11セクションで1回の足つきをしたものの、結局2ラップ目の減点はこの1点のみ。1ラップ目に28点の減点をしながら2ラップ目には1点で抑え、合計29点。黒山と1点差でトップスコアを叩き出しました。
残るは、岩盤登りと大岩に設定されたスペシャルセクション(SS)の2つで勝負が決まります。前半に好調なペースを披露していた野崎でしたが、2ラップ目は後半に5点を連発して小川とは10点差がつき、すでに勝負が決まっていました。トップの座を脅かすのは、いまや黒山一人。
SSはさすがに難セクションで、10位以内の選手が次々にトライしますが、クリーンで通過するライダーはなかなか現れませんでした。ここを最初にノーミスで通過したのが野崎で、続いて黒山もクリーン。この時点で、小川は最低でも1点以内でSSを通過しないと黒山に逆転される可能性が出てきました。2ラップ目に調子を取り戻していた小川は、SSの第1セクションを落ち着いてクリーンで通過すると、続くSS第2も、見事な走りでクリーンでまとめてみせます。こうして、わずか1点差ながら、開幕戦での借りを返した小川が今シーズン1勝目を手にしました。
小川友幸(優勝)
「1ラップ目に、今日はつらい戦いになると覚悟しました。表彰台も難しいかもしれないと真剣に思いました。しかしライバルの後半での崩れもあり、また自分の走りも2ラップ目にはだいぶよくなったと思います。まだ足首の具合は完ぺきではなく、自分のベストの姿勢が作れていないところもあるのですが、まず1つ勝ててよかったです。昨年は開幕2戦を失ってからの巻き返しとなりましたから、昨年よりはいいシーズンということになるのでしょうか。しかし本人としてはまだ納得がいく戦い方ができていないので、もう少しコンディションを整えて、次の九州に臨みたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小川友幸 | ![]() |
0 | 29 | 13 |
2 | 2 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 30 | 12 |
3 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 39 | 9 |
4 | 5 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 0 | 69 | 5 |
5 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 0 | 82 | 1 |
6 | 7 | 斉藤晶夫 | ![]() |
0 | 90 | 1 |
10 | 12 | 砂田真彦 | ![]() |
0 | 102 | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小川友幸 | ![]() | 37 |
2 | 黒山健一 | ヤマハ | 37 |
3 | 野崎史高 | ヤマハ | 30 |
4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 24 |
5 | 小川毅士 | ベータ | 24 |
6 | 野本佳章 | ベータ | 19 |
7 | 斎藤晶夫 | ![]() | 17 |
12 | 砂田真彦 | ![]() | 8 |