ROUND 03
スポーツランドSUGO 宮城県 2017.05.14(日)・JSB1000 決勝
全日本ロードレース選手権の第3戦が、宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。JSB1000、J-GP3、ST600はシーズン2戦目、J-GP2は同3戦目で、全クラス開催は今季初のことでした。
JSB1000クラスは、MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaの高橋巧が2連勝を狙いました。また、鈴鹿2&4に続き、ここでも鈴鹿8時間耐久(鈴鹿8耐)へ参戦する権利を獲得するためのトライアウトが行われました。これには、鈴鹿8耐で歴代2位の4勝を挙げている伊藤真一(TEAM SuP Dream Honda)と清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)も参加。今回、8チームがトライアウトを申請したため、上位2台が権利を得るという狭き門に。MORIWAKI MOTUL RACINGは、前戦に引き続き、今回も清成と高橋裕紀のペアで参戦しました。
予選日は雨。肌寒い天候の中、予選が行われたのはJ-GP3のみとなりました。霧が濃くなったことで、ほかのクラスの予選は視界不良で中止となりました。そのため、決勝日のウォームアップ走行を予選へと組み替えることになりました。JSB1000のレースディスタンスは120マイルのままでしたが、ほかのクラスは、2ラップ減算の18ラップに変更されました。そして、土曜日の予選がキャンセルとなった代わりに、ライダーたちは応援に訪れたファンとの交流のためにサインや記念撮影を行いました。
日曜日、JSB1000の予選も雨となりました。転倒車がコース上に残されたことから2度も赤旗が提示されるなど荒れた展開となる中、ポールポジション(PP)を獲得したのは高橋巧。2014年のもてぎ大会以来、3度目のPP獲得となりました。山口辰也(Honda Dream Racing)は6番手、秋吉耕佑(au&Teluru・Kohara RT)は10番手。高橋裕紀/清成組は11番手、伊藤真一は13番手からのスタートとなりました。
こうして、120マイル52周の長く過酷な戦いが始まりました。高橋はホールショットを奪うと、オープニングラップから2番手の中須賀克行(ヤマハ)に3秒235とリードを広げる驚異的な速さを示します。2番手争いは中須賀、津田拓也(スズキ)、加賀山就臣(スズキ)、野左根航汰(ヤマハ)と続きました。2ラップ目には、加賀山が1コーナーで3番手に浮上しますが、そのまま転倒リタイアとなりました。
そんな中、高橋巧はタイムを1分37秒台に入れます。2番手につける中須賀は1分39秒台でその差は歴然。高橋巧はその差をどんどん広げていきます。8ラップ目、追い上げを図っていた山口がSPインで白線に乗り痛恨の転倒。さらに9ラップ目、清成が馬の背コーナーで転倒してしまいます。清成はコースに復帰しますが、ポジションを大きく落とすことになりました。さらに11ラップ目には、昨年のチャンピオンである中須賀が転倒リタイアとなりました。
そんな中でもトップの高橋巧は、変わらず快調なペースで周回。15ラップ目には、高橋巧は2番手の野左根に約23秒もの差を築きます。その後、セーフティカーが導入されたことで、その差は約11秒まで詰まりますが、高橋巧はペースを緩めることなく、野左根との差を再び広げていきました。25ラップ目には、その差が約22秒に。高橋巧の独走は変わらず、27ラップ目には給油のみのピットインを行うも、7秒のピットストップでトップのままコースへ復帰しました。ピットが落ち着き、高橋、野左根、濱原颯道(スズキ)、渡辺一馬(カワサキ)、浦本修充(スズキ)、藤田拓哉(ヤマハ)が続きました。高橋はトップを独走で52ラップを走りきり、2連勝のチェッカーを受けました。2位に入った野左根に、1分9秒843もの差をつける堂々の勝利でした。
伊藤は7位でフィニッシュ。トライアウトにおいては1位となり、鈴鹿8耐への参戦権を得ました。トラブルを抱えながらも健闘した秋吉は8位でチェッカー。高橋裕紀/清成組は走りきりますが、完走扱いとはなりませんでした。
高橋巧(JSB1000 優勝)
「新型マシンになってから、初めてのウエットレースでしたが、予選からすんなりタイムが出て、運よくポールポジションを取ることができました。今回はドライでも自信があり、晴れてほしいと思っていましたが、雨でも序盤からトップになれました。トップに立ってからは、自分との勝負だと思いながら走りました。今回は路面コンディションにマシンもタイヤもうまく合っていたことが、優勝につながったと思います。SUGOでは優勝したことがなかったので、これで、全コースで勝つことができたこともうれしく思います。次戦のもてぎでも、連勝を更新できるように力を尽くします」
伊藤真一(JSB1000 7位)
「鈴鹿8時間耐久のためにできたチームなので、その参戦権を得ることが目標でした。鈴鹿2&4では得られなかったので、プレッシャーを感じていました。ただ今回はセミ耐久で、耐久レースは得意なので、コンスタントに走りきることができました。目標の権利を獲得できてホッとしています。それも、地元のSUGOでというのもよかったです。当初は予定していなかった参戦だったこともあり、多くの人が手伝いに来てくれました。感謝しています。ありがとうございました」
秋吉耕佑(JSB1000 8位)
「木曜日の走り始めから調子は悪くなかったのですが、トラブルがあり、その対策をしたいと、いろいろと試行錯誤していたのですが、解決できないままに決勝を迎えることになりました。なんとか走りきろうと奮闘してチェッカーを受けたという感じです。52ラップを、緊張感を持って集中して走りました。なんとか次戦までには解決して、納得できるレースがしたいです」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 634 | 高橋巧 | 52 | 1'27'02.582 | |
2 | 5 | 野左根航汰 | ヤマハ | 52 | +1'09.843 |
3 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 52 | +1'22.979 |
4 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 52 | +1'24.480 |
5 | 94 | 浦本修充 | スズキ | 52 | +1'25.394 |
6 | 9 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 51 | +1 Lap |
7 | 79 | 伊藤真一 | 51 | +1 Lap | |
8 | 090 | 秋吉耕佑 | 51 | +1 Lap | |
9 | 18 | 近藤湧也 | ヤマハ | 51 | +1 Lap |
10 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 51 | +1 Lap |
13 | 25 | 日浦大治朗 | 50 | +2 Laps | |
15 | 080 | 渥美心 | 49 | +3 Laps | |
17 | 42 | 中村知雅 | 49 | +3 Laps | |
21 | 77 | 栗林剛 | 48 | +4 Laps | |
24 | 52 | 野寄真二/清水郁巳 | 42 | +10 Laps | |
72 | 高橋裕紀/清成龍一 | 37 | +15 Laps | ||
111 | 倉山寿生 | 34 | +18 Laps | ||
51 | 鹿内新平 | 26 | +26 Laps | ||
81 | 山中正之 | 17 | +35 Laps | ||
104 | 山口辰也 | 7 | +45 Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 634 | 高橋巧 | 70 | ||
2 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 56 | |
3 | 9 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 55 | |
4 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 53 | |
5 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 53 | |
6 | 090 | 秋吉耕佑 | 47 | ||
7 | 39 | 酒井大作 | BMW | 43 | |
8 | 18 | 近藤湧也 | ヤマハ | 41 | |
9 | 85 | 中冨伸一 | ヤマハ | 37 | |
10 | 080 | 渥美心 | 36 | ||
11 | 57 | 日浦大治朗 | 33 | ||
16 | 104 | 山口辰也 | 28 | ||
18 | 79 | 伊藤真一 | 24 | ||
22 | 13 | 関口太郎 | 17 | ||
23 | 57 | 安田毅史 | 15 | ||
24 | 42 | 中村知雅 | 14 |