HONDA The Power of Dreams

第4戦フランスGPのフリー走行は、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われた。午前中の1回目の走行は、気温が14℃と低かったが、午後2回目の走行は24℃まで上昇。路面温度が大きく変化する中で、ケーシー・ストーナー(Repsol Honda Team)がトップタイムをマークし、好調なスタートを切った。3番手にダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が入り、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Repsol Honda Team)は6番手だった。

両セッションを制し、初日トップタイムをマークしたストーナーは終日、快調にラップを刻んだ。前戦ポルトガルGPではフリー、予選とセッティングに苦しんだ。そのため決勝では3位だったが、今大会は走り出しからライバルを圧倒。2戦ぶり今季3回目のポールポジション(PP)と今季2勝目に向けて大きく前進した。

この日のストーナーは鋭いブレーキングと軽快なコーナリング、そしてコーナーの出口ではRC212Vのエンジンパフォーマンスを存分に発揮した。ハイペースで、それでいて危なげない走り。開幕戦カタールGP以来の2勝目を強烈にアピールする走りだった。

ペドロサは、前戦ポルトガルGPで今季初優勝を達成し、左肩も着実に回復している。今大会では、125cc、250cc時代に続き、3クラス制覇にチャレンジする。午前中の走行では、徐々にペースを上げてストーナーに肉薄した。午後の走行ではさらにタイムを短縮する意気込みだったが、タイムを更新できず3番手だった。しかし、僅差。2戦連続優勝に気合を入れている。

この日は1回目の走行でストーナー、ペドロサ、ドヴィツィオーゾの順でRepsol Honda Teamがトップ3を独占。2回目の走行でも、ストーナー、ペドロサがトップ3に入った。

ケーシー・ストーナー(MotoGP 1番手)
「今日はグリップがよくて、以前よりいい感触になっているのでとてもうれしかった。サーキットがポルトガルと結構似ているので、ポルトガルの時からそれほど手を加えないで今朝は走った。すぐにいい感触を感じた。その後、少し調整をした。今日はほかの部分に影響を与えずにリアのトラクションをよくすることをいくつか試した。天気は最高だった。このままの天気が続いてほしい。今日の結果に満足している。明日の午前中の走行では、予選に向けてベストな状態を作りたい。すべてのセッションにおいて、マシンをよくするため何かを調整している。ほかのライダーがソフトタイヤでとてもいいタイムを出しているので、PPを獲得できるかどうかはわからない。明日はほかのライダーも速くなるだろう。今のセッティングをキープ、明日はもう少し調整してトップをキープしたい」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3番手)
「午前中は寒いコンディションで、いいグリップを見つけるのが難しかった。そして午後はグリップがよくなったけれど、期待していたほどタイムはよくならなかった。でもいくつかアイデアがあるので、明日は前進したいと思っている。午後はコーナー入り口と出口でマシンがかなり動いていたので、フロントとリアのサスペンションを調整していい感触にしたい。今日はいい仕事ができたので、この勢いを維持してがんばりたい。マシンはとてもいい。明日も集中して全力を尽くしたい」

アンドレア・ドヴィツィオーゾ(MotoGP 6番手)
「午前中はいいスタートが切れた。そして午後もマシンのセットアップの仕事を続けた。もう1台のマシンでは、ブレーキング時の安定性をよくするために違うセッティングを試した。でも期待していたような結果にはならなかった。明日はセットアップと電子制御の調整を続けたい。前進できる自信があるので、あまり心配していない。このサーキットでは、これまで常にいい結果を残してきた。マシンの感触もいい。ただ、ケーシーとの0.9秒の差はあまりうれしくない。彼はとても速い。彼以外のライダーとは差がそれほどないので、明日はレースペースをよくしたい」

中本修平 | HRCチーム代表
「順位だけなら、今日はよかった。しかしレース結果ではなく、あくまでもフリー走行のリザルト。今日の結果を決勝でも残せるように、明日も気持ちを引き締めていきたい。レース後のテストを含め、前戦ポルトガルGPのフィードバックはコースレイアウトが違うので、それほどない。しかし、ドヴィツィオーゾには、テストで試した新しいクラッチを入れている。前回はダニが優勝してケーシーが3位だった。今回の目標も優勝することだが、できることなら、ダニ、ケーシーの順でも、ケーシー、ダニの順でもいいので、1-2を狙いたい。今回は2人ともまずまずのスタートを切った。ドヴィツィオーゾもシモンチェリも、この2人といい戦いをしてくれることを期待している」