CIVIC WORLD

開発メカ裏話

開発メカ裏話〈初代〉

開発者の意地が生んだグローバルカー。

新たな“走りの喜び”を目指して生まれたシビック、その開発裏話をご紹介。

当時の開発者のクルマづくりにかけた想いと、細部に至るこだわりを探る。

1972年、ここからシビックの輝かしい50年の歴史がスタートした。

Hondaらしい、

走りの楽しさを搭載して。

1970年、シビックの開発物語は始まった。目指したのは、どこにもないまったく新しいクルマ、Hondaらしい走りの楽しさを実感できるクルマだった。

当時の開発者は上司から「エンジンからマフラーまでの排気系一式を、この予算内でやれ」と言われた。それは到底不可能な数字であったが、開発者には意地があった。「無茶苦茶だと思ったが、やってやろうじゃないかの精神でやり遂げた」。

現在でも多くの小型車に採用されている、エンジンとトランスミッションを横一列に配置するFFレイアウトのジアコーサ方式を採用し理想の走りを目指した。排気量は1169cc、カウンターシャフト無しの軽量ミッション、タイミングベルト式のカムシャフト、センター方式のシンプルで慣性主軸タイプのマニュアルトランスミッション。「サスペンションは4輪独立懸架で、ステアリングもラックアンドピニオン。これならばキビキビと走れる仕様になると思った」(開発者)。

エクステリアはトランクスペースを大胆に削った、日本ではまだ珍しい台形型デザインができ上がった。トレーインパネ、センターメーターパネル、タコメーター、フューエルメーター、水温系などを独立方式でレイアウト。タイプは、2ドアと3ドアハッチバックが用意された。

1972年、初代シビック誕生。Honda独自のデザインと乗りやすさから、日本だけでなくアメリカでも一躍注目される存在となった。アメリカ仕様車にはいち早くCVCCエンジンが搭載され、無鉛にも有鉛にも対応できるバルブシートとなり、燃費の良さも評価された。初代シビック開発者たちの熱い想いは、日本だけでなく世界中のドライバーたちにしっかりと届けられた。

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