3度目の3冠達成とランキング・ワンツースリー独占 最終戦に待ち構えていた2つの衝撃 |
早くも第3銭でCART初優勝を遂げてから3連勝を達成したモントーヤ トータル7勝を挙げるなど、その活躍も十分に衝撃的だった |
| 「この年はそれまでで最高の14勝を挙げて、成績的には光るものがありましたね。2年連続の3冠と、ランキングもワンツースリーだったですから。でも、最後はほんとうに色々なことがあった。うれしさと悲しさが入り混じったような、そんな年でした」と、朝香は少し複雑な表情で1999年を振り返る。ホンダにとって参戦6年目となるこのシーズン。すべてはその朝香のひとことに集約されると言っていいほど、最後に思いがけない展開がホンダを待っていた。 インディライツからステップアップした服部尚貴を含む、7台体制となった1999年。その開幕戦で服部はオープニングラップに痛恨のクラッシュを喫し、休戦を余儀なくされるという厳しい状況でシーズンが始まった。迎えた第2戦は2度目となる日本ラウンド。今度こそ勝利をと誓って臨んだレースだったが、ジル・ド・フェランがポールポジションを獲得するも、優勝まであと一歩の2位に終わってしまう。 しかしながらそのあとのレースでは、1998年同様、またもホンダは破竹の勢いでシリーズを席巻していくことになる。ともに3年連続チャンピオンに輝いたチップ・ガナッシ・レーシングには、F1へカムバックしたアレックス・ザナルディの代わりにファン・モントーヤがやってきた。このコロンビア出身の国際F3000チャンピオンは、第3戦のロング・ビーチでCART初優勝を獲得して以来、次のナザレスではオーバルにおける初勝利を遂げ、ブラジルまでいっきに3連勝を記録。その他にもクリーブランド、ミド‐オハイオ、シカゴ、バンクーバーで4勝を挙げるなど、とてもルーキーとは思えないほどの大活躍を果たす。 また、慣れないマシン・パッケージで前年に振るわなかったポール・トレイシーは、ミルウォーキーで1997年以来の勝利を記録し、ヒューストンでも優勝して2勝をマーク。同様に久しく勝利から遠ざかっていたジル・ド・フェランも、1996年以来となる勝ち星をポートランドで挙げる。前年にルーキーオブザイヤーに輝いたトニー・カナーンはミシガンで行われたUS500で念願のCART初優勝を獲得し、ホンダは500マイルレースで通算5勝目を達成した。 |