開幕前のブリーラムテストに集まった今年の参加者たち。オーストラリア、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、タイ、トルコの7カ国のライダーが2017年シーズンは参加している

― イデミツ・アジア・タレント・カップをはじめとしたアジアから世界へつながるレース情報ページ ―

アジア地区のレース熱の高まりと共に

アジアから世界へとつながるライダー育成シリーズが誕生

日本人若手ライダーたちもこの流れに乗り

世界へつながる道筋がはっきりと見えてきた

イデミツ・アジア・タレント・カップを筆頭に最新情報をお届けする

イデミツカラーのホンダNSF250Rでコースインを待つライダーたち。タイヤもダンロップのワンメイク。ヘルメットはアライヘルメット、レーシングスーツなどの装具はアルパインスターズがサポートしている

イデミツカラーのホンダNSF250Rでコースインを待つライダーたち。タイヤもダンロップのワンメイク。ヘルメットはアライヘルメット、レーシングスーツなどの装具はアルパインスターズがサポートしている

2014年にアジア地域のライダー育成を目指してスタートしたアジア・タレント・カップは、今年からイデミツがタイトルスポンサーとなり、イデミツ・アジア・タレント・カップ(IATC)となった。『アジアから世界へ』を目標にスタートした同シリーズだが、初代チャンピオンの鳥羽海渡、2代目チャンピオンの佐々木歩夢が今年から世界GPのMoto3クラスに進出。アジアから世界へとつながる道筋をはっきりと示した。

IATCに参戦できるライダーは13歳から21歳までのアジア人ライダー。2017年に向けて19カ国600名以上が参加申請を行ない、その中から152名が選抜され、昨年の10月にマレーシアのセパンで開催されたセレクションに参加。17名が合格し、2016年からの継続となる5名を加えた計22名が2017年のエントリーリストに名を連ねた。日本人ライダーは16名がセレクションに参加し、鈴木大空翔、平間光司、埜口遥希、斉藤魁、服部真騎士、鈴木光来の6名が合格。2016年からの継続となる國井勇輝と山中琉星を加えた8名が参戦する。

IATCはMotoGPを運営するドルナの主導の下に始まったシリーズで、ホンダNSF250Rを使ったワンメイクレース。元世界GPライダーのアルベルト・プーチがシリーズダイレクターを務めており、ライダー育成では定評のあるプーチの指導の下、世界を目指す。このシリーズで優秀な成績を残したライダーには、次のステップとしてMoto3ジュニア世界選手権へのチャンスも与えられ、鳥羽、佐々木もアジア・タレントチームとして参戦。現在は真崎一輝、小倉藍らがこれに続き、國井勇輝が今年から加わる。

マシンもタイヤもワンメイク。ライダーの腕が勝負となるレース。結果を残せば、次のステップが待っているのがIATCだ。

IATC第1戦 タイチャーン・インターナショナル・サーキット 2017年3月10日-12日

開幕戦はトルコの13歳、デェニス・オンジュがダブルウイン!

開幕戦はタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催。前週には同地で2日間のオフィシャルテストを行ない、ワイルドカードのタイ人ライダー2人を加えた24人がレースに臨んだ。予選ポールを獲得したのは2年目の参戦となる國井勇輝(日本/14歳)。決勝レース1は8人が優勝争いを展開する接戦となり、8番グリッドのデェニス・オンジュ(トルコ/13歳)が初優勝を飾り、2番手からスタートしたアズロイ・アヌア(マレーシア/16歳)がコンマ533秒差の2位、3番手スタートの山中琉星(日本/15歳)が0.601秒差の3位表彰台を獲得。翌日の決勝レース2も8台のトップ集団が接戦を繰り広げ、オンジュがレース1に続いて2連勝を達成。2位に山中が続き、レース1を6位で終えていた埜口遥希(日本/15歳)がIATC初表彰台となる3位を獲得した。

開幕戦はレース1、レース2共に8人前後のトップ集団が接戦のバトルを繰り広げた

開幕戦はレース1、レース2共に8人前後のトップ集団が接戦のバトルを繰り広げた

  • 開幕戦はレース1、レース2共に8人前後のトップ集団が接戦のバトルを繰り広げた

    開幕戦はレース1、レース2共に8人前後のトップ集団が接戦のバトルを繰り広げた

  • 開幕戦のピット風景、同じマシン、同じ機材、同じ装具と全てが統一されており、参加全ライダーが同一条件でレースに臨む

    開幕戦のピット風景、同じマシン、同じ機材、同じ装具と全てが統一されており、参加全ライダーが同一条件でレースに臨む

  • レース1の優勝はデニーズ・オンジュ。2位にアズロイ・アヌーア、3位に山中 琉星が入賞

    レース1の優勝はデェニス・オンジュ。2位にアズロイ・アヌーア、3位に山中 琉星が入賞

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開幕戦 タイ レースリザルト

歴代チャンピオン紹介 The successive CHAMPIONS

2014年 鳥羽 海渡

2014年 鳥羽 海渡

2015年 佐々木 歩夢

2015年 佐々木 歩夢

2016年 ソムキャット・チャントラ

2016年 ソムキャット・チャントラ

これまで3人のチャンピオンを生み出して来たアジア・タレント・カップ(ATC)。初代チャンピオンの鳥羽海渡は翌年の2015年にはMoto3ジュニア世界選手権とレッドブルMotoGPルーキーズカップに参戦。同じく2014年から参戦している佐々木歩夢は、2015年はATCに継続参戦すると共に、ルーキーズカップに参戦し、2年目のATCでチャンピオンを獲得。2016年には鳥羽、佐々木共にMoto3ジュニア世界選手権とルーキーズカップに参戦し、鳥羽はMoto3ジュニア世界選手権で優勝、佐々木はルーキーズカップでタイトルを獲得し、今年から世界GPのMoto3クラスのシートをつかんだ。これが実現できるのはアジア・タレント・カップがMotoGPを運営するドルナの主導で運営されているからだ。世界GP参戦を目標に、GP開催コースで戦われるMoto3ジュニア世界選手権とルーキーズカップで経験を積むプログラムとなっている。また、チャンピオンだけでなく、ATCで優勝するなどの活躍を収め、才能を認められたライダーには同じ道が用意されている。そして、2016年のATCではタイ人のソムキャット・チャントラがチャンピオンを獲得、2017年はMoto3ジュニア世界選手権に参戦する。