ROUND 01

タイタイ チャーン・インターナショナル・サーキット 2017.03.12(日)・IATC 決勝

開幕戦 タイ

デェニス・オンジュがダブルウインを果たす

2017年3月11日(土)~12日(日)  会場:チャーン・インターナショナル・サーキット
天候:11日/39.2ºC、12日/39.8ºC  路面温度:11日/65.5ºC、12日64.5ºC
湿度:11日/31%、12日/32%  風速:11日/北西2.6、12日/東1.4 コンディション:11日/ドライ、12日/ドライ

デェニス・オンジュが開幕戦のレース1で鮮やかな勝利を決める

タイのブリーラムで行われた2017年シーズンの開幕戦レース1で、トルコ人ライダーのデェニス・オンジュが、アジア・タレント・カップにおける初勝利を果たしました。レースはオンジュ、マレーシア人ライダーのアズロイ・アヌア、そして山中琉聖による三つ巴の戦いとなりましたが、わずかな隙をついてオンジュがトップに浮上し、そのままチェッカー。スリル満点の開幕戦となりました。

赤旗が提示され、わずか48秒で中止となった予選では、國井勇輝がポールポジションを獲得。シャイルー・ユスリー・ビン・スハイミはクラッシュにより脚を骨折し、レースを欠場せざるを得なくなってしまいます。

気温が30℃後半、そして65℃という路面温度の中で行われたレースは、ベテランライダーの山中がまずホールショットを奪うも、その後すぐに國井がトップを奪い返します。そこに埜口遥希も加わり、日本人ライダーがトップグループを形成。そのすぐ後方には、アヌアと地元のヒーロー、クリッチャポーン・ケウォサンティがつけました。

トルコ人ライダーのデェニス・オンジュはトップを走る日本人グループとの差を縮めることに成功し、団子状態になった後方グループを引き離し始めます。レースはラップを重ねていくにつれ、ベテランライダーたちが戦術とポジショニングを駆使し始めます。

レースの序盤ではワイドに走っていたにもかかわらず、最初にチェッカーを受けたのはオンジュでした。最終ラップでは一気にペースを上げ、後方に0.5秒以上もの差をつけてチェッカーを受けました。アヌアは、フリー走行、そして予選を通して徐々に調子を上げ、開幕戦を2位で終えました。山中はアヌアのすぐ後ろにピタリとつけて猛追するも、最終的に3位でした。

今回のタイ戦は、スーパーバイク世界選手権のサポートレースとして開催されたこともあり、レースの終了後にはWSSライダーのズルファミ・カイルディンや、WSBチャンピオンであるジョナサン・レイがオンジュの勝利やアヌアの2位表彰台獲得を祝う姿も見られました。

今回はトップ5にそれぞれ国籍の異なるライダーがランクイン。ケウォサンティは、決勝のシミュレーション中にクラッシュを喫してしまったものの、母国タイで4位となったことに喜びを表しました。インドネシア人ライダーのゲリー・サリムは、ケウォサンティと0.021秒差でチェッカーを受け、5位でした。

6位から8位まではそれぞれ埜口、カン・オンジュ、序盤にレースをリードした國井がランクイン。イルファン・アルディアンシャーは少し遅れて単独走行し、9位になりました。鈴木大空翔はラッキー・ヘンドリアンシャーとの戦いを制して10位に。ヘンドリアンシャーはわずかな差で11位でゴールしました。

12位から15位には服部、パサーウィト・ティチバーク、ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャー、そしてムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンが入りました。平間光司と鈴木光来は失格となりました。

明日の午後1時に開始される予定のレース2では、デェニスが今季初のダブルウインを狙います。


デェニス・オンジュが開幕戦でダブルウインを達成し、50ポイントを獲得

レース1で鮮やかな勝利を収めたデェニス・オンジュが、2レース目でまたも勝利。日本人ライダーの山中が2位、埜口が3位表彰台を獲得しました。

リバースグリッドが適用されたレース2では、日本人ライダーの山中がまずホールショットを奪います。オンジュが集団のトップに立つべくプッシュを続ける中、アヌアはペナルティーにより、トップ争いから外れることを与儀なくされます。レース1で表彰台を獲得したアヌアはトラブルにより、ピットへと一時戻ることを余儀なくされました。

レース中盤ではラッキー・ヘンドリアンシャーがレースをリードしますが、残り10ラップになると山中、國井勇輝、埜口遥希の3人がトップ集団を形成。そこにデェニス・オンジュとカン・オンジュも加わり、ポジションが頻繁に入れ替わる混戦となりました。そして数ラップ後にはオンジュ兄弟がトップに立ち、そのままファイナルラップを迎えます。

デェニスはレース1の走りを再現したかのような好走をみせ、後方に対して大量のマージンを稼ぎます。ファイナルコーナーで猛追されるも、それを冷静にかわしきって今週末2度目の勝利。日本人ライダーの山中と埜口は2位、3位表彰台という結果となりました

カンはあと少しのところで表彰台を逃すも4位に。國井は5位、インドネシア人ライダーのサリムは6位となりました。平間光司はトップグループで一番最後にチェッカーを受け、7位で終えました。

インドネシア人ライダーのアルディアンシャーとヘンドリアンシャーはそれぞれ8位と9位に。母国で2回目のトップ10フィニッシュを狙ったケウォサンティは、レース1からはわずかにポジションを下げたものの、10位フィニッシュを果たしました。

フィルマンシャーが11位、鈴木光来が12位、鈴木大空翔が13位、リード・テレンス・バッティが14位、ティチバークが15位となりました。

ビン・モハマド・ハムダンは残り9周の3コーナーでクラッシュを喫し、服部真騎士とアヌアもその影響でリタイアとなりました。

アジア・タレント・カップの次戦は、ロサイル・インターナショナル・サーキットでMotoGPのサポートレースとして開催されます。2017年シーズンで見事なスタートを切ったデェニス・オンジュは、現在ランキングトップ。次戦でも好走をみせてくれることを期待しましょう。

コメント

アルベルト・プーチ タレント・プロモーション監督
レース1後のコメント
「今回はエンターテインメント性の高いレースでした。クラッシュがそこまで多くなかったのは幸いでした。ほとんど同じレベルのマシンが争い、絶えずオーバーテイクがあるレースは、ライダーの才能が浮き彫りになります。誰がポテンシャルを秘めていて、誰がそうでないかが分かるのです。デェニスは今回だけでなく、昨年から常にその可能性を示してきました。今年はこれまでと少し異なる走り方で、今回すばらしいレースをしてくれました。非常に素晴らしかったです」

レース2後のコメント
「おもしろいバトルがあり、非常にいいレースでした。トップ集団の中では高速バトルがあり、クラッシュはそれほど起こりませんでした。今日はすべてが我々の計画通りだったとは言えませんが、それでも重要な局面ではしっかりと状況をコントロールできました。オーバーテイクの多い、すばらしいレースでした。デェニスは素晴らしかったです。同じライダーが2レースを勝つというのはレアな事ですからね。デェニスの勝ちたいという気持ちと、全力で臨んだ結果だと思います。カタールでどんなレースが見られるのか、楽しみですね」

リザルト

レース1

順位 No. ライダー タイム/差
17デェニス・オンジュトルコ28'51.579
220アズロイ・アヌアマレーシア+0.533
312山中琉聖日本+0.601
415クリッチャポーン・ケウォサンティタイ+0.705
54ゲリー・サリムインドネシア+0.726
69埜口遥希日本+0.770
73カン・オンジュトルコ+1.095
85國井勇輝日本+1.276
96イルファン・アルディアンシャーインドネシア+6.047
102鈴木大空翔日本+11.540
1113ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+11.722
1217服部真騎士日本+35.447
1325パサーウィト・ティチバークタイ+35.696
1424ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア+45.406
1511ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンマレーシア+45.552
1610斉藤魁日本+45.797
1716リード・テレンス・バッティオーストラリア+45.888
1823ココ・タダチフィリピン+45.944
1922リフサ・フィルダウス・ハキムインドネシア+1'04.189
2014ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア+1'04.621

レース2

順位 No. ライダー タイム/差
17デェニス・オンジュトルコ28'54.076
212山中琉聖日本+0.207
39埜口遥希日本+0.338
43カン・オンジュトルコ+0.437
55國井勇輝日本+0.483
64ゲリー・サリムインドネシア+0.637
78平間光司日本+0.696
86イルファン・アルディアンシャーインドネシア+1.376
913ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア+4.311
1015クリッチャポーン・ケウォサンティタイ+6.232
1124ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア+9.848
1218鈴木光来日本+9.874
132鈴木大空翔日本+9.959
1416リード・テレンス・バッティオーストラリア+23.157
1525パサーウィト・ティチバークタイ+28.578
1610斉藤魁日本+28.721
1723ココ・タダチフィリピン+45.977
1822リフサ・フィルダウス・ハキムインドネシア+46.358
1914ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア+59.526

ポイントランキング

順位 No. ライダー 総合ポイント
17デェニス・オンジュトルコ50
212山中琉聖日本36
49埜口遥希日本26
53カン・オンジュトルコ22
74ゲリー・サリムインドネシア21
620アズロイ・アヌアマレーシア20
35國井勇輝日本19
1015クリッチャポーン・ケウォサンティタイ19
86イルファン・アルディアンシャーインドネシア15
913ラッキー・ヘンドリアンシャーインドネシア12
118平間光司日本9
132鈴木大空翔日本9
1224ムハッマド・エルフィン・フィルマンシャーインドネシア7
1418鈴木光来日本4
1617服部真騎士日本4
1725パサーウィト・ティチバークタイ4
1516リード・テレンス・バッティオーストラリア2
2011ムハッマド・ハジック・ビン・モハマド・ハムダンマレーシア1
1822リフサ・フィルダウス・ハキムインドネシア0
1910斉藤魁日本0
2114ビマ・フェブリダ・アルフィンインドネシア0
2223ココ・タダチフィリピン0

ランキング詳細


フォトギャラリー

デェニス・オンジュ

デェニス・オンジュ(#7)

デェニス・オンジュ(正面)

山中琉聖

山中琉聖

山中琉聖

埜口遥希

埜口遥希

アズロイ・アヌア(#20)

アズロイ・アヌア

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