アジアプロダクション250cc(AP250)は、最終戦を前に、ゲリー・サリム(Astra Honda Racing Team)が186点でランキングトップ。2位のアヌパ・サルムーン(ヤマハ)に38点もの差をつけており、レース1でのタイトル決定の可能性が濃厚でした。ポールポジションはサルムーンが獲得し、2番手に女性ライダーのムクラダ・サラプーチ(A.P.Honda Racing Thailand)、サリムは3番手となりました。小山知良(RAMA Honda)は6番手、初代チャンピオンの山本剛大(Supra Studio Honda Ikazuchi Racing Team)は、アクシデントに巻き込まれて21番手からのスタート。また、今年の全日本ロードレース選手権のJP250クラスでタイトルを獲得した、藤井謙汰がRAMA Hondaからスポット参戦し、20番手につけました。
決勝日の朝のウォームアップランでは、山本が走行中に転倒。ライダーにケガはありませんでしたが、マシンが大破し、修復が間に合わずにレース1をキャンセルすることになりました。
レース1はサルムーンがホールショット。それを小山が2番手に浮上して追い、サラプーチが3番手で続きました。序盤からサルムーンと小山の一騎打ちとなり、3番手にはレーザー・ダニカ・アーレンズ(Astra Honda Racing Team)が浮上。サラプーチは8台に膨れ上がった4番手争いの集団を引っ張り、バトルを繰り広げました。
終盤、小山が前に出て逃げにかかりますが、アーレンズにパスされ、小山、サルムーンのオーダー。最終ラップの攻防で、一時はサルムーンが前に出ますが、アーレンズがトップを奪還して優勝のチェッカーを受けました。2位にサルムーン、3位に小山。サリムは4位でチェッカーを受けますが、ポイントをしっかり積み上げたことで、AP250クラスのチャンピオンを確定させました。また、藤井は23位でフィニッシュしました。
レース2、オープニングラップを小山が制し、その後は2番手のサルムーンと一騎打ちのトップ争いを展開します。その後方で、激しいバトルを展開するセカンド集団は16台の大集団となり、目まぐるしくポジションを入れ替えました。
レース中盤、3番手にはヴォラポン・マラフアン(A.P.Honda Racing Thailand)が浮上。トップ争いは小山とサルムーンによるバトルが継続。終盤にはセカンド集団からサラプーチとサリムが抜け出し、3番手争いを繰り広げました。
先頭は最終ラップの攻防が展開し、最終コーナーでサルムーンが小山のインに飛び込みますが、クロスラインに。スリップから抜け出た小山がシーズン最後のレースでウイナーとなりました。2位にはサルムーン、3位争いはサリムが制しました。山本は14位、藤井は22位でチェッカーを受けました。
こうして、シリーズチャンピオンはサリムが獲得。ランキング2位に小山、山本はランキング5位でシーズンを終えました。
ゲリー・サリム(アジアプロダクション250cc 4位/3位/チャンピオン)
「レース1はチャンピオンを決めることに専念しました。今年の前半戦は、勝ち続けることができて調子がよかったのですが、後半に入ってからは苦戦することが多く、早い段階でタイトルを決めたかったのですが、最終戦までもつれ込んでしまいました。それでも、チャンピオンになれたことはうれしく、幸せです。レース2は、タイトルのプレッシャーがない状態で挑みました。優勝で終わることはできなかったですが、3番手争いのバトルに競り勝ち、表彰台でタイトルの報告ができてよかったです」
小山知良(アジアプロダクション250cc 3位/優勝)
「レース1は3位に終わったので、レース2への対策を考えて挑みました。レース1でやられたことをやり返そうと思っていました。最終コーナーは2番手で入らなければならなかったので、前に出てもらう必要がありました。その作戦通りに最終ラップに入って、最終コーナー立ち上がりでのクロスライン。そして前に出るという作戦通りの展開で優勝できました。今季からの参戦が急きょ決まったこともあり、戦いながら準備をしなければなりませんでしたが、優勝で終わることができてよかったです。一年間、応援ありがとうございました」
山本剛大(アジアプロダクション250cc DNS/14位)
「今年はマシンが変わり、思うような準備ができずにシーズンが始まりました。日本にマシンがなく、セットアップを試したり、開発したりということが全くできなかったことが、結果を残せなかった要因です。でも最終戦は、いつもとは違い、準備をしてこられました。順調に走り出したのですが、予選で無謀な走りをするライダーのあおりを受けて、転倒してしまいました。謝りに来てくれましたが、この転倒でリズムが狂い、レース1の朝のウォームアップでトラブルが出て転倒。マシンが大破し、レース1はキャンセルすることになってしまいました。スタッフがマシンを修復してくれ、レース2を走ることができましたが、思うような走りができずに終わってしまいました」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | Honda | 10 | 19'07.754 |
2 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 10 | +0.211 |
3 | 71 | 小山知良 | Honda | 10 | +0.357 |
4 | 31 | ゲリー・サリム | Honda | 10 | +7.130 |
5 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | Honda | 10 | +7.205 |
6 | 14 | P.ロイブーンペン | ヤマハ | 10 | +7.336 |
8 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | Honda | 10 | +8.216 |
9 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | Honda | 10 | +8.378 |
22 | 17 | セシュー・ラジブ | Honda | 10 | +51.454 |
23 | 51 | 藤井謙汰 | Honda | 10 | +57.505 |
25 | 95 | ブイ・デュイ・トン | Honda | 10 | +1'04.928 |
DNS | 11 | 山本剛大 | Honda | - | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 71 | 小山知良 | Honda | 10 | 19'09.799 |
2 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 10 | +0.040 |
3 | 31 | ゲリー・サリム | Honda | 10 | +7.733 |
4 | 14 | P.ロイブーンペン | ヤマハ | 10 | +8.577 |
5 | 39 | P.ブーンラート | ヤマハ | 10 | +8.661 |
6 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | Honda | 10 | +8.683 |
7 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | Honda | 10 | +8.745 |
8 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | Honda | 10 | +8.817 |
14 | 11 | 山本剛大 | Honda | 10 | +17.957 |
22 | 51 | 藤井謙汰 | Honda | 10 | +58.922 |
26 | 95 | ブイ・デュイ・トン | Honda | 10 | +1'09.610 |
DNF | 17 | セシュー・ラジブ | Honda | - | - |
DNS | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | Honda | - | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 31 | ゲリー・サリム | Honda | 215 |
2 | 71 | 小山知良 | Honda | 188 |
3 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 188 |
4 | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | Honda | 149 |
5 | 11 | 山本剛大 | Honda | 138 |
6 | 99 | G.ヘンドラ・プラタマ | ヤマハ | 116 |
7 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | Honda | 75 |
10 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | Honda | 65 |
11 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | Honda | 64 |
15 | 23 | アンディ・イズディハール | Honda | 36 |
20 | 75 | ヘルマン・バハルディン | Honda | 8 |
24 | 119 | ヤッシン・ガブリエル・ソンマ | Honda | 5 |
34 | 54 | スダルモノ | Honda | 0 |
39 | 20 | 笠井悠太 | Honda | 0 |
42 | 125 | リッキー・スサント | Honda | 0 |
46 | 17 | セシュー・ラジブ | Honda | 0 |
47 | 95 | ブイ・デュイ・トン | Honda | 0 |
49 | 51 | 藤井謙汰 | Honda | 0 |
50 | 59 | アカラク・テサング | Honda | 0 |