アジアロードレース選手権の第2戦が、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されました。タイの旧正月に行われる水かけ祭りと日程が重なったため、通常は土曜日と日曜日にそれぞれ1レースずつ行われるレースが、今回は金曜日と土曜日に行われました。
スーパースポーツ600ccクラス(SS600)の予選では、ザクワン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)が5番手。羽田太河(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)が7番手、山口辰也(A.P.Honda Racing Thailand)が10番手、山田誓己(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)が12番手、名越哲平(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)が14番手となりました。
レース1では、デチャ・クライサルト(ヤマハ)が好スタート。それを、ザイディを含む数台が追いかけました。そんな中、トップを走っていたクライサルトが転倒。代わって先頭に立ったのはアズラン・シャー・カマルザマン(カワサキ)で、それをチャランポン・ポラマイ(ヤマハ)が追い、2台が後続を引き離していきました。結果、カマルザマンがポラマイを突き放して勝利。ザイディは伊藤勇樹(ヤマハ)との5番手争いを制して5位となりましたが、上位のライダーが失格となったことで、レース後に順位が繰り上がって4位となりました。8位に山口、10位に山田、11位に名越。羽田は転倒リタイアとなりました。
レース2は、ポラマイがトップを独走しますが、ジャンプスタートだったためにペナルティーで後退。代わってクライサルトがトップに立ち、ザイディなど数台がトップ集団を形成して、激しいドッグファイトを展開しました。その後方では、ラタポン・ウィライロー(A.P.Honda Racing Thailand)が前を走る羽田に迫り、6番手争いを繰り広げます。やがて、クライサルトとカマルザマンが集団を抜け出して一騎打ちの戦いに。アハマド・ユディスティラ(カワサキ)、伊藤、ザイディ、アンソニー・ウェスト(ヤマハ)がそれを追いかけました。そこからは、ウェストが抜け出してトップに追従。激しい攻防の末に勝利しました。2位がカマルザマン、3位がクライサルト、ザイディはユディスティラとの4番手争いに競り勝ち、4位でフィニッシュしました。しかしレース後、優勝したウェストが失格となったことで、ザイディは3位に繰り上がりました。羽田は6位、山口は8位、名越は11位、山田は12位でした。
羽田太河(スーパースポーツ600cc リタイア/6位) 「今回は勝つことができたジョホールとは違い、ものすごく苦戦しました。FP3でマシンを大破させてしまい、そこから悪い流れになり、レース1をリタイア、レース2でも6位という結果に終わりました。この悔しさをバネに、次戦の鈴鹿ではまたいい走りができるようがんばります」
山口辰也(スーパースポーツ600cc 8位/8位) 「チームの地元でのレースだったことで、テストができ、コースに慣れた上でレースができました。コースは本当に美しく、コーナリングも楽しむことができ、ブレーキングでの操作もバリエーションがあり、ライディングしていてとても楽しいサーキットでした。今回は、今シーズンから新しくしたサスペンションを使っての初のブリーラムだったため、セットアップがより重要だと考えていました。それなのに初日に転倒してしまい、セットアップが大幅に遅れてしまいました。情報がない中でのセットアップなので、難しいところもあり、悩みながらのレース1でしたが、そこで大幅にセットアップが間違った方向に向かっていることを確認しました。結果は残念ですが、得るものがとてもあるレースでした。その失敗から、大幅にセットアップを変えたレース2は、予選タイムで周回でき、序盤の遅れをばん回できました。チームとしてデータを残せたと思います。このセットアップの方向で、鈴鹿大会につなげたいと思います」
名越哲平(スーパースポーツ600cc 11位/11位) 「ここは、2014年にアジア・ドリーム・カップで走ったことのあるサーキットでしたが、600ccで走り始めると、スピードの差や走らせ方が全く違い、別のサーキットのようでした。コースの攻略に時間がかかり、セットアップが遅れました。予選の順位が響き、決勝はトップグループどころかセカンドグループにもついていけませんでした。全日本とアジア選手権のダブルエントリーはとても忙しく難しいですが、トップライダーは、そんな状況下でも結果を残しています。次戦までの短いインターバルを大切に使って、今の自分になにが足りないかを考えたいです。次は母国の鈴鹿大会です。チームの皆さんに、結果で恩返しできるよう全力で戦います」
山田誓己(スーパースポーツ600cc 10位/12位) 「今回も初のサーキットだったので、初日はまずコースに慣れるところから始めました。セッションを終えるごとにセットアップが進み、予選とレース1では手応えを得ていましたが、レース2では全くレースができるようなペースを作れず、次に向けて課題が残りました。まだまだやることは多いですが、少しずつ前進しているようには感じています。次の鈴鹿はホームサーキットなので、そこできっかけをつかんで、上位で争えるように準備していきます」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | A.シャー・カマルザマン | カワサキ | 16 | 26'39.999 |
2 | 65 | C.ポラマイ | ヤマハ | 16 | +1.668 |
3 | 33 | A.ユディスティラ | カワサキ | 16 | +8.044 |
4 | 21 | ザクワン・ザイディ | Honda | 16 | +9.760 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 16 | +12.078 |
6 | 59 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 16 | +22.991 |
7 | 16 | イルファン・アルディアンシャー | Honda | 16 | +24.122 |
8 | 104 | 山口辰也 | Honda | 16 | +24.322 |
10 | 17 | 山田誓己 | Honda | 16 | +29.813 |
11 | 634 | 名越哲平 | Honda | 16 | +30.174 |
13 | 69 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 16 | +1'27.783 |
RT | 23 | 羽田太河 | Honda | 6 | +10Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 25 | A.シャー・カマルザマン | カワサキ | 18 | 30'00.702 |
2 | 24 | D.クライサルト | ヤマハ | 18 | +1.123 |
3 | 21 | ザクワン・ザイディ | Honda | 18 | +2.499 |
4 | 33 | A.ユディスティラ | カワサキ | 18 | +2.578 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 18 | +2.839 |
6 | 23 | 羽田太河 | Honda | 18 | +20.267 |
8 | 104 | 山口辰也 | Honda | 18 | +22.288 |
9 | 59 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 18 | +23.084 |
11 | 634 | 名越哲平 | Honda | 18 | +28.841 |
12 | 17 | 山田誓己 | Honda | 18 | +37.651 |
14 | 16 | イルファン・アルディアンシャー | Honda | 18 | +44.113 |
16 | 69 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 17 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | A.シャー・カマルザマン | カワサキ | 83 |
2 | 23 | 羽田太河 | Honda | 55 |
3 | 21 | ザクワン・ザイディ | Honda | 54 |
4 | 33 | A.ユディスティラ | カワサキ | 51 |
5 | 76 | 伊藤勇樹 | ヤマハ | 43 |
6 | 65 | C.ポラマイ | ヤマハ | 39 |
7 | 16 | イルファン・アルディアンシャー | Honda | 35 |
9 | 104 | 山口辰也 | Honda | 30 |
10 | 59 | ラタポン・ウィライロー | Honda | 28 |
11 | 634 | 名越哲平 | Honda | 25 |
12 | 17 | 山田誓己 | Honda | 23 |
16 | 69 | サラス・シャンカル・クマ | Honda | 7 |