Round13ヒューストン
2019年3月30日(土)・決勝
会場 : NRG Stadium
MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSS/FIM世界選手権第13戦が、ヒューストンで開催されました。会場のNRGスタジアムは、2002年にオープンしたスライド開閉ルーフ付きスタジアム。隣接するアストロドームは1965年に建設された屋内球場で、74年にはスーパークロスが初めてインドアで開催された実績があります。ヒューストンの長い歴史の中には、土日ダブルヘッダー、125(現250SX)クラス東西交流戦など、象徴的なイベントがありましたが、今年はトリプルクラウンが実施されます。
トリプルクラウンとは、昨年から試行されている決勝3レース制フォーマットで、今年は第3戦アナハイム、第8戦デトロイト、そして第13戦ヒューストンのみに限定されています。450SXクラスは12分+1周、250SXクラスは10分+1周、各々3レースの総合結果に対し、シリーズポイントが付与されます。
予選方式は、タイムドプラクティスのトップ18+ラストチャンスの4位までに絞られるので、緊張感のあるタイムアタックが見られます。ケン・ロクスン(Team Honda HRC)は、計時予選1回目のセッションで記録した47秒386を守りきり、ポールポジションを獲得しました。コール・シーリー(Team Honda HRC)は、48秒082で予選6番手につけました。
ロクスンは、レース1で好スタートを決めると、オープニングラップからトップに躍り出ました。早々と独走態勢に持ち込むと、クーパー・ウェブ(KTM)に8秒差でチェッカーを受けました。ヒート2では1コーナー進入時に転倒を喫した後、痛めた足をケアするためにリタイアしました。レース3に出走したロクスンは、スタート12番手と出遅れましたが、8位までポジションをばん回してフィニッシュ。この結果ロクスンは、総合10位(優勝/21位/8位)。レース1を制したものの、トリプルクラウンの難しさを痛感させられる成績となりました。
シーリーは、レース1ではスタート6番手から追い上げ、4位でフィニッシュ。期待を抱かせるリザルトを刻みました。レース2ではオープニング3番手から、6周目には2番手に浮上。トップのウェブから2秒強のビハインドという好位置につけましたが、三つ巴の2位争いの中で4位まで後退してチェッカーを受けました。レース3では、スタート7番手から集団に飲み込まれ、最後は11位でレースを終えました。3レースのトータルでは、5位(4位/4位/11位)に入賞したシーリー。今シーズンの自己ベストをマークしたことで、終盤戦での活躍が期待されます。
ケン・ロクスン(優勝/21位/8位 総合10位)
「メインレース1は最高でした。スタートがうまく決まったのでトップに立ち、後続に10秒もの差をつけました。だれよりも先にチェッカーフラッグを見るのはなんとも言えない気分でしたが、それがレース1だけだったことが残念です。レース2ではディーン・ウィルソンの後輪に絡んで、転倒してしまいました。とても強い衝撃でつま先を地面にぶつけたので、当初は足首に重傷を負ったような気がしたのですが、大事に至らなかったのが幸いでした。クラッシュの際にマシンもかなり曲がってしまいました。診察を受けて、15~20分ぐらいすると、悪化ではなくて快方に向かう感じがしはじめたことはよかったのですが、実はつま先にはまだ痛みが残っています。幸いマシンに跨がってレース3に復帰することができました。できるだけのことをしようと思いながら8位でフィニッシュ。総合10位というリザルトをゲットしました。レース1があれほど順調だったことを思うと、この結果は理想とは違いますが、無事に次のラウンドに臨めることが幸いです。いつか時期が訪れるでしょう」
コール・シーリー(4位/4位/11位 総合5位)
「今夜はとてもよかったですね。最終的にトップ5に入れましたが、この位置は常にゲットしなければいけないと思っていたのに達成できていませんでした。開幕からここまでフラストレーションを感じるようなことばかりでした。うまく説明できないのですが、昨年の負傷による代償は思ったよりもきつくシビアなものでした。ここまで戻ってくるのは長い道のりでしたが、開幕当初からスピードはあったと思います。ただすべてをまとめた完ぺきなレースができなかっただけです。結構いい感じで乗れていたと思っても、それがリザルトに反映できていませんでした。ようやくトップ5に食いこめましたし、レース1とレース2では比較的イージーに上位グループと走れました。トリプルクラウンフォーマットは、新しい取り組みとして評価できますが、ちょっと長すぎるのではないでしょうか。12分+1周は今回の例だと16周になりますし、3レースだから合計42周です。レースとレースのインターバルは30分しかないので、身体を休めたり水分補給をしたりするには時間が足りません。今回は20分+1周というトラディショナルなフォーマットではなかったですが、調子が戻ってきている実感があったので、シリーズ終盤に向けての自信につながります。こんなに長くかかったのは残念ですが、上向きになってきたことを喜び、前に進むだけです」
エリック・キーホー(Team Honda HRC監督)
「今夜は本当にジェットコースターのような展開でしたが、2人とも収穫がありました。メインレース1ではそろって好スタートが決まり、ケニーは文句なしの勝利、コールも力強い走りで4位に入りました。すべて順調に思えました。レース2ではケニーがスタートで転倒し、リタイアとなりました。足か足首をやってしまったかもしれないと思いましたが、重傷でなかったことがなによりでした。アルパインスターズ移動救護室で診察を受けたあと、ケニーはレース3への出走を決断しました。コールはレース2まで乗れていましたが、レース3では勢いを失ってしまいました。彼は自信を取り戻そうとがんばっているところなので、今回の総合5位はさらに上を目指すステップになる立派なリザルトです。レース3のケニーは気持ちをスロットルに込めていましたし、走りには彼のメンタルタフネスが表れていました。チャンピオンシップの戦い方を知っていて、離されている現状において1ポイントたりとも無駄にせずベストを尽くしています。彼は今夜もどん欲な姿勢を見せてくれました」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 12'56.696 |
2 | 2 | C.ウェブ | KTM | +08.562 |
3 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +12.686 |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +13.844 |
5 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +15.714 |
6 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +15.762 |
16 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +1Lap |
19 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +1Lap |
20 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | +1Lap |
22 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +13Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 13'13.940 |
2 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +03.121 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +05.106 |
4 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +06.664 |
5 | 19 | J.ボーグル | KTM | +09.287 |
6 | 16 | Z.オズボーン | ハスクバーナ | +10.119 |
13 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +46.874 |
15 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | +1Lap |
16 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +1Lap |
21 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | DNS |
22 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | DNS |
レース3
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 13'00.835 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +06.001 |
3 | 2 | C.ウェブ | KTM | +09.800 |
4 | 16 | Z.オズボーン | ハスクバーナ | +10.932 |
5 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | +13.339 |
6 | 4 | B.バゲット | KTM | +14.781 |
8 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | +23.935 |
11 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +33.292 |
14 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | +49.002 |
16 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | +1Lap |
17 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | +1Lap |
22 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | DNS |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | C.ウェブ | KTM | 288 |
2 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 271 |
3 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 262 |
4 | 94 | ケン・ロクスン | ![]() | 252 |
5 | 4 | B.バゲット | KTM | 215 |
6 | 15 | D.ウィルソン | ハスクバーナ | 201 |
8 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 160 |
11 | 10 | ジャスティン・ブレイトン | ![]() | 141 |
18 | 41 | ベン・ラメイ | ![]() | 72 |
19 | 42 | ビンス・フリージー | ![]() | 65 |
22 | 805 | カーレン・ガードナー | ![]() | 38 |
24 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 27 |
26 | 27 | マルコム・スチュワート | ![]() | 17 |
28 | 99 | オースティン・ポリテッリ | ![]() | 13 |
38 | 941 | アンジェロ・ペレグリーニ | ![]() | 4 |
42 | 412 | ジャレド・レッシャー | ![]() | 2 |