OCEAN MASTER STORY

世界のプロが選んだHonda

世界で活躍するHonda船外機の
知られざるストーリー

2016.01.25
海を走るレーシングカーデザイナー

こだわりのボートライフを楽しむ、
由良拓也氏。

冬の用宗沖。穏やかな海を快走する「Streamline」。

レーシングカーデザイナーにして
乗り物想像作家の由良拓也氏が、
海を楽しむために創った、こだわりのアイテム。

1. 風立ち性能を求めたスパンカー

由良氏はBF250を2基掛けしたOceanMaster31の風立ち性能を高めるためにスパンカーをデザインした。流し釣りなどの釣機能を高めるためのこだわり艤装だ。スパンカーの設置により風圧中心を後方に移動させることはできたが、船型の問題から思ったほどの効果は得られなかったそうだ。スパンカーの面積は1面が約10平米。フルバテン仕様だった。
スパンカーの1面は約10平米。(写真提供:由良拓也氏)
フルバテン仕様のスパンカー。(写真提供:由良拓也氏)

2. 由良氏バージョンのデッキアレンジも。
Love me TENDER12

由良氏はレーシングカーなどの車両輸送用のトレーラーに、12フィートのカタマラン艇「Love me TENDER12」(全長:3.6m,全幅:1.48m, 全深さ:0.55m,船体重量:98kg)を載せられるようにした。写真でわかるように双胴に4つの車輪が付けられ、汀に寄せたトレーラーを海水につけることなく艇体が自走し、載せ降ろしすることができる。
この「Love me TENDER12」はニュージャパンヨット(株)が販売したもので、フランスのグループ・フィノが艇体をデザインした。浮力体が組み込まれていて不沈構造をうたったカタマラン艇だ。シンプルな標準デッキ艤装に加え、由良氏デザインのデッキ艤装もオプションで選ぶことができた。左右両舷に設置できるベンチロッカーがそれだ。キャスティングの際のベンチとして、あるいはストレージ、生簀として使うことが可能。
由良氏は自身の「Love me TENDER12」に、2平米ほどのスパンカーを付けたり、GPS魚探を装着するなどして、フィッシング機能を高めることを追求。ちなみに搭載船外機であるBF15をフルスロットルにして、17.3ノットを記録したそうだ。
艇体が自走するので、トレーラーは海水に浸からずに済む。
もちろん、全操作をひとりでこなせる。
このあと由良氏は、ひとりで釣りに行ってしまった。
(写真提供:由良拓也氏)
双胴に車輪が4つ付けられているのがわかる。車輪の内側がフレームに沿って動くので、載せるにも降ろすにも艇体が曲がることはない。
(写真提供:由良拓也氏)
全長3.6m、全幅1.48m の「Love me TENDER12」がトレーラーにジャストサイズで乗る。写真は揚げ降ろし用のスロープを伸ばしたところ。海水に浸かるのはこのスロープだけだ。
(写真提供:由良拓也氏)

3. カタマランカヤック+BF2

メインフレームによってつなげられた2隻のカヤックに、BF船外機最小モデルのBF2をセットして、カタマラン艇として走り回れるようにしたのがカタマランカヤックだ。免許は不要。ティラーの操作さえ覚えれば、誰でも楽しめる。モノハルに比べて旋回性能が落ちるとされるカタマランだが、このカタマランカヤックはボトムがフラットなことが功を奏して旋回性は良い。
ムーンクラフト株式会社では、市販のカヤックをレーザースキャンすることができるので、メインフレーム用のボルトを打つための的確な位置を割り出すことができるそうだ。
また専用のジョイントで何隻も横つなぎにできるので、臨時桟橋や、災害時の避難橋、レスキュー艇、マリンイベントの桟橋ステージなど、様々な利用が考えられる。BF2に加えエレキを装着するとより小回りが利くようになり、アミューズメントセンターの池などのメンテナンスボートとしても活用できそうだ。
免許は不要だが、走行性能は非常に高い。
(写真提供:由良拓也氏)
これがメインフレームによってつながれ、完成したカタマランカヤック。船尾に付けられたBF2のティラーを握るのは由良氏。
(写真提供:由良拓也氏)
船尾にはBF2を搭載し、バウ側にエレキを装着。小回り性能が一段と高まる。高さのあるパルピットが、乗員の作業性を助けている。
(写真提供:由良拓也氏)
横つなぎしていけば、緊急時の避難橋、臨時桟橋として、あるいはマリンイベントでのステージとしても使える。
(写真提供:由良拓也氏)
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