真野 秋綱 氏
月刊『FlyFisher』編集長
真野 秋綱 氏
1975年生まれ。2014年より『FlyFisher』編集長を務める。その前には月刊『つり人』編集部で、沖釣りから渓流釣りまでを楽しんでいた。現在は別冊つり人『渓流』も担当。

澄んだ水が魚を美しく磨くことを実感

上八川川の流れ。この日は若干ニゴリ気味だったが、それでもこの水色
上八川川の流れ。この日は若干ニゴリ気味だったが、それでもこの水色
高知県には美しい川がたくさんありますが、なかでも仁淀川は数多くある支流群、水量豊かな本流ともに魅力的。そんななかで今回は、上八川川を紹介したいと思います。
下流域は里川っぽい雰囲気の場所もあって、入川は容易です。尺クラスももちろんねらえますが、小ぶりでも美しい魚が多いようです。護岸された箇所でも大きめの石があって流れは複雑。ちょっとした落ち込み、ヒラキ、大石周りなどのポイントで、パーマークのくっきりとしたアマゴ――地元では「アメゴ」と呼ばれます――が、ドライフライをくわえてくれるはずです。
下から川を見ていくと、下流域は水量もあって、巨岩の点在する流れ。初期には尺もねらえるエリアです。小川川出合付近から少しずつ水量は減りますが、のんびり釣り上がりながら美形魚と遊ぶには最適でしょう。さらに上に行くと落差のある渓流っぽい雰囲気になってきます。いずれも川沿いに道があるので、流れを見ながらポイントを選べます。
6月ごろは、まだ全域で釣りができるはずです。去年の高知県は高水温や渇水で、渓流釣りもアユ釣りも影響を受けましたが、その時に川虫が減ったせいで今年もアマゴは若干小ぶりです。それでも、現在ぐんぐん育っているところなので、尺も期待できるでしょう。
地元の方によれば、このころはもう虫も大きいので、ドライフライなら16番から上、14番前後がよいとのこと。上が比較的開けた川なので、ロッドは2~3番で8フィートくらいが使いやすいと思います。リーダーは好みによりますが、5Xくらいで15フィート、そこにティペット6~7Xを1ヒロほど結ぶのがおすすめです。

なお、この川では、最上流部に毎年稚魚放流を行っています。それが育っているために、きれいな魚が多いようです。
今年の春に訪れた時の1コマ
今年の春に訪れた時の1コマ
春の段階では、今年は少し小ぶりとのことだが、6月ごろになればコンディションのよい魚が釣れるはずだ
春の段階では、今年は少し小ぶりとのことだが、6月ごろになればコンディションのよい魚が釣れるはずだ

川だけでなく海の恵みも満喫すべし!

上八川川の周辺には、ほかにもいい支流がたくさんあります。なかでも長者川、岩屋川、安居川、土居川などはおすすめ。というわけで、それらをはしごして釣っても面白いと思います。初心者からベテランまで、存分にアマゴと遊べるエリアといえます。

なお高知県を訪れたら、やはり海の幸を味わわない手はありません。名物のカツオのたたきだけでなく、まいご貝、ちゃんばら貝、やけどの干物など、耳慣れない珍味が楽しめます。高知市街地にある『ひろめ市場』では、それら旬の海の幸が手ごろな価格で食べられます。ちなみに、たたきといえば高知ではウツボのたたきも有名。偏見はもたずに、ぜひ口にしてみては。ゼラチンのような食感は意外といけますよ!
やはり高知に来たら、名物カツオのたたきを堪能しないと…
やはり高知に来たら、名物カツオのたたきを堪能しないと…
こちらが、まいご貝。砂浜で、金網の付いたカゴのような道具を投げて採るのだという
こちらが、まいご貝。砂浜で、金網の付いたカゴのような道具を投げて採るのだという
地元では野菜寿司などと呼ばれる田舎寿司。シイタケやミョウガ、タケノコなどで作られている。海産物もいいのだが、こんな素朴な味わいも捨てがたい
地元では野菜寿司などと呼ばれる田舎寿司。シイタケやミョウガ、タケノコなどで作られている。海産物もいいのだが、こんな素朴な味わいも捨てがたい
今回ご紹介したエリア
高知県/仁淀川支流・上八川川のアマゴ釣りMAP
アクセス
高知自動車道・伊野ICを降りてR33を左折。道なりに走ってR194に入り、上八川川へ。
お問い合わせ
仁淀川漁協
TEL088-893-2300
日釣券2000円
解禁:3/1~9/30
※このコンテンツは2014年5月の情報をもとに作成しております。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。