おすすめの釣り場
長野県／木崎湖のワカサギ
秋は神秘の湖で静けさを楽しむ
月刊『つり人』 編集長
山根 和明 氏
1994年つり人社入社。2006年より月刊『つり人』編集長を務める。渓流釣り、アユ釣り、磯釣り、沖釣り、コイ釣りなどなど四季折々の釣りを楽しむ。コイ釣りニュースタイルマガジン『Carp Fishing』、渓流釣り専門誌『渓流』、トラウトルアー専門誌『鱒の森』編集長を兼務。
ワカサギは冬の魚ではない!?
周囲を自然に囲まれた木崎湖。湖の周囲は約7km。1泊2日であそぶのにちょうどいい大きさです
しかし、ワカサギ釣りを最も手軽に楽しめるのは、山の木々が本格的に色付く前。まさに今なんです。そもそもワカサギという魚は、湖面が結氷するくらい水温が低くてもエサを摂りますが、だからといって低水温を好むというわけではありません。むしろ冬よりも秋のほうが食欲は旺盛で、魚の活性も高いためにアタリも大きく出ます。ワカサギの穴釣りでは通常、サシやアカムシといったエサを用いますが、秋はエサを付けない空バリ仕掛けで釣れることも多いんです。全くのビギナーでも空バリ仕掛けで100尾、200尾を手にできてしまうのが、秋のワカサギ釣りというわけです。
群馬県在住のワカサギ釣りエキスパート、松田克久さんと悦子夫人も木崎湖フリーク
ワカサギ釣りのメッカといったら神奈川県芦ノ湖、山梨県山中湖、西湖、群馬県赤城大沼、榛名湖、福島県桧原湖などを思い浮かべるベテランさんが多いと思いますが、秋に旅行を兼ねてオススメしたいのが長野県の木崎湖です。
神秘な雰囲気漂う仁科三湖
木崎湖は青木湖、中綱湖と農具川で結ばれていて、この3つの湖を仁科三湖と呼んでいます。いずれの湖も山々に囲まれ、日中でもひっそりとしてどこか神秘を感じさせます。そのためか、松本清張の名作「影の地帯」の舞台になり、市川崑監督の映画「犬神家の一族」のロケ地にも採用されました。
木崎湖と中綱湖、青木湖を結ぶ農具川。ちなみに、農具川は高瀬川の支流で、高瀬川は犀川の、犀川は千曲川の支流。千曲川は新潟県に入り信濃川と名を変えて日本海に注ぎます
木崎湖は白馬八方に程近く、例年、クリスマスの頃には雪が積もるので、ワカサギの数釣りを楽しむには9～10月がオススメです。年によりムラがあるものの、その時期であれば空バリ仕掛けでも楽しめるでしょう。
朝もや立ち込める木崎湖の秋。幻想的で映画のロケ地や小説の舞台になるのも納得
ビギナーでも安心の裏ワザ
木崎湖のワカサギ。ビギナーはまず100尾を目標にするといいでしょう
ワカサギは湖のどこにでもいるわけではありません。群れで回遊しています。魚を釣るためには、この群れを捜し当てなくてはなりません。群れはカケアガリに沿って移動するため、重要になってくるのはねらう水深です。ボート屋さんで、前日によく釣れた水深を必ず聞いて、その前後の水深をねらうことが大切です。とはいえ、ビギナーには、水深を計ることも大変かもしれません。その場合の秘策をひとつ。
ワカサギがよく釣れている場所には船団ができています。なので、船団を目印にしてポイントを捜すのが手堅い方法です。ベテランはたいてい、魚探をボートにセットしていて、魚探で湖底のようすや魚影を見てポイントを決めます。ですから、よく釣っている人のそばにボートを係留するのが釣果アップの近道といえます。
木崎湖でボート屋を営む「モダンボート」さん。釣り方などを丁寧に教えてくれます。
長野県大町市木崎湖畔 TEL / 0261-22-1332
長野県大町市木崎湖畔 TEL / 0261-22-1332
天然アユはスイカの香りがするなどといいますが、きれいな水で育ったワカサギからも同じような香りを感じることがあります。木崎湖は透明度も高く、ワカサギの高貴な香りを楽しめるでしょう。秋の8cm前後は骨も軟らかく、空揚げにするとお子さんも喜ぶこと請け合い。また、湖畔にある木崎湖温泉は信州の秘湯、葛温泉からの引き湯です。ご家族を伴うのにもうってつけです。
今回ご紹介したエリア
長野県／木崎湖のワカサギMAP
アクセス
長野自動車道・豊科ICからR147で木崎湖へ。
※このコンテンツは2010年9月の情報をもとに作成しております。