サスペンション(2)


●RC211V直系のユニットプロリンク・リアサスペンション
 MotoGPの先端技術を量産車にいち早くフィードバックすることこそが、CBR600RRの提唱する新しい時代への違いを追求した「イノベーティブ ワンダー」であると考え、RC211Vに採用のHonda独自のユニットプロリンク・リアサスペンションを、量産車では世界で初めて採用しました。
 この独創的かつ画期的なシステムは、スイングアームの動きの範囲内で完全に独立した動作を行います。新たに配列されたデルタリンクに対して、アンカーの役割を果たしている下部のアームを別にすることでメインフレームとの接点がなくなり、コーナリングでの旋回加速において車体のロール挙動を安定させることが可能となります。メインフレームにサスペンション荷重をかけないことで、車体全体がサスペンションの影響を受けにくくなっているのです。また、サスペンション上部を支持する堅牢な強度部材がフレームに不要となり、フレーム剛性を旋回特性にベストな設定とすることができ、ロール角に依存しない高い旋回性能を得ることができました。
 ダンパーはニードルベアリングとピロボールベアリングとで支持されたピギーバックタイプとして優れた作動性を得るとともに、TEN/COMPにフルアジャスタブルタイプを採用し、幅広い調整を可能にしています。ユニットプロリンク・リアサスペンションは、GPシーンでの活躍にとどまらず、国内で開催される全日本ST600クラスにおいても圧倒的な優位性を発揮しています。


 
 


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