RVF - 1994.01

RVF
RVF
 
パワーユニット

 ピストンには新たにスリッパータイプを採用し、VFR400Rと比較してピストン単体で約3%の軽量化を達成。フリクションの低減とスロットルレスポンスの向上に寄与させています。
 また、ピストンピン穴を0.5mmエキゾースト側へオフセットすることによってスラップ音の低減も図っています。

ピストン

 さらにクランク系の慣性マスについても、クランクシャフト左側のACジェネレータフライホイールの慣性マスを45kg/cm2から39kg/cm2に変更するなど、細部の見直しによってスロットルレスポンスの向上に寄与するものとしています。

 吸気系は、NASAダクトタイプのエアインテークから吸入されたエアがダクトを経由してエアクリーナーへ導かれる設計とすることで、吸気温度の上昇を抑えるとともに、常に最適な混合気をシリンダー内に送り込むことを可能とし、安定したエンジン性能を実現しました。さらに、エアクリーナーのダクト内部にはウレタンを配し吸気音の低減も図っています。

エアインテークシステム
エアインテークシステム

 チェンジ系は、シフトドラム・ストッパースプリングのセット荷重とバネレートを下げることによって、よりスムーズで確実なチェンジフィーリングとしています。さらに、5速と6速ギアのダボの遊び角を広げることによって、ラッシュ感とチェンジフィーリングの最適バランスを図りました。さらに1速から3速までのミッションレシオをローレシオ化することによって、市街地からワインディングロードまで、きびきびした走り味を実現しています。
車速線図
車速線図

 クラッチは、ミッションレシオの変更に伴ってクラッチ枚数を変更(VFR400R=10枚→9枚)し、切れ性能の向上を図っています。また、クラッチスプリングの荷重を変更(VFR400R=114kgf→105kgf)するとともに、クラッチワイヤーの取り回しの見直しとあいまって、より軽いレバー操作を実現しています。

 今回、パワーユニットの熟成にあたっては徹底的な軽量化を推し進め、カムシャフトの中空肉抜きの内径サイズの変更(φ12mm→φ13mm)をはじめとするエンジン各部の煮つめによって、VFR400Rと比較して、エンジン単体で約0.5kgの軽量化を達成しました。

 排気系には、V型4気筒エンジンの出力特性を最大限に引き出す4-2-1のレイアウトを採用。吸気系の変更と合わせて排気管長の最適化を図り、さらにトルクフルな出力特性を実現しています。
 サイレンサーは、継ぎ目のないアルミインパクト成形とし、大幅な軽量化に貢献させるとともに、内部構造を2室から3室構造とし排気効率の向上と騒音レベルの低減を両立させています。

マフラー比較図
マフラー比較図




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