パワーユニットは、ホンダ独自の水冷・4サイクル・DOHC・90度V型4気筒エンジンをベースに、スロットルレスポンスとリニアリティの一層の向上をめざして、吸・排気系および駆動系を中心に細部にわたって熟成を図りました。
キャブレターは、φ30mmのスロットルボアを持つVP型を新採用しました。
このVP型キャブレターは、バキュームピストンの断面形状がT字型となっており、真円の断面形状を持つ従来のVD型キャブレターと比較した場合、バキュームピストンの底面積が少ないため、吸入負圧による影響(リフトの妨げとなる下向きの力)が低減され、レスポンス性に優れるなどのメリットを持っています。
また、吸気管形状をよりフラットにすることで、吸気慣性を高めるとともに、吸気乱流の発生につながるデッドボリュームを少なくし、低回転域から高回転域まで、V型4気筒エンジンのトルクフルな出力特性の実現に大きく寄与させるとともに、ライダーの意志に忠実に反応するリニアリティとコントロール性を両立させることが可能となりました。
さらに、エアファンネルをアルミ製の前・後不等長タイプとし、前・後バンクの吸気管長を変更することによって、中・低回転域から高回転域まで、スーパースポーツならではの加速感を最大限に体感できるトルク特性としています。 |