ODYSSEY - 1999.12

ODYSSEY
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はじめに

Chapter.2 What is most important?
ライン
ミニバンと呼ばれるクルマには、欠けている大切な性能がありました。
 
クルマの基本でもある走りをどう考えるのか。
その答えを求めて、あらゆるクルマを徹底的に試乗するという手法を私たちは採りました。
さまざまな国で何台ものクルマを乗り比べ、ブレーキ、ハンドリング、静粛性、乗り心地…。
ひとつひとつの性能を綿密に評価することから始めました。そこでの評価の基準は「ヒトの感覚」。
数値化された性能ではなく、実際に乗る人に響いてくる走りの性能の検証でした。
試乗を繰り返すうち、ひとつの発見がありました。
どのミニバンも「安心」という感覚的な高性能が欠けているという事実でした。
例えば止まっているときには広くて快適なミニバンも、
走り出した途端に頼りなさが膨らみ、高速になるほど不安と不快さが増していきます。
家族のクルマとは、大切な人を乗せるクルマです。
「不安」や「不快」といったものからは一番遠いところに位置すべき存在です。
だとすれば、求められる走りとは、「安心」ということなのではないか。イラスト
そもそも、「安心」という前提を抜きにしては、快適とか豊かとかいう感覚も生まれてこないのではないか。
「運転の楽しさ」。「次の時代にふさわしい新しい価値」。「数値化できない感覚的な高性能」。
そして、それらを括る「安心」というキーワード。これらをつなぎあわせた先に、目指す走りがあると私たちは確信しました。



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