NSX - 1997.02

NSX
NSX
97NSXの新技術

全域でさらに力強く爽快な走りを実現する
3.2L DOHC VTECエンジン。
(MTモデル)
NSXの走りをさらに全域でパワフルなものとするために、エンジンの排気量をアップ。
ファイバー・レインフォースド・メタル(FRM)の採用によりシリンダー間壁を縮小し、キープサイズで排気量アップを実現しました。
あわせて吸排気系を見直し、ミドルウエイトクラスを機軸とするNSXのベーシックコンセプトをそのままに、全域でのトルク向上により、力強く爽快なエンジンフィーリングを実現しています。

3kgの軽量化と0.2Lの排気量アップを実現したFRMシリンダーブロック
高回転域の気持ちよさを活かしながら、排気量アップを実現するボアアップの手法を選択。
ピストン摺動部に鋳込まれている鋳鉄ライナーをFRM(繊維強化金属)に材料置換し、シリンダー間壁を10mmから7mmにすることでボア径をφ90mmからφ93mmに拡大。ボアピッチを保ったまま、気筒当たり約33.7cm3、合計202cm3の排気量アップを実現。あわせてエンジンブロックを3kg軽量化しました。
FRMは、アルミ合金中に、高強度のアルミナ繊維や自己潤滑性を持つカーボン繊維を混合させたもので、優れた強度と摺動性を発揮するだけでなく、アルミの高い熱伝導性を活かせるためシリンダーの冷却性も向上します。
3.2l DOHC VTECエンジン
シリンダーブロックの材料置換概念図

排気量アップとともに、吸排気系を見直し全域でのトルクアップを実現
吸気側では、インレットバルブの傘径をφ35mmからφ36mmとし、吸気効率を向上。あわせてインジェクターの流量を15%アップ。排気側は、エキゾーストマニホールドを鋳鉄からレーシングエンジンなどで多用されるステンレスパイプに変更。これによって得られる重量マージンにより、集合部までの長さを等長に近づけるべく単管部をロング化。排気系の重量を増やすことなく、排気干渉を低減し、排気効率を向上させました。
排気量アップと吸排気系の変更により、トルクピークポイントをそのままに、全域でのトルクアップを実現し、爽快なエンジンフィーリングを獲得。
さらにプリチャンバーを6個追加し、抵抗を増やすことなく力強い排気音を得ています。
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3.2L化にともない、ガスケット、クランクシャフトピン、ピストンピンを強化
シリンダーブロックの薄肉化にともない、ガスケットを強化。また、トルクアップに対応し、クランクシャフトのピン径をφ50mmからφ52mmに、ピストンピン径をφ22mmからφ23mmとし、耐久性を向上させています。
エンジン性能曲線図
その他のテクノロジー
高回転・高出力対応パーツ
超軽量チタンコンロッド
ステム径5.5mmの細軸バルブ
表面チル処理のニッケルクロムモリブデン鋼カムシャフト
超精密鏡面仕上げのクランクシャフト
マグネシウム製インマニチャンバー・ヘッドカバー・インマニトップカバー
高出力・高効率燃焼メカニズム
圧縮比10.2
PGM-FI(ホンダ電子制御燃料噴射システム)
白金製プラグ
センタープラグ式ペントルーフ形燃焼室
ダイレクト点火システム
高効率冷却システム
オールアルミラジエーター
アルミパイプによる配管
エンジンルーム冷却用エアインテーク
気泡分離方式の冷却水供給エクスパンションタンク



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