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WTCC 開発プロジェクトリーダーレポート

新たなシーズンに向けて、マシンのポテンシャルアップを果たし
タイトル奪還をめざす

2015年シーズンに向けて、マシンを改良

2014年11月にシーズンが終わり、すぐにテストを開始しました。11月から2月にかけて計5回のウインターテストを行い、2015年シーズンに向けたマシンの改良とセッティングを施しています。2015年シーズンは、例年より1カ月早い開幕で、しかも南米アルゼンチンでの開催という、準備する側にとってはとても厳しい日程です。主なパーツや備品は1月下旬に船積み、マシンは2月下旬に空輸するという慌ただしいものでした。

マシンの改良について、ご説明します。

エンジンについては、昨年と一昨年のデータから、耐久性や信頼性にある程度の自信が持てたので、圧縮比をレギュレーション制限値まで引き上げました。過給エンジンの常ですが、やはり一番恐いのはノッキングです。それを防止するために、ある程度のマージンをとってセッティングするのですが、これまでの経験で、今回攻め込んでも大丈夫だという結論に至りました。

これによって、エンジンについてはクオリファイ仕様、レース仕様と2つのマッピングができ上がり、どちらの仕様もパワーアップを実現しています。

車体については、サスペンションのダンパーを改良しました。よりフリクションを抑え、剛性を上げた仕様に交換しています。また、ジョーカーを使い、リアのトーリンクに変更を施しました。これによってコーナリング性能が上がっています。昨年後半にフロントの剛性を上げましたが、バランスとして今度はリアのポテンシャルを上げる必要があったというわけです。これらによって、Civic WTCCのスタビリティは、大きく向上したと思います。

テストでは、これらの試行や詰めを行いましたが、時間が足りなくまだ完成の域には達していません。これからさらに熟成を進めていきたいと思っています。

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