Honda Riders Close Up ~ワークスマシンを駆って、世界に挑むライダー~

Moto3 エネア・バスティアニーニ Estrella Galicia 0,0

Moto3 エネア・バスティアニーニ Estrella Galicia 0,0
Profile
生年月日
1997/12/30
出身地
イタリア
身長・体重
169cm・60kg
チーム(マシン)
Estrella Galicia 0,0(NSF250RW)
2016年の成績
Moto3 総合2位
Vol.1

2014年にMoto3世界選手権にデビューしたエネア・バスティアニーニは、今年で4年目のシーズンを迎えます。2015年からHonda陣営に加わり、この年は年間ランキング3位。翌16年は年間総合2位。今シーズンはチャンピオン候補のひとりと目されていましたが、開幕戦以降の数レースでは若干の苦戦傾向が見られました。

「今の問題は自分でもよくわからないんですよ……、というのは冗談ですけど」
と、バスティアニーニはジョーク混じりに序盤数戦の低迷を明るく跳ね返しました。

「バイクのせいでもなければ、ライダーに原因があるわけでもないし、チームの責任でもありません。いろんな要素が絡み合って、今シーズンはあまりいいスタートになりませんでした。でも昨年もそうだったし、一昨年もシーズン序盤はあまり力強い走りをしていたわけではありません。今は全員が一丸となって問題解決に取り組んでいるので、表彰台に届かないまでも、すぐに安定してトップ5に入れるようになると思います」

その言葉どおり、バスティアニーニはほどなく低迷を脱しました。開幕戦16位、第2戦アルゼンチンGP27位、という後方フィニッシュから一転、第3戦アメリカズGPでは4位を獲得。欧州ラウンドが始まると、第4戦スペインGPは8位、第5戦フランスGPでは6位と、少しずつ調子を取り戻しつつあります。上記の言葉で本人も述べているとおり、過去2年もシーズン序盤戦では苦労を強いられていました。昨年の場合、転機になったのは第7戦のカタルニアGPだった、とバスティアニーニは振り返ります。


「バルセロナでフロントに新しい部品が入ったことで、凄くよくなったんです。決して大きな変更ではなくて、小さな変化なんですが、僕にとってはとても大きな前進でした。チームもがんばってくれたおかげで、最終的に年間ランキング2位で終えることができました。今年僕たちが抱えている問題は、昨年の課題とは違いますが、僕は昨年よりも経験を積み重ねてきているし、チーム自体も経験が豊富です。だから、課題解決は時間の問題だと思います」

バスティアニーニが昨年まで所属していたチームは全員がイタリア人でしたが、今年所属するEstrella Galicia 0,0はスペインのチームです。初めての移籍経験ですが、選手とチームの双方が確実に相互理解を深めています。

「チームを変わるのは初めての経験で、今までのチームとは物事の進め方が違っていました。チームにはチームの方法論があり、僕も自分のやり方があったので、開幕戦のカタールでは互いに歩み寄りながら、一丸となって努力をしました。その結果、しっかりと前進することができました。今年は、僕がHondaに乗って3年目のシーズンです。今まで以上に自信を持って、バイクに対する理解も進んでいます。現状の課題さえ解決すれば、すぐに表彰台争いできる手応えもあります。重要なのは、1戦ずつ確実に前進していく、ということです。今シーズンの僕の目標は、チャンピオン獲得です。Moto3クラスには速いライダーがたくさんいますが、Estrella Galicia 0,0はトップチームだし、僕の調子もどんどん上がっています。チャンピオン争いをしてみせる自信は、十分にあります」

シーズンはこれから中盤戦にさしかかります。過去の例からも分かるとおり、バスティアニーニが本領を発揮して激しいトップ争いを繰り広げるのは、いよいよこれからです。