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MotoGP

round 16

SCHEDULE

October 17 2014, PRACTICE MotoGP Australian Grand Prix

オーストラリアオーストラリアGP

前戦日本GPでタイトルを獲得したマルケスが3番手。今季12勝目に向けて好スタートを切る

2014年10月17日(金)・1日目フリー走行  会場:フィリップアイランド・サーキット  天候:晴れ  気温:15℃  コースコンディション:ドライ

日本GPからの連戦となる第16戦オーストラリアGPのフリー走行が、10月17日(金)、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われました。昨年の大会は、フリー走行と予選でタイヤトラブルが続出。そのため、決勝レースは周回数を減算して行われました。今年は対策を施したニュータイヤが用意され、初日のフリー走行は、多くのライダーがタイヤテストに集中することになりました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • ニッキー・ヘイデン(#69)ニッキー・ヘイデン(#69)
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ

フィリップアイランド・サーキットは、シーズン屈指のハイスピードコース。昨年は路面の改修でグリップが大幅に上がり、タイヤへの負担が大きくなったことから、トラブルが続出しました。そのためMotoGPクラスにタイヤを供給するブリヂストンは、昨年のデータを分析し、フィリップアイランド用のスペシャルタイヤを用意。選手たちは、スペシャルタイヤに合わせてさまざまなセッティングにトライしました。

そんな中で、前戦日本GPでタイトルを獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、順調なスタートを切りました。午前の走行ではタイヤのフィーリングを確かめながら20ラップをこなし5番手。午後のセッションでもタイヤテストに集中し、最終的に3番手で初日を終えました。ブリヂストンが今大会に向けて用意したタイヤは、トラブルが出ないように安全性を高めています。結果、全体的にグリップのレベルが低下。昨年に比べてタイムが落ちていますが、その中でもマルケスは、タイヤのパフォーマンスを引き出すことに成功しました。

しかし、ほかのHonda勢は、マシンとニュータイヤのマッチングに苦しみました。ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)はタイヤテストに集中して、1回目の走行で9番手、2回目で10番手と、いい状態を見つけられませんでした。ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)もタイヤテストに集中しましたが、思ったほどタイムが伸びず12番手。Hondaの市販レーシングマシン「RCV1000R」に乗るニッキー・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が13番手でした。ファクトリーマシンに乗るアルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は15番手とタイムが伸びず、以下、RCV1000Rに乗るスコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が17番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が18番手、青山博一(Drive M7 Aspar)は午後の走行で転倒を喫して19番手でした。

昨年のMoto2クラスも、タイヤトラブルが続出したことから、周回数を減算して決勝レースが行われました。そのため、Moto2クラスにタイヤを供給するダンロップは、フィリップアイランド用のスペシャルタイヤを準備。MotoGPクラスと同様に、選手たちは新しいタイヤのセットアップに多くの時間を割きました。トップタイムをマークしたのは総合首位のエステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)。2番手にサンドロ・コルテセ(Dynavolt Intact GP)、3番手にトーマス・ルティ(Interwetten Sitag)と続きました。総合2位のミカ・カリオ(Marc VDS Racing Team)が5番手、総合3位のマーベリック・ビニャーレス(Paginas Amarillas HP 40)は転倒を喫して6番手。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)が16番手、負傷欠場の長島哲太(Teluru Team JiR Webike)の代役として出場の小山知良は32番手でした。

Moto3クラスは、ダニー・ケント(ハスクバーナ)がトップタイムをマーク。以下、1秒差以内に19台という大接戦となり、総合5位のエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が3番手、総合首位のアレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が6番手、総合3位のアレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が9番手でした。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP 3番手)
「今大会のためにブリヂストンが用意した、新しいタイヤのテストに集中しました。このタイヤは、これまで使ってきたタイヤと全く異なるものでした。このサーキットは、高速コーナーがいくつかあるので、正確なセットアップが必要です。午後のセッションでは、とても前進でき、いいフィーリングでした。しかし、まだ改善できる部分があるので、引き続きセットアップに集中したいです。今日はとても気持ちよく乗れましたし、いい一日でした」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 10番手)
「今日は順調ではありませんでした。ブリヂストンの新しいタイヤを使いこなすのが難しく、特にリアタイヤと挌闘しました。明日も引き続き、セットアップに集中して、タイヤのパフォーマンスを引き出すことができれば、タイムもポジションも上げられると思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 12番手)
「今日は難しい一日でした。昨年起きたタイヤトラブルのため、今年は安全性を高めた特別なタイヤを使うことになったのですが、リアタイヤのフィードバックがなく、中高速コーナーでロスをしていました。現在、データをチェックしていますが、明日のために解決策を見つけなければなりません」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 13番手)
「過去の2戦と比べて、トップとの差が縮まりましたし、いいスタートが切れました。フィリップアイランドは大好きです。コンディションもすばらしい一日でした。今日はタイヤの性能を評価することが一番の目標でした。フロントタイヤはよかったのですが、ブレーキングの接地感はまだ完全ではありません。今日はソフトとハードの両方を試しました。日曜日の午後まで、まだまだたくさん仕事をしなければなりません」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 15番手)
「これまでもリアタイヤのグリップに問題を抱えていましたが、今日も同じ状態で、厳しい一日でした。リアタイヤのグリップが不足しているので、スロットルを開けられず、フラストレーションがたまりました。今日は転倒しましたし、厳しい一日になりました」

スコット・レディング(MotoGP 17番手)
「今日は少し大変でした。調子がよくなく、ラップタイムを短縮するのが本当に大変でした。タイヤのスピニングの制御にも問題があり、高速コーナーではフロントの接地感が不足していました。明日に向けて、セットアップを進めなくてはいけませんし、よくなれば、ほかのRCV1000R勢と同じように走れると思います。今日は転倒車が多く、何度もイエローフラッグが出たことで、リズムに乗れませんでした。明日もセットアップに集中する必要があります」

青山博一(MotoGP 19番手)
「フィリップアイランド用のスペシャルタイヤのテストで、一日が終わりました。今大会のタイヤは、安全性を高めたことでグリップのレベルが落ちています。スピニングがひどく、コーナーの立ち上がりでタイムをロスしていました。とは言っても、みんな同じ条件ですので、うまくパフォーマンスを引き出さなくてはいけません。今回は左右非対称の新しいフロントタイヤもあるので、明日はそれを試してみなければなりません。今回はフロントもリアも、初めて履くタイヤが多く、タイヤの選択がとても重要になるので、タイヤテストに集中したいです」

エステベ・ラバト(Moto2 1番手)
「とてもいい一日でした。しかし前戦日本GPでは、フリー走行でいい走りができていたのに勝てなかったので、安心はできません。決勝に向けてすべてがよくなるように、引き続きがんばらなくてはいけません。今日は転倒車が多く、シーズン開幕前のテストで走ったときと、路面コンディションが異なりました。明日は、そのことも念頭に置いてセットアップをする必要があります。いいスタートになりましたが、まだまだやらなくてはいけないことがたくさんありますし、一生懸命タスクをこなさなくてはいけません」

中上貴晶(Moto2 16番手)
「今日はFP1とFP2ともに、フィーリングがそれほど変わりませんでした。今回は前戦日本GPで問題になった、フルタンク時のフロントのフィーリングを改善しようと、いろいろやったのですが、加重をうまくコントロールできず、気持ちよく走れませんでした。終わってみると、トップと1秒の差がありますので、2日目もセットアップに集中しなければなりません。フィリップアイランド用に、今回ダンロップが用意したタイヤは、温まりが悪く、最初の4〜5周は我慢して走らなければなりません。いつものように一発のタイムも狙えないので、じっくりタイヤを温めてアタックする必要があります。とにかく、フルタンクのときのフィーリングをよくするために、明日もトライします」

小山知良(Moto2 32番手)
「午前のセッションで転倒したことで、今日は時間を有効に使えませんでした。転倒したのはアウトラップの8コーナーで、いきなりリアが滑って転んでしまいました。高速コーナーでしたので、マシンのダメージが大きかったですが、スタッフが全力で修復してくれたおかげで午後の走行に間に合いました。全日本と違って、グランプリはタイヤが毎戦変わるため、データがない僕たちにとっては大変な一日でした。とにかく、タイヤのパフォーマンスをいかに引き出すか。それにかかっていますので、明日もタイヤテストに集中することになります。2年ぶりのフィリップアイランド・サーキットは楽しかったですが、転倒は失敗でした。やらなければいけないことがいっぱいあるので、明日はミスのないようにセットアップを進めたいです」

アレックス・マルケス(Moto3 6番手)
「全体的にいい一日でしたので、とてもハッピーです。初めからいいペースでした。風がなく、サーキットのコンディションもよく、楽しく乗れました。けれども、大接戦なので、明日はさらにいい走りになるよう改善しなければいけません。明日は2列目までに並べるように全力を尽くします。しかし、今日のベストタイムを縮めるのは容易ではないかもしれません」

アレックス・リンス(Moto3 9番手)
「走り始めから、速いペースで走れました。そのうちに風が強くなり、路面の温度がどんどん下がってしまったので、午後は難しいセッションになりました。今日はどんどんタイムが更新されていきましたし、まだ伸びるかもしれません。ですから、決勝までにいい状態に仕上げる必要があります」

1日目フリー走行リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム/差
199J.ロレンソヤマハF1'29.602
241A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO+0.147
393マルク・マルケスHondaF+0.150
429A.イアンノーネドゥカティF+0.201
54A.ドヴィツィオーゾドゥカティF+0.343
646V.ロッシヤマハF+0.352
735C.クラッチロードゥカティF+0.474
844P.エスパルガロヤマハF+0.501
968Y.ヘルナンデスドゥカティF+0.679
1026ダニ・ペドロサHondaF+0.687
1138B.スミスヤマハF+0.711
126ステファン・ブラドルHondaF+1.076
1369ニッキー・ヘイデンHondaO+1.432
1415A.デ・アンジェリスFORWARD YAMAHAO+1.506
1519アルバロ・バウティスタHondaF+1.535
168H.バルベラドゥカティO+1.541
1745スコット・レディングHondaO+1.572
1817カレル・アブラハムHondaO+1.617
197青山博一HondaO+1.662
209D.ペトルッチARTO+2.121
2163M.ディ・ミリオAVINTIAO+2.589
2223B.パークスPBMO+2.904
2370M.ラバティPBMO+3.241

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
153エステベ・ラバトKALEX1'33.057
211サンドロ・コルテセKALEX+0.598
312トーマス・ルティSUTER+0.624
481ジョルディ・トレースSUTER+0.639
536ミカ・カリオKALEX+0.702
640マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.763
760フリアン・シモンKALEX+0.860
894ジョナス・フォルガーKALEX+0.910
954マティア・パシーニKALEX+1.020
1022サム・ロースSPEED UP+1.024
1121フランコ・モルビデリKALEX+1.089
1288リカルド・カルダスTECH 3+1.095
1355ハフィズ・シャーリンKALEX+1.101
1419ザビエル・シメオンSUTER+1.181
1595アンソニー・ウエストSPEED UP+1.187
1630中上貴晶KALEX+1.219
1723マルセル・シュローターTECH 3+1.321
185ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+1.338
1977ドミニク・エージャーターSUTER+1.454
2018ニコラス・テロールSUTER+1.524
2196ルイス・ロッシKALEX+1.587
224ランディ・クルメンナッハSUTER+1.591
237ロレンソ・バルダッサーリSUTER+1.594
248ジノ・レイSUTER+1.659
2549アクセル・ポンスKALEX+1.749
2625アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+1.865
2714ラタパーク・ウィライローCATERHAM SUTER+2.072
2839ルイス・サロムKALEX+2.105
2941 エイダン・ワーグナー KALEX+2.153
3020フロリアン・マリーノKALEX+2.238
3110ティティポン・ワロコーンKALEX+2.433
3271小山知良NTS+2.829
3397ロマン・ラモスSPEED UP+3.105
3470ロビン・マルホウザーSUTER+4.748
- 42 マックス・クローカーSUTER+7.342
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
152D.ケントハスクバーナ1'36.906
28J.ミラーKTM+0.127
37エフレン・バスケスHonda+0.159
458J.ゲバラKALEX KTM+0.171
541B.バインダーマヒンドラ+0.180
612アレックス・マルケスHonda+0.236
784J.コーンフェールKTM+0.307
831N.アジョハスクバーナ+0.334
942アレックス・リンスHonda+0.352
1032I.ビニャーレスKTM+0.490
1163ズルファミ・カイルディンHonda+0.519
1233E.バスティアニーニKTM+0.552
1313J.イウェママヒンドラ+0.676
145R.フェナティKTM+0.677
1519A.トヌッチマヒンドラ+0.819
1644M.オリベイラマヒンドラ+0.866
1798K.ハニカKTM+0.897
1817ジョン・マクフィーHonda+0.973
1916A.ミグノマヒンドラ+0.989
2010アレックス・マスボーHonda+1.159
2123N.アントネッリKTM+1.190
2257E.グラナドKTM+1.275
2355A.ロカテッリマヒンドラ+1.344
2438H.アーズミーKTM+1.395
252R.ガードナーKTM+1.435
263M.フェラーリマヒンドラ+1.606
2765P.エッテルKALEX KTM+1.699
2821F.バグナイアKTM+1.827
2999J.ナバーロKALEX KTM+1.848
3043L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.048
319S.デウルKALEX KTM+2.066
3245O.シンプソンKTM+2.150
3395J.ダニーロマヒンドラ+2.175
344G.ラモスKALEX KTM+3.393