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MotoGP

round 02

SCHEDULE

April 12 2014, QUALIFYING MotoGP Red Bull Grand Prix of The Americas

U.S.A.アメリカズGP

マルケスが2戦連続ポールポジションを獲得。ペドロサ、ブラドルが僅差で続き、Honda勢がフロントロー独占

2014年4月12日(土)・予選  天候:曇り、ときどき晴れ  気温:28℃  コースコンディション:ドライ

第2戦アメリカズGPの予選は、Honda勢が上位を独占し、今季初となるフロントロー独占を果たしました。ポールポジション(PP)を獲得したのはマルク・マルケス(Repsol Honda Team)で、4回のフリー走行すべてを制し、予選では自身の持つ2分3秒021のサーキットベストタイムを更新する2分2秒773をマークしました。アメリカズGPでは2年連続、そして開幕から2戦連続PPを獲得しました。

  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • マルク・マルケスマルク・マルケス
  • (左から)ダニ・ペドロサ、マルク・マルケス、ステファン・ブラドル(左から)ダニ・ペドロサ、マルク・マルケス、ステファン・ブラドル
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ダニ・ペドロサダニ・ペドロサ
  • ステファン・ブラドルステファン・ブラドル
  • アルバロ・バウティスタアルバロ・バウティスタ

初日のフリー走行でライバルを圧倒したマルケスは、2日目のフリー走行でただ一人、2分3秒台で連続ラップをこなしました。さらに予選でも唯一、2分2秒台に乗せる快速ラップを刻み、サーキットに集まったファンたちを魅了しました。昨年の大会で最年少PP、最年少優勝という新記録を樹立したマルケスのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での人気は高く、2年連続PPを獲得したマルケスに大きな拍手と声援が送られていました。

2番手にはダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が入り、セッションをこなすごとに1秒近くタイムを短縮していきました。フリー走行はマルケス、ステファン・ブラドル(LCR Honda MotoGP)に続いて総合3番手でしたが、予選ではさらにタイムを短縮し、チームメートのマルケスに対し、0.298秒差まで迫る快走で2番手に浮上しました。昨年の大会では予選2番手から2位表彰台を獲得しました。予選、決勝ともにマルケスとの一騎打ちとなりましたが、優勝したマルケスには届きませんでした。それだけに、「今年は昨年より順位を上げたい」と今季初優勝に気合十分。Repsol Honda Teamの両選手の優勝争いに大きな注目が集まっています。

ブラドルは昨年のアメリカGP以来、11戦ぶりにフロントローを獲得しました。初日のフリー走行は7番手でしたが、「内容は悪くなかった」と2日目のフリー走行と予選に向けて自信を見せていました。その言葉通り、午前中のフリー走行で2番手に浮上すると、予選でもマルケスとペドロサに続いて3番手タイムをキープ。今季初フロントローから、昨年のアメリカGP以来となる表彰台獲得、そして初優勝への期待が膨らみます。

アルバロ・バウティスタ(GO & FUN Honda Gresini)は、初日から抱えているリアグリップの問題が改善せず12番手となりましたが、決勝での追い上げが期待されます。RCV1000R勢は、スコット・レディング(GO & FUN Honda Gresini)が13番手、ホームグランプリとなるニッキ―・ヘイデン(Drive M7 Aspar)が14番手、青山博一(Drive M7 Aspar)が16番手、カレル・アブラハム(Cardion AB Motoracing)が17番手でした。開幕戦カタールGPで、RCV1000Rを駆ってポイント獲得を果たした4選手が、今大会も上位フィニッシュとポイント獲得を狙います。

Moto2クラスは、エステベ・ラバト(Marc VDS Racing Team)が2戦連続PPを獲得しました。初日3番手となったラバトは2日目のフリー走行で、トップから1秒差以内に19台がひしめく大接戦の中で3番手につけました。そして、予選は目まぐるしくトップが入れ替わる激しい戦いとなりましたが、セッション終盤のアタックで首位に浮上しました。以下、1秒差以内に14台という相変わらずの接戦となり、ヨハン・ザルコ(AirAsia Caterham)、ドミニク・エージャーター(Technomag carXpert)が僅差で続きました。中上貴晶(IDEMITSU Honda Team Asia)は9番手から今季初表彰台と念願の初優勝に挑みます。ルーキーの長島哲太(Teluru Team JiR Webike)は30番手から追い上げのレースに挑みます。

Moto3クラスは、開幕戦カタールGPで初表彰台に立ったエフレン・バスケス(SaxoPrint-RTG)が2番手と好調をキープしました。アレックス・リンス(Estrella Galicia 0,0)が3番手、アレックス・マルケス(Estrella Galicia 0,0)が4番手とHonda勢が上位に名前を連ねました。開幕戦カタールGPで惜しくも優勝を逃した3選手が、その雪辱に挑みます。

コメント

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)
「今回のレースウイークの進み具合、そしてポールポジションを獲得した予選セッションには、とても満足しています。 マシンのフィーリングはいいです。そして明日のレースを前に、いいペースを築くことができました。とにかく、いいスタートが切れるようにがんばります。明日はダニとのバトルになると思います。彼が一番のライバルです。昨日、今日と気温が高いため、明日もタイヤに厳しいレースになるはずです。こういったコンディションの中では、序盤の戦いがとても重要になるので、集中していいレースをしたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 2番手)
「今日はマシンをかなりよくすることができ、昨日よりだいぶんいい走りをすることができました。予選ではポールポジションまでもう少しのところでした。明日のレースでは、アドバンテージをすべて使いきって優勝したいと思います。昨年(のアメリカズGP)は2位でしたので、明日はあと1つ順位を上げたいです」

ステファン・ブラドル(MotoGP 3番手)
「フロントローが獲得でき、とてもうれしいです。ここは好きなサーキットということもあり、私にとって特別な結果となりました。金曜日から土曜日にかけてマシンを改善することができ、タイヤのフィーリングもとてもよくなりました。今日は、フリー走行でとてもよいペースで走れましたし、トップ4に入るタイムをコンスタントに出すことができました。ダニとマルクはとても速いですし、ヤマハのライダーたちとも僅差ですから、明日は厳しいレースになると思います。集中力を維持しながら、ベストを尽くして、いい結果を残したいと思います」

アルバロ・バウティスタ(MotoGP 12番手)
「昨日と同様に難しい一日となりました。リアグリップを改善するためにセットアップに集中しました。いろいろ試したのですが、ポジティブなことは何も見つけることができませんでした。明日のウォームアップではハードタイヤを試してみようと思います。予選でハードを使ったときにはすぐにタイムが出せましたし、『決勝でも使えるのではないか』と思ったのです。もし、それで感触がよくなるようでしたら、いいレースができると思います。しかし、悪いポジションからのスタートですので、よいスタートを切らなければなりません。なるべく多くのポイントを獲得できるように全力を尽くします」

スコット・レディング(MotoGP 13番手)
「今日は本当にいい仕事ができました。2分5秒台は出せると思っていましたが、4秒台までいくとは思いませんでした。最後はフィーリングもよく、リラックスして走れたので、いいラップタイムを楽に出すことができました。RCV1000R勢の中で、ファステストタイムをマークできてうれしいです。ハードタイヤ使用は無理かと思っていましたが、明日はハードタイヤで走るつもりです。うまくいかないかもしれませんが、それも経験です。まだシーズン序盤なので、今はいろんなことにトライしてみたいです」

ニッキー・ヘイデン(MotoGP 14番手)
「中高速セクションで苦労していましたが、今日は楽に走れると思っていました。Hondaのマシンなので、『きっと走りやすいだろう』と思っていましたが、思ったようにはいきませんでした。電子制御の問題もあり、貴重な時間を無駄にしてしまいました。ホームグランプリなのですが少し残念です。今のところ思ったようにはいっていません。ですが、予選でタイムが1秒縮められたことは大きなプラスでした。明日のウォームアップでも引き続きがんばり、もう少しタイムを縮めたいと思います。そして、決勝ではファンにいいショーを見せたいです」

青山博一(MotoGP 16番手)
「今日の予選はアタックが決まらず残念でした。朝のフリー走行のフィーリングはよく、午後のフリー走行ではさらによくしようと、セットアップを変えてみました。このときにちょっとしたトラブルがあり、それをしっかりと確認できないまま予選に挑むことになりました。結果的にあまりよい状態ではなく、セットアップを元に戻す時間もなく、そのまま走りきりました。明日の決勝は、タイヤの選択がすごく難しく、どちらにするかまだ決めていません。ソフトではタイヤが持たないと思いますし、ハードではソフトよりペースが落ちてしまいますので、明日の天候を見て考えたいと思います。明日の決勝はタイヤの選択を間違えないようにしなければなりません」

カレル・アブラハム(MotoGP 17番手)
「午前中は少し苦戦しましたが、最後はかなりいいセッティングを見つけることができました。最初はリアに問題がありました。リアホイールがいつも上がってしまい、それがフロントに影響していました。一度危ない瞬間があり、もう少しで転倒しそうになりました。このサーキットはケガをした左肩には本当にきつく、明日は厳しいレースになるかと思います」

エステベ・ラバト(Moto2 ポールポジション)
「厳しい予選となりましたが、ポールポジションを獲得できてとてもうれしいです。今週はずっと1速までダウンシフトするポイントで問題を抱えていました。このサーキットは1速のコーナーが5カ所ありますので、その問題を解消することはとても大事なことでした。そして、予選ではチームがすばらしい仕事をして、解決策を見つけてくれました。こんなことができる人はパドックには多くはいないと思います。最後のラップは最高でした。レースに向けて自信はあります。速いライダーがたくさんいるため、厳しいレースになると思いますが、カタールに続いてまた優勝したいです」

ヨハン・ザルコ(Moto2 2番手)
「ポールポジションまであと少しでした。ティト(エステベ・ラバト)にわずか0.3秒差で負かされたことを知り、少し残念でした。ですが、全体的には満足しています。ここまですばらしい仕事をしてこられました。目標は明日に向けてこのペースを維持することです。ティトは今のところMoto2で一番のライダーです。レースでは彼と走って、すばらしいレースにしたいです」

ドミニク・エージャーター(Moto2 3番手)
「初めてのフロントロー獲得なので、とてもうれしいです。明日はいいグリッドからのスタートなので、多くのライダーをオーバーテイクする必要がなくなりました。カタールではエンジンブローがなければフロントローを獲得できていたかもしれません。とにかくレースでは、トップグループについていって、なるべく多くのポイントを獲得したいと思います」

中上貴晶(Moto2 9番手)
「9番グリッドは残念ですが、フリー走行、予選と確実によくなってきたので、内容は悪くないと思います。よくなった部分をラップタイムに反映できなかっただけで、明日の決勝に向けてよい状態をつくれたと思っています。今日は車体のジオメトリーを元に戻し、ギアもロングに振って、とても乗りやすくなりました。マシンのフィーリングがよくなりましたので、明日はそれを結果につなげたいと思っています」

長島哲太(Moto2 30番手)
「今日は12秒台を目標にしたのですが、13秒前半までしか届かず、残念でした。しかし昨年、このマシンでレースをしていた(マイク)ディ・ミリオとほぼ同じタイムです。初めてのコースとしてはそれほど悪くないですし、このまま前進していければと思っています。明日の決勝はタイムを12秒台に載せて、20位以内を目標にがんばります」

エフレン・バスケス(Moto3 2番手)
「昨日はとてもいいスタートが切れましたし、今日もいいペースを見つけ、いいラップタイムを出すことができました。このサーキットはとても難しいので、決勝レースではスタートがとても重要になります。フロントローからの決勝ですので、明日がとても楽しみです」

アレックス・リンス(Moto3 3番手)
「マシンのセットアップと今回の結果には満足しています。いいセッティングを見つけるのに苦戦しましたが、いいペースを作ることができました。今日、唯一足りなかったのは、満足のいくベストラップを刻めなかったことです。今日はいつも単独で走っていました。そのため、なかなかタイムを上げることができませんでした。明日のレースでは(ジャック)ミラー(KTM)が前に出て逃げることは分かっていますので、彼に逃げられないようにがんばります。もし、エフレン(バスケス)が同じ集団にいたら、難しい戦いになると思います 」

アレックス・マルケス(Moto3 4番手)
「午前中は一歩前進することができましたが、まだ改善の余地があります。ウォームアップでもこの調子でがんばりたいです。明日の天候がドライになることを願っています。このサーキットはスリップストリームが使えますので、大きな集団になると思います。厳しい戦いになることが予想されます。明日はトップグループについていき、タイヤが消耗する終盤まで我慢して、そこから勝負できればと思っています」

予選リザルト

MotoGP
順位 No. ライダー マシン F/O タイム
193マルク・マルケスHondaF2'02.773
226ダニ・ペドロサHondaF2'03.062
36ステファン・ブラドルHondaF2'03.196
441A.エスパルガロFORWARD YAMAHAO2'03.240
599J.ロレンソヤマハF2'03.243
646V.ロッシヤマハF2'03.244
735C.クラッチロードゥカティ F2'03.780
838B.スミスヤマハF2'03.800
929A.イアンノーネドゥカティ F2'03.842
104A.ドヴィツィオーゾドゥカティO2'03.846
1144P.エスパルガロヤマハF2'03.913
1219アルバロ・バウティスタHondaF2'03.923
1345スコット・レディングHondaO2'04.617
1469ニッキー・ヘイデンHondaO2'05.062
1568Y.ヘルナンデスドゥカティ F2'05.677
167青山博一HondaO2'05.788
1717カレル・アブラハムHondaO2'06.239
188H.バルベラAVINTIAO2'06.270
195C.エドワーズFORWARD YAMAHAO2'06.741
2070M.ラバティPBMO2'06.939
2123B.パークスPBMO2'07.403
229D.ペトルッチARTO2'07.745
2363M.ディ・ミリオAVINTIAO2'07.761

※F=ファクトリーオプション、O=オープンカテゴリー

Moto2
順位 No. ライダー マシン タイム/差
153エステベ・ラバトKALEX2'10.135
25ヨハン・ザルコCATERHAM SUTER+0.266
377ドミニク・エージャーターSUTER+0.287
419ザビエル・シメオンSUTER+0.531
560フリアン・シモンKALEX+0.567
640マーベリック・ビニャーレスKALEX+0.573
794ジョナス・フォルガーKALEX+0.613
83シモーネ・コルシFORWARD KLX+0.654
930中上貴晶KALEX+0.716
1023マルセル・シュローターTECH 3+0.722
1136ミカ・カリオKALEX+0.810
1281ジョルディ・トレースSUTER+0.859
1312トーマス・ルティSUTER+0.897
1415アレックス・デ・アンジェリスSUTER+0.992
1511サンドロ・コルテセKALEX+1.295
1639ルイス・サロムKALEX+1.361
1722サム・ロースSPEED UP+1.479
1896ルイス・ロッシKALEX+1.725
1995アンソニー・ウエストSPEED UP+1.758
2054マティア・パシーニFORWARD KLX+1.825
2121フランコ・モルビデリKALEX+1.910
2288リカルド・カルダスTECH 3+1.995
234ランディ・クルメンナッハSUTER+2.176
247ロレンソ・バルダッサーリSUTER+2.228
2549アクセル・ポンスKALEX+2.318
2618ニコラス・テロールSUTER+2.363
272ジョシュ・ヘリンCATERHAM SUTER+2.459
2855ハフィズ・シャーリンKALEX+2.505
2970ロビン・マルホウザーSUTER+3.074
3045長島哲太TSR+3.217
3110ティティポン・ワロコーンKALEX+3.267
3297ロマン・ラモスSPEED UP+3.502
3325アズラン・シャー・カマルザマンKALEX+3.660
348ジノ・レイSUTER+4.614
Moto3
順位 No. ライダー マシン タイム/差
18J.ミラーKTM2'16.342
27エフレン・バスケスHonda+0.347
342アレックス・リンスHonda+0.556
412アレックス・マルケスHonda+1.010
523N.アントネッリKTM+1.038
684J.コーンフェールKTM+1.182
710アレックス・マスボーHonda+1.210
85R.フェナティKTM+1.261
932I.ビニャーレスKTM+1.305
1041B.バインダーマヒンドラ+1.616
1119A.トヌッチマヒンドラ+1.633
1231N.アジョハスクバーナ+1.670
1358J.ゲバラKALEX KTM+1.675
1421F.バグナイアKTM+1.909
1517ジョン・マクフィーHonda+1.970
1652D.ケントハスクバーナ+2.023
1798K.ハニカKTM+2.176
1844M.オリベイラマヒンドラ+2.196
1957E.グラナドKTM+2.215
2063ズルファミ・カイルディンHonda+2.273
2133E.バスティアニーニKTM+2.273
2265P.エッテルKALEX KTM+2.550
2355A.ロカテッリマヒンドラ+2.634
2411L.ロイKALEX KTM+2.672
259S.デウルKALEX KTM+2.732
2661A.シシスマヒンドラ+2.909
2743L.グリュンヴァルトKALEX KTM+2.957
2851B.スホーテンマヒンドラ+3.381
293M.フェラーリマヒンドラ+3.751
3038H.アーズミーKTM+4.340
3122A.カラスコKALEX KTM+4.534
3295J.ダニーロマヒンドラ+4.880
334G.ラモスKALEX KTM+5.157